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サウナ創造学【実践編】|9月2日(土)開講




サウナをつくろう。サウナ愛が高じて「つくる側にまわってみたい」想いが芽生えた人もいるのではないでしょうか? 「サウナ愛好家」から「サウナビルダー(or になりたい人)」向けの実践講義です。実際に自分たちで小さなサウナを建築していくプロジェクトを通して学びます。

DIYのマイサウナから、新しい温浴施設、体験イベントプロデュースまで…。あなたの理想のサウナを創造するために必要な知識スキル経験、そして仲間を得ることができることでしょう。サウナ建築のプロたちから学び、一緒に電動工具を使いこなしサウナをつくる過程を通して、4ヶ月後にはサウナビルダーとしての自信が湧いてきます。

日本のサウナカルチャーに、つくり手として参画しよう

もともとサウナはフィンランド発祥といわれ、おおよそ2000年以上の歴史があります。フィンランドでは人口550万人に対して、なんと320万個のサウナがあるといわれています。2人に1個はサウナをもっている計算になり、それほどサウナが生活の一部として定着していることがわかります。

そんなフィンランド式サウナの伝統が、2020年、ユネスコ人類の無形文化遺産として登録されました。日本でいえば、日本人の心として誰もが愛している “和食” が無形文化遺産に登録されていますね。フィンランド人全員がサウナを愛していると言っても過言ではない。もしかしたら、そのうち日本もそうなるかも。そんな大きな可能性を秘めているのがサウナなのです。

実際に近年、日本ではとても大きなサウナのムーブメントが生まれています。2022年も月に数件づつと大小さまざまなサウナ施設が新規オープンしています。またサウナ施設だけでなくサウナイベントやサウナ飯、ファッション、アート、医療など多様なサウナのカタチが生まれてサウナ市場も活性化しています。

多くのサウナ施設が生まれるなかで、日本特有のサウナ文化も生まれつつあります。サウナーの意識やマナーも向上し、設備の質も洗練され続けていて、私たちサウナを愛する者としては喜ばしい状況です。このサウナを取り巻く状況を一過性のブームで終わらせるのではなく、新しいカルチャーとして今後定着していくためには、ともに学び続けないといけません。サウナの歴史や伝統を紐解きながら、なぜいま人気になってきているのか、最新の文化的な側面もキャッチアップし、共にサウナ文化を作り上げていきたいと考えています。

サウナのさまざまな効用に魅了され、通い詰めている愛好家たちの次のステージは何か。それは「つくり手」になることです。

例えば…

・自宅にサウナをDIY(自作)する
・イベントでサウナ体験をプロデュースする
・お客を呼べる本格的なサウナ施設をつくる
・サウナ関連メディアやグッズをつくる

既存の施設に通うだけでは飽きたらず、「自分でサウナをつくりたい」「サウナに関する商品やサービスをつくりたい」という想いが出てきた人もいるのでは? 音楽フェスなどの野外イベントではテントサウナがよく見られますし、自宅に小さなサウナを設置する人も増えています。そう、つくるハードルは確実に下がってきている。

教授しまさん宅の自作サウナ。都内のマンションでも夢ではない。

ミニマムな設備でサウナイベントを開催するのもよし。水風呂にもこだわりたい


至高のサウナ体験を自由に発想する

「消費者から創造者へ」 これは自由大学で行っているすべての講義に共通するテーマです。このサウナ創造学で学ぶのは、つくり手に回るために必須となる知識と技術。これだけは知っておきたいサウナの歴史や伝統からはじまり、種類、仕組み、設置手続き、法律面、施設運営の設備、手作りサウナの実例、具体的な製作方法、アイデアを実現まで導くデザイン思考… などをひと通り学びます。

サウナビルダーになるためには、あなたが建築士である必要もないし資格も必要ありませんが、使いこなせたらはかどる電動工具や技術はあります。実際に身体に馴染むまで、十分な時間をかけて体得しましょう。

