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音楽の「熱狂」足りてますか?

FRIENDSHIP.DAOの立ち上げにアーティストとして参加しているLITE/Fake Creatorsの武田です。Fake Creatorsで昨年MUSIC NFTを3作品OpenseaにてリリースするなどいわゆるWEB3に足を突っ込みつつ、これから起こるであろう音楽業界のWEB3化にも多大な期待を寄せて日々FRIENDSHIP..DAO立ち上げの議論を重ねています。

さて、サブスク・WEB3と目まぐるしく音楽を取り巻く環境も変わりつつある昨今ですが、一度立ち止まってインディペンデントアーティストの音楽活動の過去・現在・未来を考えてみようと思います。

-過去- CD時代の私たち

僕らLITEは結成20年目を迎えているわけですが、サブスクの無い時代2003年の結成当初は音楽を広く届ける方法と言えば「CDをリリースすること」に尽きました。当時リスナーはCDとして買うことでしか音楽を聞けなかったわけですが、今にして思うのは当時はCDというモノを買うことで「音楽を所有する」という物理的体験をしていたのだなと思うわけです。アーティストのCDという物理的なモノに対してお金を払って所有することで、「このバンドのファンである」ということが自分に対しても、他の人に対してもその熱狂を顕在化できていたのです。この所有はアーティストに対する「応援」と言い換えることもできると思います。

-現在- サブスク時代の私たち

翻って現在、SpotifyやApple Musicを始めとしてサブスクの到来によって、アーティストはCDを作らずとも全世界のリスナーに音楽を届けられるようになり、リスナーはCDを購入すること無くアーティストの音楽を聞くことができるようになりました。一方で、音楽を聞くという体験は、お金を払って音源を所有するという体験から、プラットフォームにより「シェア」されるという体験に変わりました。シェア(共有)によって好きな音楽を手に入れるハードルが一気に下がった反面、何かを手に入れるという体験そのものの面白さ・熱の希薄化をもたらしたと言えるのではないでしょうか。
また、特定アーティストの応援という意味においても、自身で支払ったサブスクの定額が再生したアーティストにダイレクトに反映されているかと言えば否であり、その多くはどこぞの知らないビッグアーティストに流れてしまうという図式になっています。
その点、CD時代はプレス・レコードショップなど仲介業者が必須だったとはいえ、まだ今よりもアーティストに応援がダイレクトに届いていたと言えると思います。

-進行形未来- 新時代に生きる私たち

さて、進行形の未来においてこの点、WEB3が何を解決してくれるのかを考えてみます。一つには「特定アーティストに対する熱狂を取り戻すこと」にあると思っています。ただしここではアンチサブスクを唱えているのではありません。サブスクの音楽の流動性の恩恵を受けつつも、並行して別の切り口で、音楽を所有したり熱狂する体験を取り戻そうということです。

例えば、ROYALというサービスがあります。これは簡単に言うと「アーティストの楽曲のNFTを購入するとその楽曲から発生したサブスクの収益を一部受け取れる」というサービスです。アーティストを応援したいという気持ちに対して対価も得られるという設計ですね。

他にはSOUND.XYZという音楽NFTのキュレーション販売サイト(なんて表現していいかわからない)があります。ここではNFTをリリースするとそのNFTを購入した人たちがコミュニティを形成して、リスニングパーティをオンラインで行ったりと好みの近い人が集まって音楽を楽しむ世界があったりします。

WEB3はNFTのみにあらず

もちろんブロックチェーンはNFTだけではありません。その技術の根底にあるブロックチェーンは行動が記録される性質を持つため「応援が可視化」できることに重要な意味があります。

これまでサブスクでお気に入りのアーティストを再生しまくっていたとしても、それは自身の端末とプラットフォーム側でしか確認ができませんでした。アーティストから「あなたは楽曲を再生しまくってくれていますね、ありがとう」なんて言われることは無いわけです。だってデータはプラットフォームの闇の中ですから。
それが、ブロックチェーン上で行われるやり取りになればリスナーがアーティストに対してどれだけ応援をしているかの行動が刻まれるため、一目瞭然になるわけです。その応援が闇に消えてしまうより、応援先から何かしらのアクションが返ってきたら、応援の喜びは倍増するというものではないでしょうか。

そんなことを考えながら、アーティストやそのリスナー、または音楽関係者が再び「熱狂を取り戻すこと」になればいいなと思ってFRIENDSHIP.DAOのロジェクトを動かしています。まだFRIENDSHIP.に所属するアーティストのみへの展開に留まりますが、近々に大型のアップデートも予定されており、近く大勢の目に触れるときがやってきますので、ぜひ「応援」よろしくお願いいたします。