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古典文学お手軽読本その17 伊勢物語編

はじめに


 伊勢物語と言えば、在原業平をモデルとする歌物語として有名ですが、現在残っている本は、原作本のようなものがあって、その後、後世の人が色々と書き加えてできているそうです。原作者は不明とのことですが、紀貫之あたりではないかと考えるといいかもしれません。(ある小説に、そのヒントが書かれていました。詳しくは、古今和歌集編を参照してください。)。

1.現代語訳


◎『ビギナーズクラシックス 伊勢物語』
 坂口由美子:編 KADOKAWA 角川ソフィア文庫
(モデルとなっている在原業平の、史実としてのこっている記録と、物語の内容を比較して解説しています。東下りなどはしていないとの見解です。)

◎『大庭みな子の竹取物語/伊勢物語』 わたしの古典シリーズ③
 大庭みな子:著 集英社 集英社文庫
(伊勢物語の全文が訳されているのが良いです。和歌の訳も短く短歌風にまとめてあって、読みやすいです。特に、この和歌の訳が短くまとめられているところが非常に良いです。各段の最後に、鑑賞と言う形で、各段の内容の説明が入っています。さっと読んだ後で、鑑賞を読んで、またもう一度読んでみると内容理解が深まります。)

2.解説本


◎『恋する伊勢物語』
 俵 万智:著 筑摩書房 ちくま文庫
(伊勢物語の解説本風のエッセイ集です。伊勢物語は、単なる歌物語では無い奥深さがあると言っています。)

◎『NHK 100分de名著 伊勢物語』
 高樹のぶ子:著 NHK出版
(『小説伊勢物語 業平』を書いた、高樹のぶ子さんが、伊勢物語について解説しています。業平は、巻き込まれ型の恋愛をするタイプであると言っています。)

3.小説


○『小説伊勢物語 業平』
 高樹のぶ子:著 日本経済出版
(早く文庫本にならないですかね。待ってま~す。)

※『伊勢物語』と同じような歌物語に、『大和物語』と言うのがあって、看護系の大学や専門学校の古文の入試問題に出題されているのよく見かけます。しかし、『大和物語』の現代語訳とか解説をした文庫本や新書本は見たことがありません。存在していないのですかね?
 

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