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トップダウン型とユニット型【比べない体育 Vol.9】

船橋インターナショナルスクールで、『古武術で遊ぼう』のクラスを担当してくださっている身体思想家の方条遼雨さんと共に、比べず、体を育んでいくための場について学びを深めるため、『比べない体育』という講座を開いています。詳しくは、こちらのnote記事へ。

この記事は、2021年5月開催分の講義ノート~『待てる』能力【比べない体育 Vol.8】~のつづきです。◆は方条さんのお話、◇は参加者の方のお話です。 

◆場の考え方

上位下達のトップダウン型の組織は、社長やTopがいて、幹部がいて、将軍がいて、部下、平社員のいるタイプの組織。統制を利かせながら、手っ取り早く結果を出しやすい。しかし脳がトップに集約されているから、下の脳が育たない、自分で考えていないから操り人形になる。

図に書いても操り人形みたいです。

<トップダウン型>

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指導者や長(おさ)なりが、これが正しいと下に押し付ける、教育する、刷り込むようなやり方は、待てない思考が生み出した一つ。手っ取り早く結果を求めるとこうなってくる。

人を育てるのは、とても丁寧なプロセスがいる作業なので、それぞれの能力が立ち上がってくることが大事。そうなると集団は、操り人形の形から、いろいろな星がある惑星のような形になってくる。常に状況とか、その人の在り方でどんどん変わる、変転自在だけれど、がっちり固まった組織ではなく、緩やかなネットワークの繋がりみたいな集団のイメージ。私はこの在り方をユニット型とよんでいます。

<ユニット型>

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◆ユニット型の商店街

ユニット型は、例えば私が10代のころ考えた「商店街ネットワーク」という構想があります。商店街をあるいて面白いなと思っていて、コロッケ屋さん、金物屋さんだとか、こんなお店があるんだと発見できるし、そんな街が好きなんです。知人が平塚海岸の樹林帯を守る活動「海街フェス」というのを開催していますが、平塚にも商店街があって面白い場所があるんです。

この先コンビニが大きくなってくると、どんどん商店街は滅びてくるだろうなと思った時に、個性的な面白い商店を活かす方法はないか、商店街ネットワークというゆるやかな組織を作ったらどうかと思ったんです。

ユニット型商店街ネットワークの加入条件は、チェーン店がないこと

個人商店が負ける大きな理由の一つは、巨大商店の大量仕入れの安売り。だから、チェーン店のない全国の個人商店が集まって、共同資金か何かで大量にヒット商品を購入して、商店街ネットワークの人だけが仕入れられるようにすると、小さい商店の集まりなのだけれど巨大なお店みたいになれる。売れ筋商品も安く置けるし、商店街の性質も生かしてオリジナル商品も置けるという2重構造で勝負する組織になります。

例えば、コロッケ屋さんが自分たちのオリジナルコロッケも売れるのだけれど、共同購入で松坂牛のおすすめも安く仕入れられるよみたいな仕組み。そうすることで、小さくて個性的な緩やかな集団が巨大化した企業に対抗しうる状況になる。そうやって着々と資金を積み重ねながら、一定以上に大きくなって支店ができると卒業するみたいな組織。

あらゆる業種でできるのではないかと思っています。他にも例えば、街の本屋さんがネットワークを作って、本屋さん同士で仕入れて、本の注文があればこちらからまわすよとネットワークを張り巡らせてウーバーイーツみたいにすればアマゾンに対抗できるかも。

小さいものが大きく緩やかにつながる

この考えは、他にもあらゆる業種でできるかも知れない、そして色んな事に応用できると思っています。

Vol.10につづく

講師/方条遼雨
文責・写真/あおいえりか

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