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フリースクールに社会福祉専門職がいる意義 その2

今朝、なわとびをしながら・・・ふと思い出したことがあり(笑) とっさにnoteに書き残しておこう!って思いPCをカタカタ打ち始めました^^;

フリースクールに社会福祉専門職がいる意義について、以前の記事で書かせていただきました。

多くの方に読んで頂いており…本当に感謝しています。その続きではないのですが、第2弾として…まとめようと思った事項として普段当たり前にしていたお仕事ではあるのですが、フリースクールを利用していただいている保護者の方々から「えっ!?そんなこともしていただけるんですか?」とよく言われ…これも特徴の一つなのかも!?と思った出来事を軸として、「フリースクールに社会福祉専門職がいる意義 その2」としてまとめさせていただこうと思いました!


フリースクールにおける社会福祉専門職の立ち位置

公教育現場においては主にスクールソーシャルワーカー(以下:SSW)が配置され、公教育機関と家庭及び地域の懸け橋となって様々な課題を解決していく等の役割/職務を果たすことが重要になるものと思います。一方で、フリースクールという民間組織において社会福祉専門職(ソーシャルワーカー)として活動する意義は公教育機関においてSSWとして活動するのとは立ち位置の違いとして、役割も少々変わった動き方/活動ができるものと思います。以下に具体的にまとめてみようと思います。

スクールソーシャルワーカーの募集要項等において、職務内容は以下の様にまとめられていることが多いです。

(1) 問題を抱える児童等が置かれた環境への働き掛け
(2) 関係機関等とのネットワークの構築、連携・調整
(3) 学校内におけるチーム体制の構築、支援
(4) 保護者、教職員等に対する支援・相談・情報提供
(5) 教職員への研修活動等
(6) 校内のいじめ防止等の対策の組織に関すること

上記の職務内容は公教育機関におけるSSWの役割として、非常に重要なものであると理解することができます。しかしながら、その一方で、その組織の風土や教育委員会等の方向性によってソーシャルワークの価値との間に矛盾が生じ、ジレンマを抱えることも少なくないのではないかと思います。具体的には…本来であれば、児童生徒/保護者などが希望する方向性に進めたくとも組織の方向性に従わざるを得ないというようなこともあるものと容易に想像がつきます。SSWとして勤務するということは公教育機関の方向性に沿いつつ、課題を抱える児童や環境へ働きかけるという、心身ともに負担感の多い&とても重要なお仕事であると思います。

次にフリースクールにおける社会福祉専門職のお仕事についてみていきたいと思います。フリースクールのおける社会福祉専門職(ソーシャルワーカー)の業務はというと、定義づけられているものや職務内容として明記してあるものはありませんので、以下にはフリースクールHIROでの職務についてまとめておきたいと思います。

(1) 課題を抱える児童や保護者への直接的支援及び環境への働き掛け
(2) 公教育機関との関係構築、連携・調整
(3) 地域関係機関等とのネットワークの構築、連携・調整
(4) 保護者、教職員等に対する支援・相談・情報提供
(5) 教職員への研修活動等
(6) 地域の学び構築の仕組みづくり

上記の様にまとめていますが・・・これが正しいかどうかは分かりません^^;どれも社会福祉専門職にとって大切なお仕事として取り組んでいます。

公教育機関に勤務するSSWと大きく違う業務としては、上述の「(2)公教育機関との関係構築、連携・調整」であると思います。どこに所属して活動をしているか?ということが力の発揮の仕方の違いになってきます。というのも、「公教育機関の指示や意向への沿う」ということは公教育機関/フリースクールのどちらに所属していよう、沿わなければならいことであることは理解はできますが、その「沿い方」に違いがある様に思います。

