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七つの大罪との向き合い方

さっき読み終わった本は武田知弘氏の「ナチスの発明」である。
遂に大日本帝国讃美だけではなく、ナチス讃美まで始めやがったか、この野郎、と思った諸氏もいるかもしれない。
ただ、上述の本にも書いてある通り、ナチスだと言って全否定する姿勢こそ、歴史修正主義と言えるだろう。
実際問題、ナチスの遺産の中には現代の我々が利益を享受しているものも多いし、アーリア人たるドイツ国民にとっては、労働者を含めて極めて高福祉国家だった、ということはこの書籍を読めば良く分かるのである。(読む前に思ってた以上の高福祉で驚いたのが本音である。)
ぶっちゃけ、れいわ新撰組の政策の上位互換をマジで実現した感じなのである。
無論、ナチスの全部が全部を肯定できる訳ではないのは当然であるが、良かったものは素直に良かったのだと認めることが真摯な在り方ではないだろうか?

さて、本題の方は読んでた本とは正直あんまり関連がない。
七つの大罪をご存じだろうか?
フィクションではよく使われるテーマであり、まんまタイトルにしている漫画もあった。(私は残念ながら読んではいないが…アニメは断片的に少しだけ見たことがある。)
元々はキリスト教において使われていたものであり、原罪とも呼ばれている。
それらと対応する美徳も併せてWikipediaに記載されていたので以下に引用する。

暴食⇔節制
色欲⇔純潔
強欲⇔慈善・寛容
憤怒⇔忍耐
怠惰⇔勤勉
嫉妬⇔感謝・人徳
傲慢⇔謙虚

https://ja.m.wikipedia.org/wiki/七つの大罪

これを見る限り、左にはドロドロしたものが、右には綺麗な言葉が羅列してある。
以前の記事でも書いたが、性善説も性悪説も取るつもりはない。
とはいえ、ナチュラルに全部右側の美徳側で生きてます!だなんて人がいたら、むしろ気持ち悪いとまで思うのである。
純粋な悪が人間の根源だとは思わないが、欲望はその根源にあって然るべきだと思っているのである。
ハッキリ言って、全部右側の美徳で生きましょう!だなんてのは、むしろ醜悪な本音を覆い隠す唾棄すべき綺麗事だと考えるのである。
当のキリスト教徒が、明らかに七つの大罪に引っ掛かる様な悪行を行っているケースが多いのがその証拠だろう。(だからこそ戒められているとも言えるが…)
要は、欲望は人間の本質なのであるから、それを上手く活用して、より良い社会に向けて利用しましょう、という訳である。
もちろん、これらの行き過ぎた欲望は身の破滅、引いては社会までをも破滅に導きかねない。
一方で、欲望は自身の行動の大きなモチベーションにもなり得る。
なので、これらの欲望を適度にコントロールして、より良い自分、より良い社会にしていくにはどうすれば良いかを考えていきたい。
そのためのプロセスとしては、各論的になるが、それぞれの罪に関して、それぞれの本質を検討し、破滅につながるパターンを検証し、コントロールした発散方法を案出する、という形で述べていきたいと思う。

・暴食
◯本質:行き過ぎた食欲、美食の過度な追求、過度な飲酒(個人的には依存性嗜好品・薬物の濫用も含めて良いと思う。)
◯破滅につながるパターン:不健康な食事習慣等による健康被害、美食の追求による破産・他者の財産への侵害・収奪、飲酒状況による他者からの評価の壊滅・酩酊による他者への危害・依存症による生活の破綻
◯コントロールした発散方法:チートデイの活用、節度ある美食(たまの贅沢、少なくとも身の丈に合った食生活)、適度な量の飲酒・嗜好品の摂取

・色欲
◯本質:過剰な性欲、異性(性的対象者)からの異常な承認欲求
◯破滅につながるパターン:性依存症・浮気・不倫・性犯罪・セクハラ、ストーカー・不特定多数との性行為とそれに伴う性病への罹患・風俗やキャバクラ、ホスト等での過剰な浪費
◯コントロールした発散方法:適度な自慰行為・パートナーとの性行為、推し活・フィクションの視聴等の仮想恋愛・適度な性風俗店等の利用

・強欲
◯本質:過剰な物欲・金銭欲
◯破滅につながるパターン:破滅的な浪費、非合法・非倫理的な手段による富の収集
◯コントロールした発散方法:金のかからない趣味を持つ、適度な自分へのご褒美

・憤怒
◯本質:怒りの発露、他責・加害欲、破壊衝動
◯破滅につながるパターン:パワハラ・暴力・DV・虐待、テロ行為・反社会的抗議活動・行き過ぎたネットリンチ、煽り運転・放火・窓ガラスを割って回る
◯コントロールした発散方法:ノート等に怒りの気持ちを書き殴る(過去記事参照)・愚痴を言い合う(通称被害者の会)、クリエイティブな趣味や格闘技等の趣味を持つ、ゲーセンのパンチングマシン、暴力的ゲーム、合法的に色々ぶっ壊せるお店を利用(例:リーストルーム(記事末尾参考を参照))

・怠惰
◯本質:怠惰は怠惰だよ、めんどくせぇ…
◯破滅につながるパターン:ニート・不勉強・すっぽかし・汚部屋(ゴミ屋敷に進化するパターンも)・ホームレス
◯コントロールした発散方法:適度なサボり・手抜き、十分な睡眠、完璧主義をやめる

・嫉妬
◯本質:他者の境遇、財産、能力等を羨むこと
◯破滅につながるパターン:いじめ、犯罪行為(窃盗、強盗等)、人間関係の崩壊
◯コントロールした発散方法:適度な浪費、趣味を持つ、自分の強みに自信を持つ、嫉妬を力に変えて努力する

・傲慢
◯本質:過大な自尊心、自己顕示欲、強過ぎる承認欲求、他者への見下し
◯破滅につながるパターン:自己の能力を超えた挑戦、虚言癖、マウント
◯コントロールした発散方法:ネット弁慶、Vtuberをやる、傲慢キャラの確立

この七つの大罪というのは、人間の根源的な欲求をよく表したものだと思う。
当然、行き過ぎれば悪いものであるが、それが罪であるとは思わない。
自己の欲求をしっかりと把握し、適度にそれを発散したり、逆に力に変えてしまうことで、より良い人生を歩んでいくことができるのではないだろうか?

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参考

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