センセーショナルであった。
アドルフ・ロースは、”装飾は罪である” と言ったということで
非常に有名な本である。
大抵の人は、建築史の授業で習ってタイトルは知っている、だろうと思う。
しかし、実際に本を読んでみると、これがかなり面白い。
なぜ装飾が罪なのか?は、ぜひ読んでもらいたいところだが
今回は別の箇所で面白いと思ったところを一つ・・・。
農民たちや船大工が作る建築物や船は、どのように作られるか。
非常に辛辣で鋭いと思わないだろうか。
本はこの調子で色々とロースなりの論が展開されるのである。
さてこれを読んで、いろいろな建築物が思い浮かぶ・・・・。
学生の時、初めてイタリアに行った。
古代の建築物は、神の手になる側の建築物だとあの時のファーストインプレッションで思った。それは超自然的に建っているという感覚。
在学中に、オープンデスクという制度を利用して、夏休み、都内の某有名建築事務所に手伝いにいった。これが有名な建築家様ですか・・・
そこで何週間かやってみて、建築のアトリエだのそういう事務所に行くのはやめようと思った。
ここには、私が建築について考えれば考えるほど、直感的に行き当たるヒントがいくつか散りばめられている。
それは必ずしも全部に賛同の気持ちは抱けないとはいえ、頷かざるを得ないロースの視点がいくつも見出せる。
それはものすごく新鮮な気持ち。