日本が失ったもの
バブル経済が崩壊した後、経団連主導で企業の国際競争力を高めるため人件費の抑制が行われた。
それは今も続いていて、30年前と変わらぬ賃金で人々は働いている。税金や社会保険料などを考えると賃金は目減りした。
企業は生き残るために優秀な人材を手放した。
かつては技術立国と言われたこの国は、優秀な技術者も高い技術を持つ町工場も海外に流出させた。
その結果、企業の国際競争力はさらに弱まった。
メイドインジャパンが優秀な製品の証だった時代は終わり、再びこの国は技術では中国、台湾、韓国には勝てなくなった。
先ごろ、国産初のジェット旅客機「三菱スペースジェット」の事業凍結が決まったが、まさにそれを証明している。
賃金が減ったことで消費は増えず、景気は一向に良くならない。しかし、人を安く使うという禁断の実の味を知ってしまった財界人の懐は温かくなった。
資本家と労働者の格差は広がり、中流層はいなくなった。
この30年で失ったのは国際競争力や技術力だけではない。日本人の心は貧しくなった。特に政治家や財界人は自分の地位や権力、財産のためならどんなに汚い手も使っている。この先、日本は最貧国まで落ちるだろう。治安は悪くなり、福祉は削られ、自殺も増えることが予想される。
まだ引き返せる。自分のためだけに生きるのではなく、隣人や社会のために生きることだ。労働者には真面目に働けば普通に生活ができ、ローンで車やマイホームが買える賃金を払う。そうすれば経済は回る。まずはそこからやってみよう。
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