縦書き小説本作成ツール『威沙』を触ってみた覚え書き
同人誌の印刷用原稿(組版)を作る際、方法としては
・印刷会社が提供してくれているサービスを使う(しまや出版が有名)
・Wordを使う
・専用の組版ソフトを使う(InDesignなど)
・TATEditorを使う
あたりをよく見かける。
このなかで、Wordはなるべく使いたくない勢なので(ルビの扱いがはんざつすぎるし、制御できない動作が多すぎる)除外する。有料ソフトもちょっと保留。
小説投稿サイトのルビをそのまま使いたいので、ルビ対応可能なTATEditorも魅力的なんだけど、どうやらPC版では挿絵が挿入できなさそう(前回の記事)。また、本文中のフォントサイズなどを変える方法もわからない。
それで、別の方法として、Twitterなどでたまに流れてくるフリー組版ソフト『威沙』を試してみることにした。Web版とダウンロードしてPCで使う版とがある。
おすすめやハウツー記事もけっこう豊富なので、わかりやすい。参考にしたのはこちら:
インストール
インストール方法はこちらに詳しい。
ダウンロードはこちらから。
インストーラーは見慣れたタイプで、立ち上がりまで難しい部分はぜんぜんない。機能が制限されたWeb版もあるので、こちらを触って使用感を確かめてからインストールしてもいいかも。(私はそうしました)↓
起動してみる
上記のマニュアルどおりに、本文のtxtファイルを作り、画面上にドラッグ&ドロップしてメニューバーのPDFを選べば変換される。簡単!
ちょっとややこしいのは、本文をテキスト形式にしてドラッグ&ドロップ⇒TNF形式に変換⇒TNF形式のファイルをふたたびドラッグ&ドロップしてPDF変換という二段階があるところ。でも、一度やったらすぐ慣れる。
ぱっと見たところ、カクヨム形式のルビもなんなくルビとして処理されている。ありがたい~。
マニュアルを読むと、テキストファイルをtnfというマークアップ形式のファイルに変換しているらしい。なかを開いてみると、たしかに<!-- -->とか見覚えのあるタグが。
プログラミングはさっぱりだし、個人サイトを経由してないのでHTMLもほとんどわからないんだけど、マークアップについてはMarkdown経由で多少触っているので、言わんとするところはなんとなくわかる。
テキスト段階で、Markdownのような記法でタイトル、章タイトル、挿絵、奥付用の情報などを指定できる。(これをPreTNF形式という)小説投稿サイトのルビとかの記法に慣れていれば難しくない。PreTNFの簡易タグ一覧を見ながら作業した。
言葉だけだとわかりづらいので、実物を。
テキストをこんなふうに書くと↓
TNF形式ではこんなふうに見えて↓
PDFに変換するとこうなる。
TNF形式がややこしそうに思えるけど、一度やってみればつかめる感じなので、最初はマニュアルにそって作ってみるといいと思う。細かい調整をするのでない限り、TNF形式のファイルはいじらなくても大丈夫。
解説どおりに触っていくとtnf形式にもだんだん慣れてきて、立ちあげて2時間くらいで、およそ思ったような形のPDFができた。
おためしPDF
tnf形式の本文をエディタ(Mery)の画面で見るとこんな感じ:
表示形式をHTMLにしているので、コメント部分が淡色になっている。見やすい。TATEditorと違って本文中にタグを書きこんでいくので、どこになにがあるかわかりやすいのがいい。
章の部分のフォントサイズを大きくするとか、挿絵をいれるとか、そのへんがTATEditorではさっぱりわからなかったのだが、『威沙』ではすぐに解決できた。要らない情報はタグごと削ればいいし、そのへんもわかりやすい。
プレビュー機能がないので、確認のためにいちいちPDFにしないといけないわずらわしさはあるが、操作自体がシンプルでわかりやすいのはありがたい。
PDFをしょっちゅう開くことになるので、デフォルトのものではなくて新しくSumatra PDFというビューアを入れました。軽いし、変更を同時に反映してくれて助かる。校正用のやりとりはコメントが残せるAcrobat Reader DCで。
これなら原稿できそうな気分になってきたぞ~(*´∀`*)
備忘
細かく調整しようとすると、TNF形式をいじることになる。
章タイトルの数字を縦中横にしたいものの、タグのなかにタグを入れることができないので方法に悩んでいたが、index(目次指定)ではなくnumber(自動採番)タグを使うことで解決した。indexを使わないと目次が生成できないけど、どのみち目次は作らない予定なので、この形でいけそう。
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<newpage/>
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<spacer num="5"/><font size="150%"><number name="t" /></font><br/>
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章区切りに上のを入れる。
次の回:
参考
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3
威沙用新書テンプレート
5
読み途中のもの
※前回の記事同様、自分の勉強用のノートなので、随時編集・追加してきます
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