フィールドワークとしては、都内の人気サウナに潜入。普段なかなか見ることができない裏側を、特別に視察、体験することができます。

基礎知識を習得しフィールドワークを重ね、集った私たちサウナー同志でディスカッションをする。講義全体を通していく中で、自分がどんな形で日本のサウナカルチャーに関わりたいのか、より具体的なイメージが見えてくるはずです。あったら良いな、こんなサウナ欲しいな。あなたの理想郷を自由に発想することから始めましょう。


教授、島田大輔さんからのメッセージ

建築士として、サウナの設計などを通して普段からサウナと向き合っている私も毎回、新しい発見があります。好きが高じて自宅にもサウナと水風呂をつくり毎日朝晩2回心と体をリセットしていますし、サウナ専門の設計事務所も立ち上げてしまいました。どうしたらさらなる至高のサウナ体験がつくれるか。自分にとってベストなサウナとはどんなものか。より素敵なサウナライフを、皆さんと一緒に探求していけるのを楽しみにしております。

NHKニュースに出演するしまさん。誰でも自作可能なミニマムなサウナを独自開発した


■こんな方が対象です
サウナを「いつかつくってみたい」愛好家から、「今すぐつくりたい。プロデュースしたい」サウナビルダーまで。奥深いサウナの世界を探究したい人なら、男女問わずどなたでもウェルカムです。(どうしても男性比率が高くなりがちですが、前期は女性も2〜3割いらっしゃいました。男女差にも配慮して進行しますので安心してご参加ください)

例えば…

・サウナづくりに興味がある
・日本のサウナカルチャー発展に関わりたい
・自宅に自分でサウナをつくりたい
・DIYスキルを身に付けたい
・理想のサウナ施設を(いつか or 今すぐ)プロデュースしたい
・サウナ関連の商品やサービスをつくりたい
・イベントなどでサウナ体験を取り入れたい
・サウナビルダー仲間をつくり、協力し合いたい
・理想を形にするマインドセットを身につけたい

【スケジュール早見表】
※実習日のみ現場スペースの定員制限の為、ABチーム分となります。

(第1期募集開始日:2023年7月24日)
トップの写真撮影:Shunzo Tanaka


講義計画
第1回 デザイン思考と世界のサウナ

ゲスト: se-ju Takayamaさん(サウナトレンド研究家/フィンランドサウナアンバサダー)
前半は、サウナを語る上では欠かせないフィンランド式サウナの機造から、サウナをつくるにあたって必要になる様々な基礎知識を学びます。〇〇式などと区分されるそれぞれのサウナの形式や特徴をおさえることで、「自分が一体どんなサウナをつくりたいのか」を整理していきます。アイデア立案から始まり、実現に至るまでに必要なデサイン思考(サウナ式デザイン思考)、サウナ理化学の基本を学びます。

後半は、世界のサウナの潮流とこれからを考えます。フィンランド、エストニア、ノルウェー、ドイツ、韓国、タイ….などの島田教授が直近で体験した「世界のサウナの今」を分析します。各国のサウナの特徴やトレンド、サウナ文化のありかたなどをレクチャー。今後のサウナ作りに向けて発想を広げていくために、高山氏による”今後のサウナの動向について”の講義もあります。
※講義後、無親会FWとして、近隣の人気サウナにみんなで行く予定(任意)

第2回 DIYの基本技術と現地調査の方法@戸越公園
ゲスト: 石橋光孝さん(一級建築施工管理技士・サウナ・スパプロフェッショナル・DIYアドバイザー)
サウナをDIYするには、何が必要でしょうか。一般的な家具をDIYでつくる際と共通部分もありますが、異なる部分もあります。サウナには高温の熱源があり、汗などの水分があります。そんな特異な用途から、気をつけなくてはいけないポイントが多く出てきます。もちろんすべてを自作せずに外注する手段もありますが、自分でできると修理も小回り効きますしコストも下がりますし達成感も格別です。
今回は私たちが建築するサウナ予定地の「現地調査」をしながら、サイズやデザイン、構造、設計図、コンセプト、技術について、サウナ建築計画を共有していきます。
・DIYでここまでできる!外注か、自作か
・建築コスト概算・コスト削減の工夫
・サウナ材料(木の種類)の選び方
・サウナに適した場所選び

