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顧客視点に立つと見えるもの

3日連続投稿!頑張っています。
みなさま、いかがお過ごしでしょうか?

弊社は8月決算なので、この2月で前半戦(9月からの6ヶ月)が終了するということで、後半戦に向けて色々と準備をしているところでもあります。noteは、書いてみると楽しくて、コツコツと続けられそうなので、ぜひ今後もお読みいただければと思います。フォローしてくださった方々、スキを押してくださった方々、ありがとうございます。リアクションの設定をしてみたので、フォローしたりスキを押していただけると何かしら出ると思います!

こちらの記事の文中で、「メルマガが古いと思うかどうかは、誰を対象とするかで決まる」という趣旨の記述をしました。これはマーケティングという分野ではとても大切な視点です。商売は、誰の視点で行うべきか。それは「お客様」です。

こうして読めば、「当たり前じゃん」と思う人が多いのは承知していますが、日々の仕事をする中で、果たしてどこまでそれを徹底できているかとなると、実はこの「顧客視点」というのは非常に難しいポイントだったりします。


購買心理ピラミッド

購買心理のピラミッド

今日は、私の会員様向けによく使うスライドから1枚、上のスライドをこちらの記事でも使ってみましょう。

マーケティングにおいて、次のような言葉があります。

  • デマンド:最終的に売りたい商品やサービス。来てほしい店舗など。

  • ウォンツ:「こんな感じのものがあればいいな」というカテゴリ欲求

  • ニーズ:お客様が持っている根本的な悩みや望み

個人店も高級店に勝てる

おしゃれな店VS家族向けレストラン

たとえば、みんなが憧れる一流の高級レストランがあるとします。一方、みんなが知っている家族向けのレストランもあります。

単純なイメージの問題で、「どちらが良いお店?」って聞かれると、なんとなく「一流の高級レストランに決まってるじゃん!一流だし!高級なんだから!」って答えたくなる人もいるでしょう。もしあなたがそうではなくても、そういう人が多そうだということはご理解いただけるはず。

でもこれは、「何において、良いと評価するのか」という前提条件によって変わってくるでしょう。たとえば、サービスの満足度や、店内の雰囲気への感動の度合い、料理のクオリティなどを調べれば、確かに高級レストランの方が勝ちやすい傾向にあるでしょう。一方で、1ヶ月以内のリピートの可能性や、子供からの満足度、行きやすさという意味では、家族向けの大衆レストランの方が、圧倒的に勝る可能性が高いでしょう。

よく、コンサルティングをしていると、「私のサービスには、そこまで高い価値がないので」とご相談をいただくのですが、それはあくまで一つの基軸で判断したときの話に過ぎません。

価値がない。そんなことはないのです。ただし、

  1. 誰の、どんなニーズに対して最大の貢献が出るのか

  2. その人たちは、どんなカテゴリ欲求=ウォンツがあるのか

  3. その人たちが、自社のサービスを選んだ決定的な要因は何か

このあたりを、よく調べて分析することが大切です。

たとえば、非常に高級なお寿司屋さんがありますよね。高級なお寿司屋さんには個人店もとても多いです。その一方で、一皿100円ほどの回転寿司もあります。回転寿司はチェーン店も多いですよね。さて、どちらが勝者ですか?

それは、ある軸で比較すれば、高級な個人店の寿司屋かもしれません。寿司のクオリティや店内の雰囲気が素晴らしいことは、行ったことがない人でも知っているほどです。

しかし、商業的な勝者は、おそらくチェーン店でしょう。誰でも気軽にお寿司を食べられるチェーン店は、全国に展開されていて、売上などの経営面では、個人店などは比較にもなりません。

