見出し画像

伝統産業である「枡」を「内装材」として売る夢を、副業・プロボノチームと共に実現!:有限会社大橋量器

画像5

フリーランスとフリーランスを活用する企業のさらなる成長や活躍を目指し、今年も開催される「フリーランスパートナーシップアワード2020」。活用企業部門1次審査を通過したファイナリストをご紹介してまいります。

本記事は、様々な得意分野をもつ副業・のプロボノ人材チームと共に、伝統産業である「枡(ます)」を「内装材」として用いる新しい事業を切り拓いた有限会社大橋量器の大橋博行さんにお話をお聞きしました。

最後に、投票フォームもありますので、取り組みへの共感や参考になった場合は投票をお願いします。

■フリーランスパートナーシップアワードとは
プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会主催。エントリーは、「活用企業部門」と「エージェント/コーディネーター部門(個人)」に分かれています。10月12日(月)~10月30日(金)のWeb投票期間を経て、アワード受賞者が決まります。

活用企業部門:雇用形態や勤務場所にとらわれずに多様な人材をチームの一員として招き入れることで事業成長に導いた企業
エージェント/コーディネーター部門(個人):フリーランスのチカラが最大限に活かせる環境を見出しマッチングを支援した企業と、その担当者

夢を実現するために、社外の人材の力を借りた

――まずは御社の事業内容を教えてください。

実に1300年もの歴史を誇る「枡」の製造を事業としている会社です。弊社は1950年創業と、枡の歴史から見ればまだまだ新しい会社なのですが、日本一の枡生産地(全国シェアの80%)となっている岐阜県大垣市に拠点を置いています。

――枡の業界は、現在どういった環境に置かれているのでしょうか?

業界としては衰退傾向にあり、私がIT企業を辞めて家業に携わる頃には、会社の売上が子どもの頃に聞かされていた数字の半分程度になっていました。また、大垣市が誇る地場産業である枡製作メーカーも最盛期の11社から3社へと減少の一途をたどっています。

この現状に危機感を抱いていたところ、NPO法人G-netさんと出合って、長期で大学生インターンシップの受け入れを始めました。従来のBtoB依存のビジネスモデルからtoC向けの市場開拓や、枡の新たな用途を見つけようと奔走してきました。

――大学生の長期インターンシップを受け入れた経験があったのですね。そうした状況で、なぜ副業人材を受け入れようと思われたのですか?

大学生やデザイナーさんと協業してインテリアにもなる多彩な枡の開発を進めていると、少しづついろいろな販路ができてきました。

画像4

そんな時、アゼルバイジャンのレストランに出荷した14,200個の枡が内装材として使われていることを知り、「枡を内装材として使用する新規事業をしたい」と思うようになります。

画像3

しかし、枡づくりの会社が建築業界へ乗り込むのはハードルが高く、参入には至りませんでした。

こうして夢を抱いたままになっていたのですが、弊社に入ってきた新卒社員もこの夢の実現に向けて挑戦することに希望を持ってくれました。ただ、私と彼の力だけではどうにもならない問題だったので、G-netさんに相談したところ、ふるさと兼業による副業人材の活用を提案されたのです。

期間ごとに目標を決め、チームで結果を残した

―― 紹介されたのは、どういった人材だったのでしょうか?

当初は、「プロボノ」というボランティアの形で副業を探している社会人の方々が中心でした。最初は”社会人の副業”という発想自体が全く頭になかったのですが、未知の分野に挑戦することを考えれば、「社会人のプロ」の力が必要だと思い至りました。

3期にわたってメンバーを募集し、建築士・デザイナー・大企業の社員・公務員など、これまで計10名以上の多様な人材にプロジェクトへ参画していただきました。

――すでに3期も実施されているのですね。具体的にはどんな業務を依頼されたのでしょうか?

ふるさと兼業のコーディネーター伴走のもと、3期それぞれで期間ごとの目標を決め、そこに向けたチームを結成して、プロジェクトに参画していただきました。

画像4

第1期は「販路開拓と内装材としての活用実績づくり」を目標とし、一緒に先入観なく柔軟な考えをするために、あえて建築に詳しくない公務員3名と公認会計士1名で4人チームを作りました。3ヵ月の活動を通じて、弊社がつくるカフェ「masu cafe」と、岐阜市でオープンしたバー「MASU BAR 蓬莱」の2ヶ所で枡を内装材として使った実績を残しています。

第2期は「内装用建築資材としての規格化と、展示会出展に向けたパートナーの募集」を目標とし、建築関連の専門知識と経験が豊富なメンバー4名と事業を進めていきました。期間中に、弊社では担えない枡を内装材として加工する工程のパートナー業者を見つけることができました。

第3期は「枡の内装材としてのブランディングと、Webサイトなど販促ツールの制作」を目標とし、Webデザインやブランディングを本業とするメンバーと1期から継続して関わっている方との計3名に、期間中に誕生した「MASPACIO」という弊社ブランドのロゴやWebデザイン、ストーリーづくりなどをお任せしました。

若手社員の育成やファンづくりにも効果大

――フェーズ毎に必要な知見を持つ副業人材をアサインして、一歩ずつ着実に成果を出されたのですね。上記の他に、3期の活動で得られたものはあったのでしょうか?

入社2年目の若手社員をプロジェクトリーダーに抜擢していたのですが、経験豊富な副業人材との関わりの中で急成長し、弊社が実施するプロジェクトに推進力をもたらす存在となってくれました。当時では先進的だったオンラインミーティングなどのリモートによるプロジェクト運営のスキルを身に付けたことも今に繋がっています。

同時に、プロジェクトで携わっていただいた副業人材の皆さんが、弊社のファンになってくれました。一声かければまたいつでも一緒に仕事ができる「仲間」にもなれた気がします。

――若手社員の育成やファンづくりにも効果があったのですね。

はい。副業人材の力を借りたことで私の夢が実現への第一歩を踏み出し、若手社員への継続的な育成効果も生み出せました。弊社にとっては全く新しい挑戦でしたが、ビジネスが大きく加速しましたね。

――既存の枠組みにとらわれがちな伝統産業に携わっていながら、新たな一歩を踏み出そうとするチャレンジ精神に感銘を受けました。本日は素敵なお話をありがとうございました。

◆ ◆ ◆

画像5

パートナーシップアワード最終審査実施中!
ぜひこちらからWEB投票をお願いいたします!

フリーランスパートナーシップアワード2020ファイナリストについての情報や紹介記事は下記をご覧ください。
https://blog.freelance-jp.org/20201012-10731/








この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?