株式市場の狂気 ウォール街のランダム・ウォーカー第2~4章(バートン・マルキール)
ウォール街のランダム・ウォーカーでは、異常な投機ブームを学ぶことで投機の危険性について述べています。
バブルに限って言えば、砂上の楼閣理論でうまく説明することが出来ます。
しかし、バブルの状態で大衆心理を先取りして儲けようとすることは非常に危険なことでもあります。
ここでは、元祖バブルであるチューリップ・バブルについて説明した後、バブルにおいて株価を急騰させる原因について述べます。
1,元祖バブル
元祖バブルは、オランダのチューリップ・バブルだと考えられています。
チューリップは、トルコ原産の植物で1593年にオランダに珍しい植物として持ち込まれました。約十年後、これらのチューリップが、モザイク病という感染症に感染してしまいました。しかし、この感染症に感染すると色鮮やかな模様が出来ることから、人気が高まってきました。そして、珍しい模様の入った球根が格好の投機へとなっていったのです。
歴史家によれば、バブルでの価格形成は、一般的に考えられているより遥かに合理的なのです。
チューリップは、バブル前でも高い値段で取引されていたし、バブル後も高い値段を維持したままです。
しかし、一度値段が下がり始めると合理的とは思えないほど値段が下がってしまうのです。
バブルの一番怖いところは、今がバブルだとは気づかないところにあるのかもしれません。
2,株価の上げ方
バブル期には、狂気とも思えることが起こります。
1960年代に電化製品のバブルが起こりました。バブルの恐ろしいところは、電化製品を売っている企業の株が上がるだけでなく、「エレクトロニクス」と社名に入っているだけで株価が急騰していったのです。このことから、バブル期には、企業の業務内容や業績とは全く関係なく、投資家が流行りの言葉につられて株を買いに走ることが分かりました。現代でいうところの「AI」などにあたるのでしょうか。
さらに、投資家は「コンセプト株」に食らいつきやすいことが分かっています。
「コンセプト株」とは、エキサイティングなコンセプトを持ち短期でパフォーマンスが現れる株のことを指します。バブル期では、このような株に投資家が食らいつき、実際の企業価値よりも高い価格で株が取り引きされるのです。
そして、これらのキーワードの入った企業や「コンセプト株」を証券アナリストやメディアが過剰に持ち上げます。それを見た個人投資家がさらに株を買いまして明らかに実態とかけ離れた値段まで株価が上昇してバブルが出来ていくのです。
株式投資を行う投資家にとって重要なのは、新しい産業がどのように社会を変えるかとかどれだけ規模が大きくなるかとかではなく、実際にその産業がどのくらい利益を出し、産業を維持できるかなのです。
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