じゃあ、どっちが勝者なの?というのは、意味が無い問いなのです。
答えは「何において?」によって変わるのですから。

もっと正確に言うのなら、「どんなお客様が勝敗を決める場合において?」ということなのです。

価値の宿る石っころ

話を元に戻しますと、「私のサービスには、これといった高い価値がありません。」というのは、そのサービスを運営している作り手の視点です。顧客視点ではありません。

子供に言われた一言

2023年のある日、私は仕事から家に帰ると、玄関に丸い石っころが転がっているのを見つけました。

ただの石っころでした

上記はイメージですが、大体こんな感じの、どこにでもあるような石っころだったのです。はっきり言えば、近くの公園でよく見かけるものだったので、子供が持って帰ってきてしまい、いらないから玄関に転がっているのだと思いました。

別に、その辺の公園にいくらでもあるし、、、

大人から見れば、そんな感じなので、、、こうなりますよね?

ゴミ箱へ

そのどこにでもある普通の石っころを、私はゴミ箱にきちんと入れて、片付けました。

その結果、先ほどの画像の通りなのですが、翌朝になると子供が私にすごく怒っているのです。

「パパ!なんで石を捨てちゃったの?あれは宝物だったんだからね!」

大人の私の視点からは、何の価値もない石っころであっても、それはあくまで私の視点です。

私の子供の視点では、それは宝物であり、この上なく価値のあるものだったのでしょう。

価値というのは、不思議ですね。対象となるモノは同じでも、ある人から見れば全く価値のないものになるし、ある人から見れば最高の宝物になるのです。

この例から分かるように、価値というのは「誰から見ての」という前提で変わる魔法です。事業者として気をつけなければいけないのは、この主語が「お客様が」であるべきだということ。

  • お客様から見て、価値があるかどうか

  • どんなお客様にとって、価値があるのか

  • そうしたお客様は、何をお望みなのか

これがまずは、顧客視点の源流になります。仮に、あなたにとっては当たり前の技術や機能だとしても、それをまさに望むお客様にとっては宝のような価値なのです。

顧客心理を分析

先ほどの、この図で考えてみましょう。

購買心理のピラミッド

事業者としては、次のどちらかのパターンがあると思います。

  1. デマンド=売りたいものが先に決まっているパターン

  2. ニーズ=お客様が持つ根本的な悩みや望みが先にわかっているパターン

もし、売りたいものが先に決まっていたり、店舗などをすでに構えている場合は、デマンドから掘り下げていくことになります。

「この商品(サービス・店舗)は、どんなカテゴリから選ばれているの?」
→ つまりお客様は、最初からあなたのデマンドを知っていたわけではなく、「こんなものが欲しいな」というカテゴリ選択の段階を経て、そのカテゴリ内からあなたのデマンドに辿り着いているはずなのです。

たとえば、仮に「おしゃれなレストラン」を経営しているとして、自分たちにとっては、その「おしゃれさ」が価値だと思っているとしましょう。ですが、実際に来店されたお客様にアンケートなどを取ってみると、来店予約をした理由の第一位は、「落ち着いた雰囲気で、大切な話ができそうだったから」だとしたらどうでしょうか。「おしゃれ」とは少し違ったニュアンスのカテゴリから選ばれているのがわかりますか?

つまり、この例では、おしゃれな雰囲気への売り手のこだわりよりも、「落ち着いた雰囲気で、大切な話ができる空間設計」の方が価値として高い可能性があります。

このように、ウォンツを発掘したり仮説を立てられたら、ニーズの方も探ります。たとえば先ほどのようなアンケートで「今回、そもそもレストランに訪れようと思ったきっかけは何でしたか?」といったように、根本的なニーズを聞き出す質問を用意するのです。

その結果、たとえば「家の中での日常会話では伝えづらい感謝の気持ちを伝えたかった」という趣旨の回答が多かったとしましょう。

もしそうであれば、先ほどのウォンツと組み合わせると、このレストランでは、、、

  1. 特別なメッセージを伝えられる特別な時間を提供(ニーズ)

  2. 落ち着いた、二人だけの空間を提供(ウォンツ)

