精神科医の私がバイトを選ぶ基準


若手医師の皆さん、こんにちは。精神科医としてキャリアを積む中で、大学病院、民間病院、クリニックといった様々な医療機関で勤務してきました。今回は、私がバイトを選ぶ際に重視している基準についてお話しします。ポイントは以下の5つのバランスで給与、実労働時間、勤務地に行くまでにかかる時間や労力、勤務日や勤務時間の融通性、当直や待機の場合は部屋の過ごしやすさです。楽に効率よく稼ぐためのポイントを押さえ、バイト選びの参考にしていただければと思います。(事例はやや極端のところもありますが、どのようなプロセスでバイトを決めているのかを知っていただけると幸いです。)

1. 給与

給与は重要ですが、所得税や住民税を考慮すると、手取りは概ね50〜60%程度に圧縮されます。そのため、著しく安い場合を除いて、額面の給与の差は実はそれほど大きな影響を与えません。例えば、待機するだけで30,000円の仕事と、忙しい外来で40,000円の仕事があるとします。この場合、税金を考慮すると5,000円程度の差しかないため、待機するだけの仕事の方が楽に稼げるといえます。

2. 実労働時間

拘束時間よりも実労働時間が重要です。例えば、当直で普段全然コールされない病院で40,000円と、精神科救急対応がある病院での当直で60,000円の場合、コールの頻度とその他の条件を考慮して、楽に稼げる方を選びます。額面で20,000円の差があっても、コールが頻繁にあるとその分の労力がかかり、実質的な効率は低下します。追加の金額でその労力をペイするかを考慮しやるかどうかを決めます。

3. 勤務地に行くまでにかかる時間と労力

距離よりも移動にかかる時間と労力が重要です。例えば、車で1時間移動する場合でも、高速道路を利用して真っ直ぐ走る方が、渋滞が多い下道を移動するよりも楽です。同様に、新幹線で1時間移動する場合は距離が遠くても、乗っているだけで到着するため、非常に楽です。飛行機も乗っているだけで着きますが、時間の融通は効きませんし、搭乗手続き等も面倒ではあるので労力はかかります。高速道路で1時間程度までで行けるところか新幹線で2時間以内で行けるところあたりが割と楽に移動できると思っています。

4. 勤務日や時間の融通性

遅刻や無断欠席をしないのは社会人として当たり前ですが、前後の仕事との時間調整が必要な場合、病院側がその調整に柔軟に対応してくれるかが重要です。特に、急な休みが必要な場合、病院側が代わりの医師を探してくれるかどうかも考慮します。医師は労働者であるため、本来は病院側が代わりの医師を探すべきですが、医局からの派遣などの場合は医師側が探すことが慣例となっていることもあります。

5. 当直や待機の場合の過ごしやすさ

当直室のグレードや食事、その他のアメニティを考慮し、どの程度疲れを残さずに過ごせるかが重要です。効率よく楽に稼ぐためには、快適な環境が必要です。具体的な数値化は難しいですが、「この当直室なら全然苦にならない」と思える環境でなければ知らず知らずのうちにストレスが溜まり、疲労も残るため効率が低下します。日々の疲労やストレスのコントロールは実は非常に重要で、この点をクリアできないと結果的に辞める方向に思考が進み長続きしなくなります。

まとめ

バイトを選ぶ際には、給与、実労働時間、勤務地に行くまでの時間と労力、勤務日や時間の融通性、当直や待機の場合の過ごしやすさ、この5つのポイントをバランスよく考慮しています。若手医師の皆さんもバランスを考えて効率よく稼ぐことをお勧めします。楽に効率よく稼げる環境を見つけ、自分に合った働き方を模索してください。