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(コラム)航空整備士になるには?その2

前回のコラムの続きです。
「その1」では、飛行機や、ヘリコプターを整備する会社にはどのように就職するのか必要な資格や、そもそもどんな会社があるのかを説明しています。
良かったらご覧ください。

今回の記事ではどこの専門学校でどの資格が取れるのかインターンシップ制度のメリットデメリットを解説します。

専門学校を斡旋する内容ではありませんので、ご了承ください。


学校の一覧です

在学中に整備の国家資格を取得できる学校を羅列します。

・日本航空大学校 北海道千歳空港キャンパス(北海道千歳市)
・日本航空大学校 石川能登空港キャンパス(石川県輪島市)
・国際航空専門学校(埼玉県所沢市)
・中日本航空専門学校(岐阜県関市)
・東日本航空専門学校(宮城県岩沼市)
・成田国際専門学校(茨城県取手市)
・関東職業能力開発大学校附属 千葉職業能力開発短期大学校(千葉県成田市)
・崇城大学(熊本県熊本市)
・大阪航空専門学校(大阪府堺市)

全国にそれなりに散らばっていますね。

その他にも航空整備士を目指せる専門学校はあります。
しかし在学中には資格を取得をすることができず、「資格を取るための経験の一部を積むことができる」という位置付けです。

そのため在学中資格を取れない学校の場合、就活の際は上記の資格を取れる学校と比較して以下のデメリットがあります。
・「資格保有していること」が企業の応募要件にあると、エントリーができない
・そもそも大手エアラインからの求人数は少ない
・就職後に働きながら資格取得するプロセスが増えるので、後々の負担が大きい
などなど・・


資格を取るための経験って?

資格は取れないけど経験は積めるってどういうことと疑問が浮かんだかもしれません。

理解するために小型の飛行機の整備資格(二等航空整備士)を例に、受験要件を見ていきましょう。
航空法を確認してみましょう。

第四十三条
技能証明又は法第三十四条第一項の計器飛行証明若しくは同条第二項の操縦教育証明は、自家用操縦士、二等航空士及び航空通信士の資格に係るものにあつては十七歳(自家用操縦士の資格のうち滑空機に係るものにあつては十六歳)、事業用操縦士、准定期運送用操縦士、一等航空士、航空機関士、一等航空運航整備士、二等航空運航整備士及び航空工場整備士の資格に係るものにあつては十八歳、二等航空整備士の資格に係るものにあつては十九歳、一等航空整備士の資格に係るものにあつては二十歳並びに定期運送用操縦士の資格に係るものにあつては二十一歳以上の者であつて、別表第二に掲げる飛行経歴その他の経歴を有する者でなければ受けることができない。

航空法施行規則 第43条

航空法は基本的にこのように文字の羅列、数字は漢数字になっています。
読みやすいとは言えず、表にまとめた方がわかりやすそうですね。
二等航空整備士の場合、20歳の年齢別表に書かれている経歴が必要とのことでした。
では別表を見てみましょう。

次に掲げるいずれかの経験を有すること。
イ 技能証明を受けようとする種類の航空機についての六月以上の整備の経験を含む三年以上の航空機の整備の経験
ロ 国土交通大臣が指定する整備に係る訓練課程を修了した場合は、技能証明を受けようとする種類の航空機についての六月以上の整備の経験を含む一年以上の航空機の整備の経験

航空法施行規則 別表第二

航空法の箇条書きの方法は「イ、ロ、ハ・・・」です。これも慣れないと読みにくいと感じる部分ですね。

「イ」の場合の条件を説明すると
・航空機の種類は問わないから、とりあえず3年間は整備したことがあること
・そのうち、小型の飛行機(受験しようとする機種)は、6ヶ月は整備したことがあること


在学中に資格の取得できない専門学校やコースというのは、
3年間整備経験が積めなかったり、受験に適した飛行機の整備環境が整っていなかったりすることによります。

なので2年制などのコースにして、
「3年の内、2年分は経験を積めます。残りの1年は就職後に現場で経験を積んで受験要件を満たしてください」とか
「受験に必要な過程、技能(基本技術)の一部を合格させておきます」
のような仕組みになっています。


人によってニーズは違いますので、自分の将来プランに合った学校、コースを選ぶのがいいのかもしれません。


国土交通大臣が指定する訓練課程って?

先ほどは触れませんでしたが、経歴の中で

ロ 国土交通大臣が指定する整備に係る訓練課程を修了した場合は、技能証明を受けようとする種類の航空機についての六月以上の整備の経験を含む一年以上の航空機の整備の経験

という内容がありました。

専門用語で「指定航空従事者養成施設」と呼ばれます。

この説明は少し長くなるので、次回の記事でまとめます。



学校・資格の一覧


各種学校と、在学中に取得できる資格を一覧にしましたのでご参考までに。
飛:飛行機
回:回転翼機(ヘリ)
(23年10月時点、国土交通省資料を参照)

中日本航空専門学校
・二等航空整備士(飛/回)
・二等航空運航整備士(飛)

国際航空専門学校
・二等航空整備士(飛/回)
・二等航空運航整備士(飛)

関東職業能力開発大学校附属 千葉職業能力開発短期大学校
・二等航空運航整備士(飛)

日本航空大学校北海道
・二等航空整備士(飛)
・二等航空運航整備士(飛)

日本航空大学校石川
・一等航空運航整備士(飛)
・二等航空運航整備士(飛)

東日本航空専門学校
・二等航空運航整備士(飛)

崇城大学
・二等航空整備士(飛)

大阪航空専門学校
・二等航空運航整備士(飛)

成田国際航空専門学校
・二等航空運航整備士(飛)

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