  3. おしゃれなレストランとしての提供(元々のデマンドの特徴)

この3つの柱を中心点にすることで、まさに「宝のような価値を感じてくれるお客様」を集めることができやすくなるのです。もちろんこれは一例で、アンケートや調査の結果によってコンセプトは変わるはずです。

つまり、前章の石っころの話と同じく、同じ対象であっても、誰がどんな部分を評価しているのかは変わるわけなので、事業においては

  • どんな要素から選ばれているのか

  • その要素で選ぶ人には、どんな根本的な悩みや望みがあるのか

という二点によってデマンドを掘り下げていけば、顧客視点によるコンセプトの最適化がやりやすくなるのです。

購買心理のピラミッド

また、もう一つのパターンとして、デマンド=売りたいものなどはまだ決まっていないけど、「こんなニーズに応えたい」というニーズが先に判明している場合は、そこから組み立てれば良いのです。

「そのニーズを持っている人は、どんなものを欲しがっている?」
→ ニーズから一気にデマンドを考えてしまうのではなく、ニーズを土台に次の段階で発生するウォンツを考えます。

たとえば、「ダイエットを成功させたいけど失敗ばかりしている」というニーズを持っている人がいるとします。この場合、ダイエットで苦労をしたことがない人にとっては「食事か運動に気をつけりゃ良いじゃん」ということがすぐに分かるので、「減量レシピ」とか「トレーニング方法」とか、そんなものを起点に商品やサービスを提供すれば、ダイエットを成功させてあげられると、すぐにわかるかもしれません。

しかし、ニーズの次の段階は、ウォンツです。

ウォンツとは、「こんなものがあるといいな」というカテゴリ欲求。
デマンドとは、「まさにこのサービスが良い」という具体的な商品など。

そこに目を向けた時、ダイエットに失敗して悩んでいる人が注目しているウォンツとして、たとえば「らくして痩せる方法」がかなりの割合を占めているとしましょう。(これは例です。実際に調査したわけではありません。)

となると、最終的にお客様の根本的な悩みを解決できるのは、食事や運動の習慣を改善することだとしても、その手前にある「らくして」というカテゴリ選択をクリアしなければいけません。

その結果、ゴリゴリと体育会系の指導でトレーニングをさせて、プロボクサー並みの減量メニューを強いるようなサービスではなく、「このメニューから好きなものを選んで食べてね」「このスマートウォッチで歩数の目標を達成するとゲームアプリと連動してストーリーが展開されていくよ」などなど、極力「らくして」に近づけるコンセプトで食事と運動の両面をサポートできる体制を整えた方が良さそうですよね。

なので、ニーズが先に決まっていて、デマンドを後から開発する場合の注意点は、その中間の段階であるウォンツを飛ばして考えないことです。ウォンツは「こんなものがあれば欲しいな」というカテゴリ欲求。つまり、購買決定要因の土台とも言えます。

作り手の視点では、ニーズの解決策は知識・技術・経験からすぐに分かるので「はい、じゃあこれどうぞ!」って解決策だけポンと提供できちゃうのですが、それだと「欲しい」とはならない。それはウォンツを飛ばしてい設計しているからで、お客様の中では「解決したいこと」と「欲しいこと」が結びつかないからなのです。

この章で述べた点に注意して、商品やサービスの開発、コンセプトの見直しなどにあたってみてください。

ちょっとだけ難しいニーズの話

顧客視点に立つっていうと、みんな「そんなの当たり前」と思いがちですが、ここまでを読んでいただき「確かに、そんな風には考えていなかったかも」と思った場合は、まずはここまでの話をベースに、ご事業を再設計してみてください。

