移住先でのお仕事事情「リモート+新規開拓」を目論んだ私の場合 ~連載「母子移住のススメ」第6回~
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移住先でのお仕事事情「リモート+新規開拓」を目論んだ私の場合 ~連載「母子移住のススメ」第6回~

子育て期の移住となると、「仕事をどうするか?」は大きなポイントになります。今回はフリーランスライターである私の、移住後の仕事の状況や今後の展望を綴ります。

<前回までの流れ>

「東京の仕事をする」ために「東京に住む」必要はなくなった

移住前は東京の郊外に住み、働き方、経営、組織などをテーマにウェブメディアの記事や本を書いてきました。そのため、しょっちゅう都心の企業に取材に行っていました。

ここ5年ほどは政府の後押しがあり、全国で「働き方改革」が進んでいます。その中でも東京は、企業も個人も動きが速くて面白い取り組みも生まれやすい場所。仕事の上では「東京に住む」というのは良い選択でした。

一方、2011年の東日本大震災以降、東京での暮らし方や働き方に疑問を持つ人も増えてきました。私は夫が旅好きということもあり、夏休みや年末年始などにはよく家族で地方の民宿やゲストハウスなどに泊まり、その地域で面白い働き方をしている人に話を聞きにいきました。

地方でのユニークな事例を聞いていると、日本の「最先端」は東京にあると思っていたけれど、実はそれを超えた先端が地方にあるのかも――そんなことを感じたりします。

加えて徐々にリモートワークがしやすい世の中になってきたこともあり、いつしか私自身「ずっと東京にいなくてもいいな」と思うようになっていきました。

だから、子どもの小学校入学のタイミングでの移住を考えたとき、「これまでの仕事をリモートで続けつつ、地域での仕事も作っていく」ということが自然にイメージできました。

コロナ禍で取引先もリモートワークにシフト、「オンラインで仕事を継続」が可能に

さて、実際に移住してみてだったかというと、最初の1年は「これまでの仕事をリモートで」がほとんど。地域での仕事はまだまだ未開拓です。

理由のひとつは、移住の時期が新型コロナウイルスの感染拡大の時期と重なったこと。

東京にいたときに取材対象だったような企業の多くがリモートワークを推進し、「取材はオンラインで」が当たり前になったのです。

私自身はそれまでにもZoomなどを使ったオンライン取材の経験があり、多少の難しさはあっても、やればできることは分かっていました。

とはいえ、取材先や、取引先であるメディアの方に受け入れてもらうには交渉が必要だと考えていました。それが、コロナによる働き方の変化でほぼ不要になったのです。

最近は以前ほど「なんでもリモートで」という雰囲気はなくなり、企業の方から「こんな取り組みがあるので取材に来ませんか」とご連絡をいただくこともあります。それでも「実は地方にいるので、オンライン取材にさせてもらえませんか」と言ってみれば、「構いませんよ」とお返事いただくことが多いです。一度はリモートワークを経験し、「直接会えないならオンラインでも可」と考える方が増えているのでしょう。

そんなわけで、移住前にやっていた仕事は減らず、むしろ交通費や移動時間も節約でき、私としては非常にありがたいことでした。

ただ、これは取引先のメディアさんなどとの信頼関係があったからできたことだと思います。オンラインでの仕事は、全国どころか全世界の誰にでも頼むことができるわけです。「あの人に依頼しよう」と思ってもらえるような実績や関係性があるかどうかは、移住後のフリーランスの仕事を大きく左右しそうです。

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(これは自宅の即席のスタンディングデスクコーナー。気分によってダイニングテーブルに移ったり、タイトル画像にあるように公民館のフリースペースに行くことも)

一芸があるフリーランスは地方で仕事をつくりやすい

移住の一年目は、オンラインでいただく仕事をやり遂げるのに精一杯で、地元での仕事を生み出すということにはほとんど手がまわりませんでした。

だからあまり偉そうなことは言えませんが、何かしら「一芸」があってそれを仕事にしているフリーランスにとって、地方での仕事のきっかけづくりはそれほど難しくないのでは、と感じています。

というのも、東京ではありふれていた「一芸」が地方では珍しかったりするし、それに「移住者」という属性が掛け合わさると、希少価値になることもあるからです。

例えばライターという職業でいえば、もちろん地方にも素敵なライターさんはたくさんいます。でも、東京の企業や個人の動きをよく知っているライターはそんなにいない。そうすると、「地方にいると見えづらい『最先端の動き』を知りたい」といったニーズに応えることができたり、「ずっと地元にいると分からない、地域のユニークなところ、素敵なところ」に気づいて可視化することができたりするのです。

「一芸」と言っても特別なことでなくてもいいのです。SNSで会社やお店の情報発信ができます、といったことが、若い人の少ない職場ではとても喜ばれたりします。

また、小規模の地域ほど人と人の距離が近いので、「フリーランスで◯◯をやっています」「こういう相談ができる方はいますか?」などと話してみると、「あそこに行けば、仕事があるかも」「誰々に聞いてみたら」といった話は早いです。

タイミングやニーズが合致すれば、地元企業の社長さんとか、自治体の首長さんなんかに引き合わせてもらえる可能性だって、大都市に比べると格段に高いです。

そこから先、実際の取引につながるか、儲かるビジネスモデルを作れるか、というのはまた別の問題です。その段階では、「東京では通るロジックが地方では通じない!」といった壁にぶつかることも多くあるでしょう。

でも、移住前の仕事を続けられていれば焦ることはありません。リモートでの仕事をしつつ、地元での仕事の種をまき、どこかで開花する可能性を増やしていくのも、フリーランスの生存戦略のひとつだと思います。

「教育移住」と認識してもらうことで両立もしやすく

東京にいたときは、仕事関係の人に子育ての話をすることは、あまりありませんでした。

でも移住してからは、地域で出合う人にはまず「子どもの小学校入学を機に移住しました」と自己紹介するのが自然な流れ。「お父さんは?」と聞かれて「東京で仕事していて、普段は母子で生活してるんですよ」と伝えることも多いです。

後に仕事相手になる人にも、最初から「教育移住してきたお母さん」というキャラで認識してもらえるわけです。そうすると、打ち合わせの日時決めなどでも「子どもが学校に行っている時間だと都合が良い」「土日も動けますが、子連れでもいいですか」といった「家庭の事情」を理解してもらいやすくなります。こちらも変に気後れせず、気持ちの良いコミュニケーションができます。

移住後の仕事の中身やバランスはまだまだ模索中ですが、日々の生活とうまく融合させて自分なりのスタイルを作っていきたいと思います。

やつづかえり
コクヨ、ベネッセコーポレーションで11年間勤務後、独立。2013年に組織人の新しい働き方、暮らし方を紹介するウェブマガジン『My Desk and Team』開始。『くらしと仕事』編集長(2016〜2018.3)。Yahoo!ニュース(個人)オーサー。各種Webメディアで働き方、組織、ICT、イノベーションなどをテーマとした記事を執筆中。著書に『本気で社員を幸せにする会社』(2019年、日本実業出版社)。

やつづかさんPH

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