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夏季限定のふれあいは、恋する初期症状にも似た甘酸っぱい喜び

 急に暑い。
もう6月、まだ6月、されど6月の中旬。
いよいよ扇風機を稼働した。

クーラーで快適に過ごすことも考えたが、寒さにめっぽう弱い体質でもあり、長時間クーラーの効いた部屋で過ごすのは苦手。
敏感に反応した身体は、すぐさま末端を冷えで苦しめる。
暑いくせに末端冷え性といった、なかなか辛さを判ってもらえない厄介な病なのです。
 
暑すぎて何をやるにも気が出ない。
そう、やる気がでないのです。
プールでのんびり泳いでみたいけど、ガチ混みの温い水では気持ちが悪くてのんびりできないし、海を目指すのもいいけれど海水浴場までは遠く、ゴミも多くて衛生上よいとは言い難い。
ダイビングなんて遠方すぎて気軽には行けない。
 
ごたくを色々と並べていますが、一番の理由は出かけるのが面倒ってことにつきる。
あー面倒めんどう、面っ、胴ぉ!、剣道ではあるまいに。
 


自宅で時間をかけずに 1日で何度も水と戯れる方法

それは食器洗い。
食後のゆっくりしたい時間を奪うあの憎き食器洗いが夏季限定ではオアシスへと変わります。
特に冬場はお湯で手を守ってみても、なんなら食洗器に入れるまでの行程をも憎らしいのに。
 
暑い季節は違う。
食洗器などに任せるなんて勿体ない。
 
水とのふれあいを逃す手はない。
食器を洗っている時の水道水の冷たさ、落ちてゆく汚れに、はじける水しぶき。
水流に手は清々しくうるおい、無心になって暑さを忘れる時間を与えてくれる。
至極の水浴場となったシンクは、清涼感を与えてくれるだけではなく、ついでに食器本来の輝きも取り戻させ、水切りかごに置かれた雫で、目からも涼しさを与えてくれる。
 
コップを使う、洗う。
洗ったお皿を使い、洗う。
 
食器を洗うのが目的になりつつある。
否、それが本来の目的だけれども、洗う行為だけで考えるとお風呂場を洗うのとは全く違う。
めんどくさいを考慮した圧倒的な時短、しかも1日に何度でも体験でき、かつ体力は奪われすぎることがない。
お風呂洗いで身体が暑くなるなんて、もってのほかである。
 
これは恋の初期症状と同じく、1日に何度も会いたくて、話したくてというあの気持ちと一緒。

好きじゃなかったのに、素敵な部分を知って好きになるみたいな。

ああー好きだなー。
また、洗いたいなー。
夏の恋は儚いけれど、いま最高の恋をしています。

【 はな 】

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