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「接客」とはなんなのか

わたしは以前、飲食店のサービスマンとして働いていた。
こう言ってはなんだが、自分が客として店に行ったときに、
接客に対して思うことは多々ある。
ということで、自分の考えを記してみようかなと思う。


「接客」と聞いて、多くの人がまず思うことはなんだろう。

  • 誰でもできる仕事?

  • どうせ接客でしょ?

  • AIに取って代わられる仕事?

  • 誰がやっても同じだよね?

  • 別に丁寧な接客とか求めてないし?

こんなあたりだろうか?


さて、じゃあわたしの考えはなんなのかというと、
接客とは「お店の顔」である、だ。
確かに高級レストランのような接客を求めているお客様は少ないかもしれない。
けれど考えてみてほしい。

  • お料理はおいしいけれど接客は最悪

  • お料理はふつうだけれど接客は最高

という2店があった場合、多くの人は後者をリピートするのではないだろうか。


ファミレスやチェーン店、なんだったらラーメン屋にしてもそうである。
「日本の接客は素晴らしい」なんて外国人は感じてくれていると言うが、
果たして、ほんとうにそうだろうか。
わたしとしては首を傾げたくなる。

「低単価のお店だからいい」とか、決してそういうことではない。
低単価のお店こそリピート率が重要になってくるわけで、
リピート率を上げるのに効率的なのは良い接客ではないだろうか。
極端な話ではあるが、
お客様のリピート率が上がれば、
新規のお客様を集めることに精を出さなくていいはずである。

高級レストランというものは、リピート率が高い。
もちろん富裕層が顧客というのはあるが、
それでも広告なんかを打ちださなくても経営していけるのは
そのリピート率の高さゆえではないだろうか。


外食産業をやっているのであれば、
ある程度おいしいのはあたりまえである。
それ以外のどこに付加価値を付けるかで、
リピートしてもらえるかは決まる。
たとえば外装や内装に付加価値をつける?
それで果たしてお客様は増えるだろうか?
インスタ映えなんかで一時的にはお客様を呼べるだろうが、
長くは続かないだろう。
そして外装や内装を変えるには、まとまった資金か必要である。

チェーン店のなかには、すでにお料理を運ぶロボットを
取り入れているところが見受けられる。
こういった店舗はどんどん増えていくだろう。
確かにロボットを取り入れてしまえば、
接客なんて関係ないのかもしれない。
人間がやる必要のない仕事なのかもしれない。
けれど、接客という仕事はなくならないと、わたしは思う。
もちろん減ってはいくだろうが。


「接客はお店の顔」

それを意識できている店舗はどれだけあるだろうか。
それを意識できている接客従事者はどれだけいるだろうか。
接客という仕事に誇りを持って働いている人が、どれだけいるだろうか。
自分がお店に行くたび、通り過ぎるたび、
そんなことを感じて寂しさや悲しさを覚える。

自分の接客でお客様が喜んでくださる。
それがとても嬉しいことだと思える接客従事者はどれだけいるのだろうか。
接客だけでお客様を感動させることは可能である。
ただ、それをわかっていない、なんとも思っていない人が
多すぎるのではないだろうか。
少しでも「接客はお店の顔」ということを意識できる店舗が増えると、
社会はもっと温かいものになると、
大袈裟すぎるかもしれないが思っている。

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