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フリースクールでの中間・期末試験考査実施

フリースクールの活動を始めて1年経過し1年間の中で実に様々なことがありました。全てのことが初めての経験だった為、多くの人に相談したり、自分たちで試行錯誤しながらやってきたという感じです。まだまだ反省点も多いのですが、1年間の活動の中で経験することが出来たことの中で、最も良かったことの1つ。「フリースクールでの中間考査・期末考査の実施」について、その経緯などをまとめておきたいと思います。

実に様々なことがありましたが、2022年3月の期末考査より、現在に至るまでフリースクール内での実施を認めていただいています。実施を認めていただいている中学校も続々と増えています。

フリースクールでの中間&期末考査実施の経緯

フリースクールを2021年9月に開室した後、すぐに直面したことの一つに「中間試験、期末試験を受けるのか?受けないのか?受けるとすればどうやって受けるのか?…」がありました。より簡単にいうと「中間・期末試験」について生徒及び保護者の方々と話をすることになりました。

最も大切にしたことは、「生徒さんの考えや意向」です。保護者の方々もお子さまの意向に沿った方法で!ということをおっしゃっていただき…一人一人と以下のことについて丁寧にまずは確認をしていきました。

個々の生徒さんと関係性を築くこと/話し方などを工夫しつつ…

● 試験についての意向(受けたい/(今回は)受けない)

● 受験希望の場合 どこでどのように受ける?

の内容を理由/背景/を含めて意向調査をまとめておきました。そうすることによって、一人一人の大切にしたいことなどが少しずつ見えてきた感じがします。

そうした中、「どこでどのように受ける?」の希望で、「フリースクールで受けられるなら、数学だけ受けたい」という意向を教えてくれた生徒さんがいました。その理由も、学校の先生方にきちんと説明すれば(恐らく)納得に足るだろうと思える内容ばかり…。

その後、生徒さんが所属する中学校にどのように説明をして、方法を提案するか検討するに至りました。

中間&期末試験考査実施の方法

中間&期末試験考査の実施についてのご相談として、所属中学校の校長先生に交渉に行くことにしました。事前にアポイントメントを取り、時間通りに伺いました。

フリースクールに通っている生徒と言えど、あくまで所属は公教育機関です。その点を大切にしつつ以下の様な説明を行いました。

フリースクールでの試験実施の目的 : 生徒のやる気を大切にしたい

交渉した時の説明文 ↓ ↓ ↓

●●さんの期末考査をフリースクールの教室内で受けさせていただくことが可能かどうかについて検討していただきたいと思い、本日ご相談に来させていただきました。 ●●さん自身は、フリースクールに〇曜日と〇曜日に休まず来られています。来室後は、いつも数学の学習に取り組んでおります。しばらく学校に行けていないこともあり…期末考査を受けたい気持ちはあるものの、学校で受けることに少し抵抗があるということでした。しかしながら、「受けたい」という気持ちをどのように大切にできるか一緒に先生たちとも考えたいなと考えています。

ここまで(前半部分)で大切にしたことは、「本人の希望」をどのように共有できるか、大切にできるかということでした。そこまでの一文一文をゆっくりと説明しつつ、頷いてもらえているかどうかを大切にしました。その後は以下の様に説明をしました。

そこで、「受けたい」を叶える為に、以下の様な方法を考えてみました。試験範囲を学校側から本人&保護者の方へ渡していただく。 中学校での試験日以降(試験実施日若しくはその翌日)にフリースクールのスタッフが試験問題を中学校へ取りに伺います。 その後、フリースクール利用日に時間を決めて実施します。 実施後は、実施報告書とともに速やかに中学校へ回答をお戻しし採点をお願いします。 採点後の点数などは中学校より生徒及び保護者の方へお戻しする方法ではいかがでしょうか?なお、試験問題は私たちフリースクールスタッフも実施当日まで開封はいたしません。

その結果、「実施可能」のお返事をいただくことができました。

決断をしていただけた、公教育機関の先生方には心から感謝しています! そして、保護者の方々、そして、生徒さん本人にとって本当に良かったと思っています。そして、試験実施はフリースクールに通う生徒間でも広がり…今まで受けていなかった生徒さんも「フリースクール内で受けられるなら受けてみようかな…」という声が聞かれたり、中学校間でも連鎖し…「〇〇中学校が認めているなら、私たちの学校でも…。」「生徒さんの意向を大切に私たちも一緒に考えさせてください!」など、教育を協働する仕組みの一つとしてできてきている実感があります。

学校との連携する際に大切にしたこと

学校と連携する際に大切にしたことは、「一緒に子どもの未来を考える仲間」であるという意識と言葉です。今回の様な交渉においては、公教育機関が良い悪いを論じることは適さないと思っています。大切なことは、同じ地域の中で生活する大人が協働して子どもの未来をどのように創っていくことができるのか?ということなんだということを「言葉」として方法を提案することでした。

中には、「試験は学校で受けなければならない」という意見を持っている人がいることも理解しています。しかしながら、今回の様なケースにおいて、「受験する環境」を一時変えることで前に進めることがあることもまた事実だと思っています。

まとめ

今回の経験は、社会福祉専門職としてアドボカシー機能を発揮して代弁することの大切さを実感した瞬間でもありました。

「〇〇でなければならない」

「〇〇であることが当然」

「〇〇は不可能」

は、今までの慣習によって大切にされてきたこともあれば、一方で「本当にそれで良いのか?」「それは本当に大切なことなのか」と今一度考える機会にもなったと思っています。

生徒一人一人の希望を「形」にしていくことの難しさと大切さを同時に感じました。

長文になりましたが、最後までお読みいただきありがとうございました!

今回の文章が誰かの役に立てば幸いです♪

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