一方で、ここまでの話は実践できていたり、かなり理解できる場合は、もう一歩核心へと迫りましょう。

実は「ニーズ」というのにも種類があります。大きくは3つあります。

  1. 顕在ニーズ:お客様が最初から自覚しているニーズ

  2. 潜在ニーズ:お客様が普段は自覚していないニーズ

  3. インサイト:お客様の深層心理

まず、1の顕在ニーズと、2と3のようなニーズの違いはわかりやすいと思います。たとえば、先ほどのレストランの例で、実際にレストランを予約する時には「大切な話をしたいから、落ち着いたおしゃれなレストランがいいな」という自分の中のニーズは自覚しているでしょう。

一方で、
「自分の人生において、家族に感謝を伝えることは幸福を支える重要な行動である」
とか、
「感謝を伝えることで、相手に喜ばれるし、自分も満たされる。実はこれは、自分のためでもある。」
なんてことは、なかなか意識していないはずです。

こうやって言葉にしてみると「意識しているかもよ?」って思うかもしれませんが、インターネットや雑誌でレストランを探して予約をしようというときに、本当に上のようなことを考えている人は稀でしょう。

こういうのが「お客様ご自身も自覚していない心理」です。

では、2の潜在ニーズと、3のインサイトは何が違うのでしょうか?

ここはいろいろ解釈があるのですが、私たちはこんな風に切り分けています。

  • 潜在ニーズは、言われてみれば「そうかも」と判明することが多い

  • インサイトは、言われても「え?そうかな?」と思うほど深い心理

また、潜在ニーズというのは、あくまでニーズという分野の言葉なのですが、インサイトの場合はそれが

  • 購買決定の瞬間の判断や行動

  • サービス利用中の行動や思考

  • ご利用後の評価に影響を与えているけど、無自覚な要因

としても現れます。たとえば、普段にぎやかなお店でワイワイと食事をするときに比べて、おしゃれなレストランでは「落ち着いた低い声で話す」「ゆったりとした動作スピードになる」というのは、本人が意識していなくても自然とそうなる場合があるでしょう。もし自覚していないのなら、それはインサイトの可能性があります。

「あなたは、感謝を伝えることで家族との関係が良くなり、それが人生において大切なことだと思っているのではありませんか?だから、今回、おしゃれなレストランを選ぼうと思ったのでは?」
→『言われてみればそうかも』→潜在ニーズ

「あなたは、おしゃれなレストランに入ると、普段よりも低い声でゆっくりと話しかける癖がありますね。表情も普段より自信に満ち溢れている雰囲気です。あなたはひょっとして、パートナーに感謝を伝えることと同じくらい、自分に自信を持ちたい欲求もあるのでは?」
→ 『え?そうかな?そんな風に思ったことはないけど・・・。』
→ 「では、自信を持って生きる自分であることは大切だと思いますか?」
→ 『うん、確かに、そう聞かれると、それは結構大切だね』→インサイト

まぁ、判明の仕方は、この通りではありませんが、こんな風にインサイトにたどり着くのは少し大変です。インサイトの方が潜在ニーズよりもさらに深い心理に隠れていますから。

ですので、ポイントとしては、

  1. ニーズには本人が自覚していないニーズもあるよ

  2. 深層心理は、お客様の行動や判断に現れることがあるよ

こういう心理を読み解くために、お客様の「表面上の言葉や回答」だけではなく、その行動や判断などにも注目して「なぜ、そうなのか」を考えることが、真に顧客視点に立つためにとても大切なこととなります。

顧客心理をベースに、売れる要因を生み出す

ただの石っころだって、誰が見るかで宝物となる。

同じように、私たちは、本気でやられているご商売なら、そこには必ず価値があるということをまずは信じています。

地域の定食屋のコンセプトメイクの例

たとえば、地域にある定食屋は、何も意図せずに経営していれば、競合の進出でピンチに陥ってしまいます。

では、その地域における、定食屋に対するニーズはなんでしょうか?たとえばそれが昼休憩にガッツリ食べたい!という男性サラリーマンのニーズが強いとしましょう。

さらにその人たちに「ランチのお店を決めるときの基準はなんですか?」と話を聞いてみると、それは、

月曜日から金曜日まで日替わりで食べていけるようなメニューの豊富さがありつつ、だけどちょうど迷わずローテーションできるくらいのメニュー数が良い。だって、昼休憩は短いから。それで、どのメニューもガッツリ食べた感があると良いな。