その「沿い方」について、以下社会福祉専門職の業務としての専門性で具体的に述べていきたいと思います。


社会福祉専門職の業務としての専門性

社会福祉専門職の業務としての専門性がどこにあるのか?ということを改めて言葉にしようとすると難しく感じているのですが…^^;以下にまとめてみようと思います。

通常業務の一つとして行っていたことの一つとして、「生徒及び保護者の方々の要望や希望を丁寧に整理し必要に応じて公教育機関へ文書として提出&意見交換や交渉」があります。この業務の目的は、「生徒の所属している機関の方々と現状を共有し全員で子どもを見守る体制を構築すること」に尽きます。しかしながら、上記のことを保護者の方々と一緒にしましょう!と提案すると…良い意味で驚かれることも多くあり…「そんなことまで一緒にしていただけるんですか?」とか、「学校のこと、保護者のこと、そしてフリースクールの中で対応していただいている専門職の方が書いてくれるのはとても心強い」という嬉しいコメントもいただき嬉しい気持ちでいっぱいです。

例として、「まずはゆっくり休ませたいのです。学校からの連絡の頻度を少なくしてもらっても良いでしょうか?」という意向や方針を言葉としていくら伝えたとしても、公教育現場の先生からは「〇〇のように工夫してみているので、来てみませんか?来れるようにお話したいのですが…」という生徒や保護者の方の意向に沿うお返事ではなく、学校主体のお返事が返ってきて…何度面談しても状況が変わらず…今後どのように対応した良いか…という相談は多くいただいていました。

フリースクールを利用している生徒の保護者の方から上記の様な相談をいただいた際、現在までに行っていること/本人の特性等を認めつつ、内容を詳しく聞かせていただいた上で生徒一人一人の心身の体調に合わせた「情報提供書」「依頼(お願い)」という文書を作成し、保護者の方々、生徒にも内容を確認していただいた上で公教育機関へ提出し、必要に応じて面談や交渉等も行っておりました。

時を同じくして、2022年4月6日に学校への依頼文フォーマットが、「多様な学びプロジェクト」のサイトで公開されました。(←このタイミングでの公開…新学期が開始になる前での公開は本当に貴重な情報になっていると思います。)

この文書が公開されたことはとても意義深いものだと思いますし、学校との連携等に悩みを抱えている方々は是非活用していくことをお勧めします!!!

アドボカシー/アドボケイト

上記の様な生徒一人一人の学びの権利や保護者の意向を守っていく活動のことを社会福祉学では、「アドボカシー/アドボケイト」と呼びます。「アドボカシー」とは、利用者の権利を守り、利用者の立場に立って代弁をすることを言います。 社会福祉専門職におけるアドボカシーは、ただ、利用者を代弁するだけでなく、利用者のエンパワーメントを高めるような活動をする必要があり、生徒及び保護者の方々が本来持っている力/権利をきちんと発揮できるように支援する役割を果たします。言い換えれば、目の前にいる生徒さん、保護者の方々の意向に沿う形で、当事者と一緒に専門職の立場からもその意向を述べていくということになります。

上記の活動を行うにあたり、社会福祉専門職に求められる能力としては、生徒や保護者の方々を深く理解し文書にまとめられる能力(アセスメント能力)、そして、それを他者に詳しく端的に伝えられる能力(プレゼンテーション能力)、さらには、必要に応じて状況交渉等を行う能力(ネゴシエーション能力)が必要になります。


まとめ

上記の様にまとめさせていただきましたが、社会福祉専門職として目の前にいる生徒さん一人一人、そして保護者の方々と向き合う中で気づかせていただいたことが多いです。日々、気づきと学びをいただき、このように言語化することで自分たちの行っている業務を振り返りの繰り返しです。

改めてになりますが、利用している生徒一人一人の所属学校に対しての毎月の報告書の提出時などは関係性作り/意見交換等に非常に良い機会だと思っています。

「家庭」と「教育」と「地域」とみんなでチームになって子どもを学びや成長を支える/支援する機会を作っていくことが大切なんだろうと思っています。それが可能になるのも、その都度連絡を取り合える関係性作りがあってのことだと思いますので、今後もお互いに支え合える関係性作り、地域作りに真摯に取り組んでいきたいと思います!


最後までお読みいただきありがとうございました!!!

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