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フリーランスは最高!だけど…ぜんぜん仕事が来ないシンプルな理由とは?
イラストレーター・高田ゲンキさん『フリーランスで行こう』より転載
前回記事はこちら:「フリーランスになりたい」に周囲は大反対!イラストレーターの夢を抱えた会社員が駆け込んだある場所とは?
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独立の今昔
お読みいただきありがとうございます。
今回のエピソードは、僕の2004年の実体験を2017年に描いたものです。つまり執筆は約6年前、体験に関しては何と19年前の事になりますが、実はこの個人事業主としての独立のフローは現在もほぼ同じです
独立のシステムが20年間ほぼ変化しない社会というのが良いのか悪いのかという議論はさておき、その無変化のおかげで当時の僕の経験は今独立しようとしている若い人にもそのまま参考にしていただけるわけで、その点は嬉しく思っています。
今回のエピソードは大きく分けて
① 退職
② 開業
③ 設備投資
④ 営業(マーケティング)
…の4段階のフェーズがありますが、今回はその①の部分について少し書いていきたいと思います。
退職の決意
退職に関しては漫画ではサラッと描いていますが、この決断に至るまでも実は長い葛藤がありました。やはり会社員としての安定や堅実なキャリアアップを捨てる不安と、自分の可能性に挑戦したい好奇心の間で数ヵ月悩み続けた20年前の日々を、今でも鮮明に思い出すことができます。
そういった葛藤の中で、僕の背中を押してくれた特に大きな3つの事があります。
一つ目は、前エピソードで描いた師匠イラストレーターの大寺聡さんの言葉。
二つ目は、僕自身の中で「30歳までに自分の働き方や生き方の方向性を定めたい」という気持ちが強かったこと。当時26〜27歳だったので、逆算すると今独立しないと間に合わない!という焦りもあり、この焦りが良い意味で原動力になりました。
三つ目は、この時期に観た映画『スパイダーマン』の中の
「大いなる力には、大いなる責任が伴う」
という言葉です。
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この言葉を聞いて、「スパイダーマンが超人的な力を持つのと同様に、僕が人並み以上にうまく絵を描くことができるのもまた、言ってみれば大いなる力と言えるのではないだろうか? その力を持ちながら、生活の安定を優先するために最大限活かせる働き方から逃げるのは、力を持つ者としての責任を全うしていないという事に他ならないのではないか? 安定した収入や人並みの娯楽みたいなものは犠牲にしても、自分の持つ力を発揮して世の中に貢献することこそが自分の責任と言えるのではないか?」と思うようになり、それ以来フリーランスになることに対する迷いは一切無くなりました。
独立は今も昔も大きな勇気を求められる決断ですが、「フリーランスになりたい」と思う人の多くは「自分には人とは違う才能があるはずだ」という確信があるはずなので、ぜひこのスパイダーマンの言葉(正確にはベンおじさんの言葉)を思い出してご自身の力を世の中のために使う使命を果たすために勇気ある一歩を踏み出してほしいと思います。
次回記事はこちら:そうだ、営業に行こう!決心した著者がまず立ち寄ったのは…本屋さん⁉
高田ゲンキ(たかた・げんき)
イラストレーター/漫画家。1976年生、ベルリン在住。2004年にフリーランスイラストレーターとして活動開始。2012年に夫婦でドイツ移住。イラスト/漫画制作、書籍執筆、YouTube|ブログ|SNSでの発信等メディアを問わず幅広く活動中。イラスト実績の近年の代表例は経済産業省 特許庁のオンライン特許庁見学など。著書2冊出版。一児の父として、フリーランスの仕事と育児の両立の限界に挑戦し続ける日々。
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