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アフター・コロナのルーヴル美術館を訪れて思ったこと

フランスも外出禁止令が解除され1ヶ月ほどになる。革命記念日の花火などは9割以上が中止となっているようだが、美術館等は軒並み再開している様子だ。

アメリカや中国などフランスへの入国制限がかかっている国もあり、通常の夏の観光シーズンとはちょっと違う雰囲気だ。普段は長蛇の列必須の世界の美の殿堂、ルーヴル美術館。きっと多少は空いている。今行かずしていつ行くのか!ということで、一日だけのパリ滞在の時間を使って、久しぶりにルーヴル美術館を訪れた。

見学にはオンライン予約が必須

ずいぶん前から大型の展覧会などは日時予約して行列を避ける(それでも少し並んだりするけれど)のは通常となっているが、アフター・コロナの美術館見学は事前予約が必須である場合が多いので要注意。ルーヴルの場合は前日だったりすると、ほとんど閉館間際の時間帯しか空いてなかったりするので、一応余裕を持ってオンラインで予約しておこう。見学の際にはマスクも着用も必須である。

美術館へのアクセス、出入口に注意

ルーヴル美術館へのメインの入口は、ガラスのピラミッドである。ここにはいつも長蛇の列があるので迷うことはない。通常はガラスのピラミッドに隣接する地下街からもアクセスできて、こちらは混雑も少なく便利だったのだが、アフター・コロナのルーブル美術館へのアクセスは、入口は地上のピラミッドから、出口は地下から、と一方通行化されているので要注意だ。

必ず観たい作品があれば曜日にも注意

ルーヴルのコレクションは膨大である。以前から監視員の数が不足がちなのか、マイナーな作品展示室は予告もなく閉まっていることも多かった。久しぶりに訪れた今回は、私が事前の注意を怠っていただけで、計画的に曜日別で閉まっている展示室も多かった。オランダ絵画や18世紀までのフランス絵画の展示室を含む、リシュリュー翼の2階は全滅だった。実はこの部分が観たくて行ったのに。。。
その他にも工事中で閉まっている部分などがやたら目についた。観光客にサモトラケのニケやモナリザさえ観せておけば良い、と思っているのではないかくらいのやる気のなさを感じた。

その美術館に必ずあるはずの常設作品でも、他所での展覧会に貸し出されていたりで、観られないことはある。しかし今回のルーヴルは、コレクションの全体像が損なわれるくらい、観られないものが多かった。
ウキウキと見学予約をしてしまったのだが、どんな制限があるのか、事前によく注意しなければならないと思った。

館内のカフェやレストランの半分ほどはクローズ状態

近年の美術館内のカフェやレストランには有名店が入ったりと、昔に比べてずっと楽しいものになっているような気がしていた。お昼時にかかったので、食事もしようかと思ったけれど、気になった店はクローズしていて、結局普段だったらまず入らないような食堂で、チョイスがみるからに美味しくなさそうなハンバーガーかパスタのみで、しかも結構お高いというさびしいミュージアム・ランチとなった。クローズしていたけれどスターバックスも発見。スターバックスは便利だけれど、フランスの美術の殿堂にスターバックスというのもちょっと悲しい。

インフォメーション・デスクもほぼ無人

当然チケットもぎりや荷物検査のスタッフはいるけれど、インフォメーション・デスクには人影がなかった。人との接触を避ける権利?的なものもあるそうで、確かに世界各地から観光客が訪れる美術館で来場者に接するというのは、かなり危険なことなのかもしれない。で、無人となっているのかなと思った。

アフター・コロナのルーヴル美術館、かろうじて開館していると言ったほうがいい。

全面的に閉館してしまうよりは、多少でも見学の機会があったほうがいいのだろうと思う。もちろん安全性の担保は欠かせない。けれども、もてなしの雰囲気みたいなものが一切感じられない、ただ開いていますという体には疑問を感じた。本来、作品を鑑賞するだけでなく、入ってから出るまですべてが美術館体験である。

次回何か必要があれば、またリピートすることもあるだろう。ここでしか観られない作品に会うために。(その際には、必ず事前に曜日別の展示室閉室の有無をチェックせねば。)次に訪れる時には、全体的に行ってよかったと心から思えるといいなと願う。



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