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世の中のお金の"量"はどれくらい?

今日の記事は、世の中のお金の「量」についてです。

どれくらい流通しているの?
たくさんあった方がいいの?
誰が管理するの?
私たちの生活への影響は?

そんな疑問が解消されるかと思います。



流通量と私たちの生活との関係は?

そもそもお金の流通量と私たちの生活との関係はあるのでしょうか?

お金と物の価値について考えてみます。

前回の記事でも触れたように、お金は政府の信用で成り立っています。
政府が「この紙には1万円の価値があります、信用して使ってください」と言って、
国民が信用しているから、お金が国内で、さらには世界で使われます(機能します)。


お金の流通量を増やそうとして、もし国がジャンジャンお札を刷り増すとどうなるでしょう?
お札製造マシーンで、1万円を無限に発行するのです。

その事実を知った国民は、
「お札とモノを比較すると、以前よりモノの方が価値が高いんじゃない?」
と感じるようになります。

その理由は需要供給関係に似ていて、
世の中にたくさんあるものは価値が低くなり、
世の中に少ししかないものは、希少性が出てみんなが欲しがり価値が高くなる
からです。

なのでお金をジャンジャン発行する前は、
お金の価値がそれなりにありました。
例えばペンが100円で売ってありました。

発行後はお金の価値が以前より少なくなりました。
120円払わないと同じペンが買えません。
という状況が生まれます。

解釈するとお金の価値が減ったということなのですが、
ペンを基準にすると以下のようになります。
ペンの価値は変わらないけど、お金の価値が減ったから、結果あと20円必要だ」
→価格が上がってしまった
ということです。

いわゆるインフレです。
(需要が原因になるDEMAND PULL INFLATIONです)

なので供給量はたくさんあればあるほどいいという類のものではありません。


反対に政府(中央銀行)がお金の流通量をどんどん減らしていくと、お金の希少性(価値)が上がり、モノの価格が相対的に下がる現象が起きます。


今までの話をまとめると、

・供給量はお金の価値を決める。
・それによってモノやサービスの価格は変わる
・国民がモノやサービスの値上がり、値下がりに困らないように、政府や中央銀行は適切にお金の供給量を管理している  ということです。

(インフレ、デフレの原因は供給量だけではありません、大事なのはあくまで供給量で一定のコントロールをしているということです)



誰がコントロールしているの?

先ほども出てきたように、中央銀行が政府と連携をとりながらコントロールしています。

アメリカではM1,M2という値で見ています。
日本も基本的には同じです。

マネーストックと呼ばれる、「国内中の銀行口座の預金とかを合計するとどれくらいになるかな」という指標です。
少しややこしいですが、流通量を測定するのに預金残高や現金で確認しています。

M2が全体の比較的大きい金額
M1はマイナーな比較的小さい金額
のイメージです。



参考までにどんなものがカウントされているか、コンセプトを例を挙げると
(M2)
・普通預金残高
・定期預金(譲渡性預金)
・MONEY MARKET残高(政府の保険付き預金)
・M1の金額

→M2では全体量を把握する

(M1)
・当座預金残高
・現金
・トラベラーズチェック

→M1は流動性のある(すぐに動く)お金の量を把握する



インフレや景気後退との関係は


ここで言いたいのは、必ずしもM1,M2のような通貨供給量がインフレや景気後退を引き起こすというわけではありませんが、密接に関係しているということです。

例えば、
・労働力や生産性よりもM1(お金)が早く増えると、インフレにつながる可能性があります。

・M1が減少してM2が増加すると、景気後退につながる可能性が高いとされています。



日本の通貨の供給量は?

2023年の年末時点で合計で124.6兆円(枚数では185.4億枚)でした。
積み重ねると、約1,854km(富士山の約491倍の高さ)らしいです。
横に並べた場合には、約289万km(地球の約72周分)らしいです。

高いなー、すごい距離だなーとは思っても、果たして多いのか少ないのかはわかりませんよね・・・

なので過去と比較します。


出典:日本銀行統計データ

下からM1,M2,M3です。
量自体は年々増えていますね。
30年前はパンの値段は今の1/4でした。
50年前の100円の価値は、今の210円に相当します。(企業物価指数で算出)
供給量や希少性について考えてみると、その理由に納得できますね。



もう一枚付け加えます。


出典:日本銀行統計データ

こちらはM2の変化率%のグラフです。
景気やインフレを鑑みながら、その時々で調整しているんですね。

詳しく知りたい方はこちらから確認してみてください。
日本のお金の供給量について↓


アメリカのお金の供給量について↓





お金の供給量をどんなに少なくしても・・・



対人関係や人付き合いの価値は、相対的に変わらずプライスレスだと思います。


次回もよろしくお願いします。





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