倉本本店さん

福岡在住のライターです。息抜きに書いています。遅筆です

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最近の記事

わすれたくないSmall Talk ep.2

この日は近所のコーヒー屋であらかた作業を済ませたあと「あまねや工藝店」さんに立ち寄った。件の絵が気になって仕方がなく、とうとう夢枕にまで立たれてしまったからだ。 重たいドアを開き、ルオーの絵を見にきました、と伝える。奥から川口さんが出迎えてくださって、2階へ上がったあと「僕は遅めの昼食を取っていたところなので、まあ座って本でも読んでて」とすぐ階下へ降りて行ってしまった。 おいおい、こんな貴重な(しかも剥き出しの)調度品の前で、よく知らない人間を1人にして大丈夫?となんとな

    • わすれたくないSmall Talk ep.1

      この頃、器が楽しくなってきたのは、やはり人との出会いのおかげだと思う。 この日は大濠のFilles et Garcons(女の子と男の子という意味らしい)でコーヒーを飲んで、その足でLIFE IN THE GOODSに向かった。カフェで会計をするとき、この後の予定を聞かれその旨を伝えると、「今日は(LIFE IN THE GOODS)暖かそうですね」とお姉さん。そうですね、あそこは日当たりがいいものね、と会話を交わして店を後にする。 先日通常営業中に伺ったときには、向付を

      • わすれたくないSmall Talk

        地元である宮崎から福岡に越してきて、ようやく半年が過ぎようとしている。こちらの友人に「え、もう3年住んでる?」と言われるくらいには馴染めているようだ。 お店の人と仲良くなるの上手ですよね、と、仲良くなったお店の子に言われた。職業柄なのかもしれないし、末っ子特有の小狡いスキルなのかもしれないが、確かに個人店のオーナー様とゆったりお話させてもらえる機会は少なくない。見知らぬ土地で、そういう機会が生活に潤いをもたらしてくれていることもわかる。単純に気になるお店で、気になることを聞

        • 暮らしの手帖と都城にある大好きな洋服屋さんと美味しいレモンサワーの話

          今月号の暮らしの手帖に、ときどきお世話になっている都城のアウリコというお店のこと、正確に言えばそのお店のオーナーである、平原大喜さん(大喜びと書いてまさきさん)や宮崎のことが載っていた。というか、載っているとのことだったので、わざわざ書店に在庫を確認して購入しに行った。どちらかといえば名の通った、一定のファンを抱えたようなオーソドックスな雑誌なども、近頃は神隠しにあう子どものように書店からひっそりと消えてしまっている様子なので、早めに欲しい書籍に関しては問い合わせをするように

        わすれたくないSmall Talk ep.2

          人生は老いてからの方が長いというのに、なぜみんな先の自分に呪いをかけるようなことをするのだろう?

          26、7歳の頃だろうか。なんだか今よりも老けているし、今と変わらずすっとぼけた顔をしている。人からいただいた写真集に影響を受け、フィルムの余りで自分を撮影した。本当にこの人は、どこからどう見てもふつうの女だな。毎日生まれてこの方被っている、この女の顔。(不快なコメントがあったため画像差し替えました。が、気がすんだので戻します) 緊急事態宣言が延長になり、あまりにも暇なので写真のデータを整理していたら、自分を撮った写真が何枚か出てきた。昨年で30歳になったわけだが、「一体どう

          人生は老いてからの方が長いというのに、なぜみんな先の自分に呪いをかけるようなことをするのだろう?