マガジンのカバー画像

エッセイ

161
エレベーター・やさしい人(中島みゆきの歌によせて)・分身の術など あれこれ
運営しているクリエイター

#俳句エッセイ

春憂いATMがとがめ顔

春憂いATMがとがめ顔

お金をおろすのと、送金のため、銀行に行った。
ATMというのは、どうも苦手。やり方は簡単だし、困ることもないのだが、なにかドキドキする。特に父の通帳からおろすときは、「それ、あんたの通帳じゃないだろ」と機械に囁かれているような気分になる。カメラがどこかにあるんだろうな、と思うけれど、見あげたら目が合うといやなので、うつむいてくら~~く下ろす。下ろしたお金はすぐリュックにしまい、さりげなく振り返って

もっとみる
心配性

心配性

 私は心配性だ。一つ気になることがあるとどんどん想像が広がり、収拾がつかなくなる。母も心配性で「いろんなこと心配してきたけど、歳とってきたら、もう直ったわ」と言っていたが、あれは嘘だ。亡くなった母の歳を超えても、わたしは相変わらず心配性だからだ。心配性というものは歳をとれば治る、と私を安心させたかったから、母はあんなことを言ったのだ、と思う。
 確かにいろいろな経験を経て、以前ならもっと大事に思え

もっとみる
花の2区を走るんだ

花の2区を走るんだ

もう、箱根駅伝?と思われるかもしれませんが、先月半ばに、家の新聞受けに「箱根駅伝交通規制ご協力お願い」のチラシが入っていました。今年は残念ながら、一般人のボランティアは募集せず、規制は審判員と学生だけで行うそうです。応援の人たちにソーシャルデスタンスを保ってもらうのは、なかなかたいへんそうです。

以前住んでいたマンションは国道沿いで、しかも「花の2区中継所」の近くとあって、駅伝当日はたいへんな人

もっとみる