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ビートルズの「パストマスターズ」を久々に聴いて(2021.5.29)その1

 僕がビートルズをマトモに聴いたのはウン十年前の中学時代だ。そして、公式にリリースされたCDで初めて聴いたのは、「パストマスターズ」の〈Vol.2〉の方だった。ある時ビートルズが好きになって、近所の同級生の家にビートルズのCDがあるとのことで、その同級生の家に行って聴いた。ジャケットがシンプルだったので、「海賊版のようだな。オリジナルのアルバムではないのかな?」と訝しく思ったのを覚えている。そしてよく分からない世界だな、と思った。60年代がどんな雰囲気だったのか、その頃は想像もつかなかった。ましてや外国。まったく未知で、暗黒だった。

 「パストマスターズVol.2」では、「Let It Be」しか知っているタイトルはなかった。「Hey Jude」さえ知らなかった。たしか、とりあえず「Let It Be」を聴いてみたはずだが、そのサウンドの味わい深さに感動した。「心に染みる」感覚があった。シンプルな編成のために、個々の演奏が際立ち、曲にいい感じの隙間があった。気の利いた演奏だと思った。当時、特にJ-Popに多かった、音圧を上げてほとんど音符通りの機械のようなものではない。ポールの歌声や歌い方も完璧だと感じた。単純に旋律もキャッチーだが自由さ、アート性も感じられた。これぞプロだ、と思った。他の曲、たしか「Day Tripper」辺りもその場で聴いたとは思うが、さほどパッとした印象は受けなかったと思う。

 とりあえず僕はCDを借りて帰った。まもなく、特別な愛聴盤になった。文字通り浴びるように聴いていた。

~つづく~





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