第3回 ミニマムなサウナ&水風呂をつくるには? @学芸大学
基本構造を理解するために、ミニマムな素材とコストで可能な「簡易組み立て式サウナ」(独自開発)を体験します。実際に、自分たちで一からサウナと水風呂の組み立て設置を行い、サウナを温め、水風呂を冷却し、体験します。「都内の住宅地(マンションの屋上)」という環境下で、どの程度の快適性なのか肌で感じることができるでしょう。水風呂の冷却装置(チラー)の選び方から設置方法、外気浴などの楽しみ方、動線の考え方など、限られたスペースを有効活用する方法を学びます。
※詳細住所は参加者のみにお知らせします
※各自、水着とタオルを持参。着替えスペースは男女で分けています
※屋外のため、もし台風など悪天候の場合は中止となります

第4回 ドラマから学ぶ”サウナの魅力の伝え方”@戸越公園
ゲスト: 五箇公貴さん(プロデューサー・経営者)
自分でサウナをつくったら、人にも紹介したくなるもの。しかもこれが集客の必要な商業サウナ、イベントだったら「伝え方」の重要度はさらに上がります。どのように個性を表現し、こだわりや楽しさを伝えるか。言葉や写真や映像で、どのようにサウナのシズル感を伝えるのか。映像プロデューサーとしてドラマ「サ道」を手がけ、『サイコーサウナ』著者として日本中の超個性的なサウナオーナーたちの思いを取材し伝えてきた五箇さんと考えます。

実習① 養生の技術と木材加工
DIY技術で一番地味かもしれませんが、大切な「養生」。「養生」を軽視すると後で泣くことになります。完成形をイメージしたしっかりした養生の方法とコツ、マスキングテープなどの使い方をまとめて学び体験します。初めて電動工具を使用する方でも大丈夫。もの作りの楽しさやつくる上での注意点などもわかりやすく丁寧にお伝えします。

第5回 サウナ室の安全と法令@戸越公園
理想のサウナをつくる上で欠かせない、安全と衛生のための法令を学びます。建築基準法、消防法、そして不特定多数が使用したり商用利用するなら「公衆浴場法」が関わってきます。法の改正はどうしても時代の後追いになるため、「現代に必要?」な基準がいまだ残っていて足を引っ張られるケースは多々あります。しかし、理想を叶えるためには工夫し、地方自治体に相談ししぶとく賢く質守していきます。法とはいえ、最後は担当者と人間同士のやり取りなので、信額の獲得が大事。理想を諦めるのではなく、どうしたら実現できるか、数々のサウナ建築を叶えてきた知恵と交渉方法をレクチャーします。最重要の安全面(電気配線、火災予防法)、法的に気をつけるべき設備面、維持管理(メンテナンス)など。サウナイベントと法令についても。
実習② 天井・壁面をつくる
サウナ室で一番面積が広いのは天井や壁面です。サウナをたのしんでいるときに一番目がいくことになる壁やふとした時にぼんやりと見上げる天井ですが、どんな取り付け方でついているのか、どんな素材が適しているのかなどを学びながら工事実技を行います。

第6回 サウナと健康@戸越公園
ゲスト: 塩谷隆太さん(Sauna doctor /M.D/Ph.D、日本サウナ学会監事)
サウナつくりに必要となるサウナの健康効果を学びます。サウナは健康にどのような影響を及ぼすのか、この講義を聴くことでつくりたいサウナの設計図は変わってくるはずです。サウナの温度、湿度、空気、木材、が身体にどのような影響を及ぼすのか、医学的に理解したうえで理想のサウナを探究していきましょう。
実習③ ベンチ・照明・ドアをつくる
サウナベンチ作りはサウナの体験価値を高めるために重要な要素の一つです。ドラマ「サ道」でもサウナベンチ作りを丹念に行っているシーンが印象に残りました。照明は空間の印象を一番大きく変えるアイテム。サウナに適した照明をどのように選び、取り付けるかを学びます

