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大学病院で勤務する意味は何だろう?、必ずしも悪いことばかりではない!?

これを読んでいるあなたは大学病院をやめたいと思っているのではないでしょうか?
私も大学病院勤務が嫌で医局を早期に離脱していますし、批判的な立場をとっていますが、大学病院にもメリットはあります。
ここでは大学病院勤務のメリットをお伝えしたいと思います。

これまでにも大学病院の給与や労働条件が如何に悪いかを何度もお伝えしてきたと思いますが、若手のうちの3〜5年程度期間限定でメリットもあると考えています。

大学病院は教育機関という側面があり、当然医局員の教育もこれに含まれています。
医局によって多少の濃淡はありますが、教育的な要素としては最低限、上級医とのディスカッション、カンファレンス、回診、抄読会等はあると思います。
一見無駄に感じることも多いと思いますが、標準的なレベルの医師になるためには実はとても重要です。
標準的なレベルの医師とは、、
診察の結果から検査等の計画をたて、その結果を評価し、治療方針をたて、再度評価し、患者さんの状態を改善させる。分からないこと、上手くいかない場合には、自分で文献を調べて方針を修正できる。診断や治療について他者に説明できる。

当たり前のことを書きましたが、これらは大学病院にいると自然と習得できてしまいます。
まず上級医とディスカッションやカンファレンスをするには、症例について自分なりに診断や治療方針をたてないといけませんし、それを説明できるようにならないといけません。また、カンファレンスでは複数の医師から意見をもらえるのでさまざま視点から症例を見ることができます。
回診では自分の診察で取得した所見が正しいのか?、上級医がどのように診察をするのか?など自分の診察を見直す機会になります。
抄読会は確かに面倒ですし、普段そんなに精読する必要はありませんが、論文の調べ方や妥当性について検証するなど文献を調べる能力を身につけるいい機会になります。

多数の医師が在籍していることもあり、複数人の指導が受けられるため、考え方や診療スタイルが平準化されやすいです。民間病院では指導医が一人しかいないところもあり、いい指導医に巡り会えるといいのですが、非常に偏った指導を受けたり、指導自体が受けられなくて我流になってしまうこともあります。これを後から修正するのは非常に大変です。

専門医や指定医などの指導体制は別記事にも書きましたが医局によって様々です。直接良質な指導が受けられない場合もありますが、直近に資格を取得した先輩が在籍している可能性が高く、レポートや試験についての最新の知見や情報にアクセスしやすいです。また、指導を受けられる場合も複数の上級医が在籍しているため、複数の上級医から指導を受けることで指導が偏ることがなく、平準化され合格率が上がります。筆者の医局では資格取得の指導は非常に手厚く、指導体制がシステム化されており、当時は指定医の合格率は100%でした。(新制度になってからは多少下がったようですが、全国平均と比較すると非常に高い合格率だと聞きます。)

また、上は教授から下は研修医までさまざまな学年医師が多数在籍しているため、人脈も作りやすいです。医局にいる間はあまり実感がないかもしれませんが、医局を離れた後に医局で培った人脈は非常に重宝します。医療界は広いようで狭い世界なので医局での縁がどこで生きるかわかりません。大切にしましょう。
大学病院は非常に給与や労働条件は悪いですが、使い方次第ではメリットもあります。
若手の数年間は自己投資だと思って、所属してみるのもいいでしょう。
ただし、漫然と所属するのではなく、医局で何をするのかという目標意識を持って所属しましょう。

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