見出し画像

スタートアップ退職理由である会社の未来へのネガティブな勘・ヨミは、当たっていたなと、有休消化中に思いを馳せる。

5年半勤め、最後には執行役員をしていたベンチャー企業を辞める決意をし、有休消化中の夏休み。こんなに長く何もしない(無職)なのは久しぶりなので、自分に何かを課す意味も込めて、心境の変化や日々の過ごし方について書いておこうかと思ったり、今だけ思ったり。

役員になったのに退職する理由は、
「事業の展望に期待するところがなくなったから」
「ビジネスモデルがマイナス方向に向かいそうだから」
「事業推進のために自分が貢献できることがもうないと気づいたから」
というところも大きいのだが、退職を決意し早2ヶ月が経過した今も、この状況は変わっていないようである。

数値的な事業計画や、今後何を伸ばしてどうなっていく想定なのかを、役員の立場でよく知っていた。甘々の詰めの甘い理想論ばかりの計画であったが、立場上、自分も作成に関わり、他の一般社員らよりも先に知り、より深く知り、それについて考察する力も他の人よりはあったはずだ。そして、現在をみて先を読んで、としたときに行き着いたのが、上の考えである。

ある程度プロダクトがうまくいっていくると「どうやって伸ばすか」「どう売るか」のところがフォーカスされるフェーズに入るが、経営陣が考える今後の「どうやって(HOW)」に期待が持てず、自分がそこに何か貢献できることもなさそうだったのだ。

期待が持てない理由は、今まで幾度も同じことを繰り返し失敗してきているのに未だ勝ちパターンをつかめていないHOWを主軸にしようとしているからだ。何本かの柱のうちの1本ならいいが、もう数年うまくいっていないことに「今ならいけるかも」という根拠のない楽観論で今後の全てをかける、という会社の判断は、私には理解ができなかった。うまくいかないことに気づいていない周りにもがっかりしてしまっていた。

貢献できないと感じた理由は、上記のHOWはプロダクトとは離れたものだったからだ。上記は人の力で何とかするというHOWであるが、プロダクトによる事業推進が劣後することが目に見えた。お金も人的リソースも、プロダクト開発には回ってこない、現状維持でやり過ごす未来。直近は、マーケティングもCMOの手にバトンタッチしていたので、売ること自分の手では叶わない。では何か貢献できるような役割はあるかしら、何に関われれば事業に貢献できるかしら、と考えたものの、直接的にドライブできることがもうなくなってしまっていた。

これは、すごくつまらない。わがままだが、これが素直な気持ちだ。自分が事業に貢献してきた自負があるからこそ、今後もそうでありたい。大きな責任を負って苦しんだけれど、その分の達成感もあり、役員になってより会社にコミットすることになったからこそ、これからも事業の中心にいたい。もちろんできることはたくさんあるしやってもいたし「充実しているのに」と言われるけども、実際のところの満足感は自分にしかわからないものである。

先日、CEO含む上司や同僚と食事の機会があった。
退職時に私が気づいていた「うまくいかないだろうな」感は当たっていたようで、状況は変わっていなかったし、むしろ大変そうな気配があった。
「いや〜うまくいってるんだよ!」というニコニコ報告を期待していたが、しかし反面(辞めなければよかった)と思いたくないので、内心でちょっとホッとしている嫌な自分もいた。
(ほらやっぱり、辞めてよかったんだ)と、思ってしまったのは、残念なことだ。みんなまだ頑張っているのに。

これまでを振り返っても、自分が選んだことや判断したことで大きく後悔したことはほとんどない。今回もそんな感じで、これでよかったんだな、と思うばかりである。





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?