現時点での演劇論

「あなたは何で演劇を続けているの?」

そう問われたら、ちゃんと答えられる自信がない。好きだから?まあ好きですけど、でもなあ、嫌いな部分もあるし。好きな部分も嫌いな部分もあって総合的に愛してる、みたいな。さすがに気持ち悪いかな?てか本当に愛してるのか?「うぃりーは演劇に恋をしているね」恋か?演劇が運命の相手か?恋人がいなくてとうとうそっちにいってしまったか。

うーん、好きとか嫌いとか愛してるとか抜きにすると、これしか出来ることがないから?本当か?これしかやっていないから、正直自分が他に何が出来るか知らないだけなんですよ。じゃあ他のことにも手を出してみて、でも結局演劇に戻ってくる。こうなってくるともはや意地なのだろうか。ムキになっているのかも。ただ意地だけで続けられるほど生易しいもんじゃない。苦しいことだらけだし。意地だけならばとっくに投げ出している。

ただ分かっていることは、私にとって演劇は掴んで離してはいけない大切な大切なものなんです。

「何で?」

しらね。

でも分かっていることならある。

私は自称演劇の天才です。完全なる自称で、本当に天才ならもっと凄いものを作れているだろうに、それでも自分は天才だと言っていたいんです。才能とは、美大生たちの成長を描いたマンガ『モディリアーニにお願い』で「才能は呪い」と表記されています。また、演劇の物語を描いた『いいからしばらく黙ってろ』という小説では、演劇界は「地獄」なんだそうです。

多分現時点で私は、演劇の才能に呪われ演劇界という地獄でガハハと笑いながらダンスでもしているのでしょう。

狂ってる?まあまあそこは置いておいて。

地獄ならきついのも分かります。呪われているなら苦しいのも分かります。だからたまにへばりますし、それこそどん底みたいな気分になります。それでもそこにいたくて、そこで笑える力があって、居心地も良いんじゃない?なんて思って、だからそこにいるんだと思います。そして、地獄だからこそ、去っていく人を見てきました。「もう演劇はいいかな」と直接言われたこともあります。私もこの地獄よりももっと良い場所があるのかもしれないと思うというか、別の場所を見て良いなと思うことはあります。隣の芝は青い現象ですね。でも結局私は演劇界という地獄でガハハと笑っていられるわけです、不格好ながらもステップを踏んでいるわけです。

ちなみに何故ダンスが急に出てきたかというと、さまぐらPさんの曲『リーパー』で「死神とダンスしようぜ」という歌詞があります。死神ではなく演劇とダンスしているのでは?と思うかもしれません。ですが、演劇界が地獄で才能が呪いならば、演劇は死神だとしても、なんとなく合っている気がします。さらに、「あなたは一生演劇人だよ」と言われたことがあります。多分そうなのでしょう。一生ならば、死ぬまで一緒ならば、私にとって演劇は死神なのかもしれません。

何と言うか物騒な話になっちゃいましたが、やっぱり何故演劇を続けているかは分からないままです。いつかそれが分かれば良いかなと思っています。ぶっちゃけ分からないままでも良いかなとも思っています。



一応さまぐらPさんの『リーパー』のURLを貼っておきます。宣伝は大事。


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