ということだとします。これはカテゴリ欲求なのでウォンツです。となると、この例では主な定食メニューが5〜7種類ほどに絞られていて、店内の看板で大きく「月曜日は◯◯定食!」と、瞬間で注文ができる工夫がされており、どのメニューも男性サラリーマンが満腹感を感じる内容になっていると、このお店が選ばれる確率が上がりそうです。

幅広いターゲットを意識したチェーンの飲食店では、メニューを選ぶのに時間がかかったり、満腹感が少し足りないと感じていた人たちも、この定食屋はバッチリ!と思ってくれるかもしれません。

プチ贅沢飲食店のコンセプトメイクの例

では、個人経営のちょっと高級なお菓子屋さんとか、そうしたプチ贅沢志向の個人経営についてはどうでしょうか。

すでに来店している人や、隣町にある類似のお店を調査してみると、プチ贅沢を定期的にしたいというニーズは確かにあると分かったとしましょう。

では、そのニーズを持つ人は、どんな基準でお店を選んでいるのでしょうか?それがウォンツのはずです。たとえばそれも聞き取り調査をしてみると、「人気のお店から選ぼうと思っています」「やっぱり、評判のお店が気になりますね」ということだとしましょう。

この場合、インサイトとして、そのニーズやウォンツを持つ人たちが「どんな風にそのお店を人気だと判断しているのか」「どんな要因によって評判かどうかを判断しているのか」を調べると良いです。その人たちの行動や回答の中にヒントがあるかもしれませんし、突っ込んで質問をしてみても良いでしょう。

その結果、「予約しないと買えないらしい」「お店の前にも行列ができている」などのことが、人気や評判の判断基準になっていると分かったとしましょう。

であれば、わざと「ネットで予約する方式を主軸にする」「店舗はあえて小さくし、お店の外に受け取りの行列ができるようにする」など、狙ってその話題が生まれるように設計すれば良いのです。

先ほどの定食屋の時のように「短い時間でサッと食べたい」というのが根本のニーズやウォンツなら、この方法は顧客満足度を下げますが、こちらの例ではプチ贅沢をするにあたって「ネット予約しないといけないくらい人気」「行列ができている」ということが良い意味での選ばれる要因になっているのですから、逆手にとって、そうなるように設計するのです。

少し極端な例に感じるかもしれませんが、実際に人気店では同様の狙いで設計がされていることも多々あります。

常連で賑わう居酒屋のコンセプトメイクの例

私も経験がありますが、地域によっては、駅前のチェーン店の居酒屋はいつもガラガラなのに、昔ながらの個人経営の焼き鳥屋はいつも常連で賑わっているということがあるでしょう。(そういうお店が大好きです。笑)

常連で賑わうお店は、偶然でも意図していても、顧客心理をしっかり捉えています。

たとえば、その地域で飲む人には「家に帰る前に、ちょっと寄って話を聞いてもらえるような自分の居場所みたいな行きつけの店が欲しいな」というニーズが度々見受けられるとします。(こういう場をサードプレイスと言います。)

そういう人たちがお店を選ぶとき、このニーズが土台となり

  • 接客やサービスがフレンドリーで親切なところが良い

  • 何度か行くうちに、こちらのことを覚えてくれる感じだと良いな

  • 行きつけのお店があるってカッコいいから、そうなれるお店が良い

などのカテゴリ欲求=ウォンツがあるとします。

この場合、たとえばお店の接客に力を入れた方が良いのは間違いがなく、その接客とはお行儀の良さというよりも、

  • 名前で呼んでくれる

  • 前回の話を覚えてくれている

  • こちらの好みを覚えてくれている

などなど、この例のウォンツを踏まえれば、上のようなことに重きを置いた接客が良く、家庭と職場の間くらいのフレンドリーな関係を感じさせる接客が良いことになります。

そこで、お店側の工夫として、「お客様メモ」という記録を付けるのも良いかもしれませんね。そこにはお客様の名前やお仕事、前回の話題や、お酒の好みなども記録していけば、ニーズやウォンツにあった接客がしやすくなり、より高確率で選ばれるのではないでしょうか?