第7回 本場フィンランドのサウナ文化@戸越公園
ゲスト: ラウラ・コピロウさん(フィンランド大使館商務部 上席商務官)
発祥から2000年を経て、ユネスコ無形文化遺産に登録された「フィンランド式サウナ」。フィンランドではサウナ文化がどのように醸成されてきたのか。フィンランド式サウナの根底にある精神を学びます。家具だけでなく自宅までDIYで建てることが多いフィンランドでは、当然のようにサウナ室も自作です。果たして日本にもサウナを自作する文化が根付いていくのか。フィンランド生まれでサウナ文化に造詣が深いフィンランド大使館のラウラさんと考えます。
実習④ストーブの取り付けかた・試運転とチェックポイント
サウナの心臓部であるサウナストーブの設置を行います。また、それに合わせ最適なサウナストーンの積み方なども学びます。設置したら試運転を行い、各所作の動確認を行います。ストーブの温まりを体感します。この瞬間が一番ドキドキです。※電気工事は、有資格者が行います

第8回 完成!サウナ体験会@戸越公園
ついに完成!サウナを体験しましょう。実際に自分たちの手で作りあげたサウナに入るのはきっと格別です。また、「作って終わり」でないのがサウナの醍醐味。どんなサウナにも必ず改善点があります。改善点や次なるアイデアが浮かんだらみんなで共有、議論します。
※10:00〜16:00の間でチーム別に体験します。(一度に全員入れないため)
※講義終了後、近くにあるサウナ施設(銭湯)へ。近隣のサウナとの共存を考えて行きます。(希望者のみ自由参加)

第9回 「金春湯」から学ぶ、満足度の高いサウナ運営@戸越銀座
ゲスト: 角屋文隆さん(金春湯4代目/株式会社ユカル代表取締役)
創業は文久三年。160年前の江戸時代から続く、サウナ愛好家の中でも人気の施設「金春湯」さんに潜入。全面的なご協力の元、施設を貸切させていただき、金春湯オーナーさんのお話をお聞きします。実際に施設の裏側(例えば、評判になっている水蒸気を通したパイプを使った独特なストーブ、チラー設備・濾過設備・給湯設備・ストックルームなどなど)を視察します。その後には実際にサウナを体験することで、なぜこのサウナが愛され続けているのかを体験します。
※入浴代1120円は各自負担です。

第10回 最終プレゼンテーションと講評、卒業式
サウナづくりを学び駆け抜けた3ヶ月半。これまでの講義を通じて得た知見を踏まえて「自分がつくりたい理想のサウナ」を発表します。一見すると難しそうな企画でも、みんなの知恵が集まれば突破口が見えるかもしれません。教授キュレーターからも愛あるフィードバックと応援がもらえます。さあ、ここからは独り立ちしてマイサウナを創造しよう!
※講義終了後に、打ち上げサウナ(自由参加)

教授
島田大輔
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キュレーター
川田直樹
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ゲスト

サウナトレンド研究家/フィンランドサウナアンバサダー
se-ju Takayama
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一級建築施工管理技士・サウナ・スパプロフェッショナル・DIYアドバイザー
石橋光孝
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プロデューサー・経営者
五箇公貴
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Sauna doctor /M.D/Ph.D、日本サウナ学会監事
塩谷隆太
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フィンランド大使館商務部 上席商務官
ラウラ・コピロウ
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金春湯4代目/株式会社ユカル代表取締役
角屋文隆
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日程
第1回:9月2日(土)13:00~16:00
第2回:9月18日(月•祝)14:00~16:00
第3回:9月23日(土)14:00~17:00
第4回:10月1日(日)A:10時~14時/B:13時〜16時 
第5回:10月14日(土)A:10時~14時/B:13時〜16時
第6回:10月21日(土)A:10時~14時/B:13時〜16時
第7回:11月3日(金・祝) 13:00~16:00
第8回:11月18日(土)10:00〜16:00
第9回:12月2日(土)12:00~15:00
第10回:12月16日(土)14:00~16:00

定員
10名 ※定員になり次第〆切ますのでお早めに

申込締切日
8月26日(土)

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