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プロ投資家の通信簿 ウォール街のランダム・ウォーカー第5~7章

個人投資家は、証券会社やヘッジファンドの投資家は、ものすごい成績を上げているのではないかと考えている人が多いいと思います。
では、実際にプロの投資家はどのくらいの成績を上げているのでしょうか?
この章では、プロの投資家の投資成績を評価しています。
まず、テクニカル分析とファンダメンタル分析について説明し、実際にどのくらい優位性があるかを説明します。

1,テクニカル分析

テクニカル分析は、株価の動き方を見ながら今後の株価を予想する分析方法です。チャートを見ながら投資をすることから「チャーチスト」などと呼ばれています。
プロの投資家の中にもこのチャーチストは非常に多くいます。
確かに、チャーチストの中には、年間通してプラスの成績を上げている人がいます。しかし、そのプラスの幅は、S&P500などの市場平均を上回ることが出来るのでしょうか?
結論から言うと、多くのチャーチストは、市場平均を上回ることが出来ません。

チャートを見ながら取引を行うと、チャートがトレンドを形成した後にしか投資をすることが出来ません。トレンドが形成された後に、ポジションを取ってもすでに手遅れになってしまうのです。
テクニカル分析に意味があるとしても、トレンドが形成される前にポジションを取らなければいけません。
それは結局、テクニカル分析とは関係のない段階で取引を行わなければならないということなのです。

2,ファンダメンタル分析

ファンダメンタル分析は、株価のファンダメンタル(本質)を分析することで、実際の株価との差で儲けようとするものです。
「ウォール街のランダム・ウォーカー」では、ファンダメンタル分析の一定の効果は認めているものの、市場平均を大きく上回れるほどではないと結論付けています。

ファンダメンタル分析も「情報や分析が必ずしも正しくない」「アナリストが価値を見誤る」「市場も必ずしも速やかに情報に従って株価が動くわけではない」などの要因により予想通りに儲けることが難しいのです。

3,S&P500

「ウォール街のランダム・ウォーカー」では、テクニカル分析で市場平均を上回ることはほぼ不可能で、ファンダメンタル分析で市場平均を上回ることは難しいと述べています。
2007年まで9年間、市場平均であるS&P500を上回った株式投信は14ありましたが、2008年にもS&P500を上回った株式投信は1つしかありませんでした。このように、素晴らしい成績を上げていても、勝ち続けることが出来る株式投信は非常に少ないのです。

確かに、プロの中でも優秀なトレーダーは市場平均を上回る成績を出すことが出来るかもしれませんが、ほとんどのプロのトレーダーにとって市場平均以上の成績を出すことはとても難しいのです。

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