さらに、ウォンツの中に「行きつけのお店があるってカッコいい」というものがあるのなら、何度目かのご来店の際に「ボトルを入れておくとグラスで注文するよりもお得ですし、常連さんのボトルはしっかりキープしてありますので」という常連ならではの提案をすることで、顧客満足度とリピート率の両方を上げることに成功しそうです。ボトルキープをしているお店なら、再来店の可能性は高いですからね。

あなたのご商売に眠る最高の価値

どっちが宝石?

「自分のビジネスには、そんな大した価値がありません」

そのご不安、そのお気持ちは、痛いほどよくわかります。
しかし、そのお考えは、あくまで作り手のあなたという視点から見たお話です。

この記事を読んでいただいた今なら、「どんなお客様の、どんな視点から見れば、、、」という視点の転換によって、そのビジネスに眠る価値が輝き始める可能性を感じていただけたと思います。

どちらも同じ価値を持っている

大人から見れば、公園に落ちている石っころなど、なんの価値もないと判断できたとしても、それは「大人の視点から見れば、その石の価値が見えていないだけ」です。

子供から見れば、大人が実際に宝石と呼んでいる石も「キレイだな〜」と思うかもしれませんが、時にそれと同じくらい公園の石っころも「宝物〜」と感じるのです。それは「子供の視点から見れば、石っころに眠る価値が見えているから」です。

顧客視点で考えよう!なんて言葉だけを見れば、商売では当たり前のことだと誰だってわかるでしょう。

しかし、本当にお客様の視点に立つためには、この記事で書いたことをベースとした熱心な向き合い方が必要です。私たちは、常に自分というフィルターを通して物事を見ています。だからこそ、知識としては理解していても「お客様の視点に立って」とか「顧客を理解して」というのは非常に難しく、そして奥が深く、そして、それこそ事業にとって最も価値のある宝物が眠っているポイントなのです。

あなたの事業には価値があります。私は確信を持っています。
もし、この記事に書いたことがヒントになるようでしたら、あなたの価値を磨いてください。それを必要とする人の前に置いてください。それを必要とする人が、それを価値だとわかるように置いてください。

きっと、良い結果が待っています。

長い記事のさいごに・・・

マジっすか。楽しくて、気づいたら1万文字近く書いてしまった。
今日のテーマは専門分野の一つでもあり、できるだけ分かりやすい例を使いながら・・・なんて思っていたので熱が入りました。

こちらのnoteでは、①目標達成のための考え方やマインドセット、②マーケティングに関する知識、③小規模事業の経営戦略、を軸に記事を書いていきます。

今回は少し奥が深く、難しいビジネスの話でもありましたが、もっと基本的なことやマインドセットよりのことでも構いません。記事のテーマについてご要望がございましたら、ぜひこちらのフォームからお送りください。

上記からご質問を送っていただければ、次回以降の記事でそちらのテーマについて解説をするかもしれません。お一人でも多くの方の目標達成に貢献したいと思っております。

お知らせ:無料記事と有料記事について

メンバーシップを、月額1,000円でやっています。初月無料です。今はマーケティングマスターコースというプランですが、目標達成マインドコースも月額500円でやろうかなと構想しています。

それもあって、どんな記事が読めるのか知ってほしいので、しばらく無料でも記事を公開していきます。ぜひフォローしていただき、次号もお読みいただければと思います。

株式会社フレンドマーク
五十嵐

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