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「音楽に一生はささげられないけど、一生音楽とつきあっていきたい」

小学5年生から大学まで、12年くらいピアノを習っていました。

12年と聞くと、ちょっとおどろかれるかもしれません。

実際は、週に1回30分、やさしい先生の個人レッスンを受け、たまーに発表会にでるくらいの、習いごとです。

習い始めて7年くらいまで、ピアノとはつかずはなれずの距離で続けていました。
好きだけど、熱中するほどではなかったんです。


楽譜をにらみながら、カタコトの英語みたいに弾いていた曲が、なんとか曲らしくなっていくこと。

レッスン後に、あたまから湯気がでてるよと言われるほど集中する感覚。


いやすぎて1年でやめたスイミングスクールのことを思えば、ピアノは好きだったと思います。

でも、自分から楽しむことはしませんでした。

言われた以上のことはやらず、次に弾きたい曲もでてこない。
宿題のようにたんたんと続けていたわたしは、とても消極的な生徒だったと思います。



それがある日、「夜想曲(ノクターン)」を弾いてかわりました。

レッスンでノクターンを弾いた日、
曲の前半はつっかえたけど、終盤のはやい部分がうまく弾けたのです。

「できた!」ってはじめて感じました。


「音楽に一生はささげられないけど、
一生音楽とつきあっていきたい」


そんな言葉を日記に残すくらい、その日、なにかが決定的にかわりました。


それ以来ピアノが楽しくなり、
最後の発表会はいいものにできたな~と自分でも思っています。

発表会で弾いたのはリストの「ため息」
フジコヘミングさんの演奏で知り、「この曲が弾きたい」とえらんだ曲です。


この音を、ゆっくり弾いてみよう。

弧をえがくように右手を動かしてみよう。そしたら見ている人にかっこいいと思ってもらえるかも。


演奏中、いろんな気持ちがうずまいて、肩からうでから指へ伝わって、音楽になって、なんだか楽しくって。

ピアノをやめて2年がたちますが、また習いたいなと思います。
それくらい、わたしの中にしっかりとのこっています。


・ ・ ・


そんな経験もあり、つづけたからこそわかるたのしみがあると確信しています。

というか、続けないことには、「たのしいの入り口」にすらたどりつけない、みたいな。

つづけたからこそ、そして、つづけさせてもらえたからこそ、たのしさや奥深さに気づくことができました。


つづけることで、はまる瞬間にであって、よりたのしくなっていく。
今は楽しさがわからなくても、続けたさきにその瞬間があると知りました。

ピアノが教えてくれたこと。
そしてきっとこのさきも、わたしをささえてくれること。



リスト :3つの演奏会用練習曲 「ため息」


たいしたものはお返しできませんが、全力でお礼します!! 読んでくださり、ありがとうございます!