それぞれの宇宙

大昔にアルキメデスが「地球をうごかさん」と言っただろう頃より、テコの支点だけでなく、地球を宇宙から観る「視点」も持ち合わせている人達はいた。驚くべき直観が人間に備わっていたことを想う。

それから地球にとってはほんの少しの間、人間にとってはそれなりの月日が過ぎ、17世紀初頭、ガリレオ・ガリレイによって望遠鏡は改良され、月を人間達自身の目で見ることができるようになった。遠く離れて観る月と違って、デコボコした表面の月は現実となって、地球の外側に確固たる存在を目視したことに気付く。そして今度はそこから、地球の外側、宇宙から人々は地球を観る視点を得た。科学の歯車がガリッと動いた。

同じ頃、日本は国を閉じた。ガリレオによる科学の進展が諸外国で進む一方、日本という国はその科学からは離れた場所で、独自の宇宙感を醸成した。

宇宙がいくつあるかは分からない。

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