「大丈夫」と念じる時ほど「大丈夫じゃなーい!」と言おう。話はそこから。

私は本屋に行って、今どんな本が売れてるのか、どういうタイトルを付けられているのか、そういう目線で見るのが好きなのですが。

ここ数年、よく思っているのは「大丈夫って言われたい人、こんなに多いんだなぁ…」です。

『〇〇をすると、大丈夫』『これだけ押さえれば、大丈夫』とか、まぁ多種多様な大丈夫の大安売りです。そんなに大丈夫って言われたいんか、日本人よ。

…と思う私ですが、人に言われて気付いたことがあります。

全然大丈夫じゃない時に「大丈夫」に見せるのが
すっごく上手なんです!!

(……いや、何の自慢にもなりません。^^;苦笑)

付けなくても良かった後天的スキルですし、むしろ自分の首を絞め続けてしまう可能性の高いことですので、共感してくださった方は、この先もぜひ読んで、「大丈夫じゃねぇわ」って言えるようになりましょうね!

で、話に戻りますと。

「大丈夫」って言われたい人が多いのも、私のように「大丈夫風」が得意な人も少なからずいるのも、同じ理由だと思います。

それだけ、「大丈夫じゃない状態」を受け入れたり感じたりすることが苦痛でたまらなくて、避けたくてしょうがないから。

ネガティブな感情をすぐに追いやろうとしたり、無くそうとしたり、極力感じないようにしたり、そういうのも全部根っこはココに行き着く。一緒。

これはね、悪いことじゃないんですよ。反射的に身体が反応していることだから、意志の力で解決しようとしても難しい領域です。

例えば私だったら、大丈夫じゃないわヤベェ…って思った瞬間にどうにかできる方法を絞り出しますし、ここぞとばかりに理性が働きます。頭フル回転して「何をやったら大丈夫になるか」を過去の体験のデータから導き出す。幼少期から染み付いている癖なので、自覚するまで時間がかかったものです。

皮肉なことに、傍から見れば”冷静な対処”に見えるし、しっかりしているねともよく言われたし、生存本能的に役立つことはあるのですが、後々にかかってくる心身の負担が大きすぎる。

私は今年に入ってセラピーを受けているので体験的によく分かるのですが、抑圧した大丈夫じゃない感情や感覚って身体に染み付いて記憶されるんです。それが原因となって、不調や病気を引き起こしたりするのでね。

それだけ、私たちが日常的に感じている「大丈夫じゃない」感覚や感情の影響力って大きい。強い悲しみや怒り、苦しみであればあるほど、または、そんな自覚が無かったとしても、ビックリするほど大きいです。

自分の中ではもう終わったことだ、これは大丈夫だ、って思っていたことでも、カウンセリングやセラピーを受けてみると「全くそんなことなかったわ」ということのオンパレード。だから、自分基準の「大丈夫」って意外とアテになりません……しなくていいかもね。

大丈夫じゃない時ほど「大丈夫じゃないでーーす!!」と言える事の方がよっぽど健康的で、自分に優しい選択なのだと、ようやく知ったアラサーです。(知れて良かったー!)

ただ、ですよ。こっからが問題。

それを頭で分かっていても「大丈夫じゃない」って言い慣れてない私のような人間は「え、え、どうしたらいいんですか?」「誰に言えばいいんですか?」「人様に頼っていいんでしょうか?」って確実になりますので、ひとまずハードルを下げて、コソっと呟くところからです。
(そんな小さく?と思うかもですが、それぐらい、大丈夫じゃないと言えない人の壁は高いのですよね………)

「大丈夫、大丈夫」って言い聞かせようとする時ほど「あぁ、大丈夫じゃねぇわ」と思うこと、呟いてみること。その方が身体がラクになるんだなぁと、私は知りました。

この部分こそが、本来の自己受容の姿だと思いますね。

「大丈夫じゃない」を「大丈夫」で蓋するのは、もう辞めてみる。少なくとも私はそれを辞め始めた今の方が、よほど生きやすいですよ!

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