石川県の半島で、真冬の”能登ワーケーション”を体験!〜ワークスペースや食事、見どころを紹介〜
あの入江の中に浮かぶ島が気になる
日本地図をじっくり眺めると、陸地から突き出た半島がたくさんあることに気づきます。
その代表的な半島の一つが、石川県の能登半島。
今回、能登半島がワーケーション誘致に向けたモニター企画を開催したため、編集部の児玉がいざ参加。4日間の滞在で垣間見た真冬の能登地域の魅力をお届けいたします。
能登半島の入り口、羽咋市には1日中楽しめるコワーキング施設が誕生
金沢駅から40分間バスを走らせ、辿り着いたのは、「コワーキングベース千里浜」。
千里浜は、日本で唯一「車で走れる砂浜」として有名です。全国のクルマ好きやバイク好きがこぞって訪れる砂浜なのだとか。
そんな人気スポットにあるのが、カフェにコワーキングスペースを併設した「能登千里浜レストハウス」。
2階の一角が改修され、ワーケーションに最適なワークスペースに生まれ変わりました。座ると目の前に一面の海が広がり、眺めるだけで開放的な気分に。「ここで1日中仕事したい!」と心の底から思える場所でした。
特徴的なのは、前面だけでなく左右両面にも窓があり、3方面から海を望められるところ。視界が建物で遮られず、まるで砂浜に座って仕事している気分になれます。目の前の海岸を車が横切るのも、なかなか目にしない光景で、非日常感が気分をリフレッシュしてくれます。
敷居で区切られたテレカンブースもあり、そこにはリモート会議で顔写りが良くなる照明が設置。利用者目線で考えられた心配り満載のワークスペースでした。
さらに、このコワーキングスペースがある施設内には、昨年6月にオープンしたカフェ「SSTR CAFE chirihama sunset base」があり、天気の良い日は、外のテラス席で仕事をすることができます。パンやピザなどの軽食もあり、ランチに最適です。
カフェの隣には、品揃えが抜群の広々としたお土産ショップも併設。買い物タイムは、仕事の合間のリフレッシュにもってこいです。
仕事を終えた後のご褒美にしたいのが、同じ施設内のレストラン「浜焼き能登風土」で食べられる海鮮BBQ。新鮮な魚介類は、何も付けなくても焼くだけで絶品です。
仕事に加え、買い物も食事もこの施設内で楽しめますが、せっかく能登半島を訪れたのだから、現地の文化や歴史に触れたいもの。海沿いを20分ほど車で走らせたら到着する羽咋市の妙成寺・気多大社の五重の塔は、海辺の仕事集中モードから、一気に旅気分に切り替えてくれるインパクトがあります。
立ち寄る町「中能登町」から、滞在してもらえる町へ
今回、妙成寺・気多大社に続いて向かったのは、羽咋市と七尾市の間に位置する中能登町。石川県では珍しい、海に面していない町です。
中能登町はこれまで、観光客が金沢市から七尾市の和倉温泉に向かう途中で立ち寄る町でした。そのため宿も少なく、ワークスペースも十分にありませんでした。そこで、視点を変えて「すでにある場所」をワーク環境に活用する試みを始めています。
その一つが神社。境内の社務所にWi-Fi環境を整備し一般人向けのワークスペースとして開放しています(1時間1,000円)。お祭りなどの行事がある日以外は利用可能。事前に電話(0767-76-0221)で問い合わせは必要ですが、全国でも珍しい”神社ワーケーション”を体験できます。
そのほか、国の重要文化財を改修し、ワークスペースとして開放する動きも出てきています。
こちらも事前に中能登町役場企画課を通して予約が必要ですが、半日2,000円で利用できます。
次に訪れたのは築130年の古民家を改装した宿泊施設おり姫の宿くつろぎ。1日1組限定の小さいお宿なため、今回のモニターツアーでは全員が宿泊できませんでしたが、夕飯のみ全員でいただくことになりました。
夕飯に出てきたのは、中能登町の方々が考案した「滞在飯」というお弁当。同町ならではの郷土料理を、”滞在中に味わって欲しい”想いで考案した弁当だそうです。
ちなみに、石川県は多種多様な発酵食品を生産する「発酵王国」。中能登町でもかぶら(かぶ)と麹と魚(ブリやサバ)を重ねて発酵させた「かぶら寿司」を振る舞ってもらいました。
最終目的地は、半島の真ん中に位置する温泉の町、七尾市へ
モニターツアーの最後に向かったのが、「能登島」という島を抱える七尾市でした。
能登島に向かう橋から見た断崖は、日本海らしい風景です。
能登島で寄った先は、「能登島ガラス工房」。工房では、吹きガラスも体験できる他、ガラスに絵付けするガラス細工体験も可能です。集中して絵の型取りを切り抜く時間は、仕事のことを忘れられる時間になりました。
ガラス細工の体験後に向かったのは、最後の宿泊先となる加賀屋系列の「和倉温泉 あえの風」。加賀屋と言えば、プロも認める「おもてなし」に秀でている人気宿です。
そのおもてなしを体感できるだけでも楽しみでしたが、客室の景色が素晴らしかったこと。
窓をのぞくと真下に広がる穏やかな海。まるで揺れない船に乗っているような不思議な気持ちになりました。
温泉で4日間の疲れを癒したあとは夕飯です。味も盛り付けも、一つ一つ洗練された懐石料理に、日本酒が進む夜になりました。
以前からワーケーションの最終宿泊先は、バケーション寄りの宿を選ぶことをおすすめしていましたが、今回、特別な時間を「和倉温泉 あえの風」で過ごさせてもらい、それが確信に変わりました。
最終日は、ご褒美宿がマストです!幸せ度が変わってきますよ。
さて、一晩空けて金沢駅に向かうまでの道のりで立ち寄ったのは、道の駅の「能登食祭市場」です。「祭」と謳っているだけあって、賑わいのあるお店が集まっています。最後のお土産を買うのにはぴったりな場所でした。
仕事の予定が入っている方には、「能登食祭市場」と同じ施設内にある多目的スペース「モントレーホール」がお勧め。何とこちらの施設、海が見渡せる好立地ながら、誰もが利用できる休憩所なのです。「能登食祭市場」のフードコートで食事をとり、ここで仕事をすれば、一日中いられそうですね。
能登半島まで足を伸ばしてもらう。それが、ワーケーションに期待すること
以上、入り口の羽咋市、海に面していない中能登町、能登島を有する七尾市。この3都市のワーケーション先としての魅力を感じてもらえたでしょうか。
実は、この3都市、住民たちは同じ経済圏で暮らしていても、自治体が手を取り合うことは今までなかったそうなのです。それが、今回「ワーケーション誘致」という共通の目的のために、一緒に企画を実現したのだとか。
金沢市だけに留まらず、能登半島まで足を伸ばしてもらうきっかけ作りとして「ワーケーション」に乗り出した3市。今後、どのような展開で進んでいくのか、楽しみでなりません。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?