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そして 私は 豆を挽く

十月になって、やっとこさ暑さから解放され、
そしたら、呼吸がしやすくなって、
ゆったりと、深呼吸もできるようになって、
そのうち、美味しいコーヒーなんかが飲みたくなった。

そして、辿り着いたのが、アアルトコーヒーの珈琲豆。

恵文社のオンラインショップで見つけた、
徳島の焙煎所、アアルトコーヒーさん。

名前だけは、何となく知っていた。
北欧の建築家、アルヴァ・アアルトからの
ネーミングなのかなぁって、うっすら思っていた。

さて、購入したアルヴァーブレンドは、
5種の生豆の混合焙煎で、深煎りコーヒーらしいけど、
とても飲みやすい。

舌に苦味が残らず、サラっとしているというか。
一度に2杯ぐらい飲めそうな、キレの良さがあるみたい。カフェオレにしてもいける。

これを飲み始めてから、なんと、他のコーヒーが飲みにくくなってきた。
重かったり、凡庸な味に感じてしまう。
最近、それもちょっと困る気がしている。

そういえば、焙煎士である庄野さんのエッセイ本も同時に購入した。
「たぶん 彼女は 豆を挽く」というタイトル。

なんてロマンチックな題名なの。
まずは、タイトルにときめいて。

それがまた、コーヒー色のシンプルで洒落た装丁と相まっている。
完全にパケ買い 。笑。

とはいえ、本の中身もよかった。
コーヒーについて、あれこれ知れたし、
アアルトの店名のいきさつも。
エッセイは正直さがあって、興味深い内容ばかりだった。


ゴリゴリとカリタのミルで豆を挽き、
シュンシュンと沸いたポットの湯をさまし、
ゆっくりドリップしていると、

夏過ぎて 秋来たるらし コーヒーの香

という、いつどこだったか、
旅先の純喫茶の、壁のポスターに
走り書きしてあった俳句が、
ふいに浮かんで、通りすぎていった。



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