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フランスで日本の映画を観る

フランスでも日本の映画が公開されることがあります。公開期間が短い場合が多いので、モタモタしていると終わってしまうのですが、今回はタイミングが合って妻夫木聡さん主演の「ある男」を観てきました。マチネの時間帯、70人ほどの小さい場所で満員。シニアの方が多かったかな。日本語そのままでフランス語字幕付。
良い作品だった上に、私は久しぶりに、全部しっかり理解できる映画を観て満足感もひとしお。グッと入り込んで筋を追えるミステリーを観たい気分で、裏切られませんでした。

ネタバレはなしの、ふんわりした感想ですが、エンタメとして観ても申し分ないし、そこに社会問題やアイデンティティの問題、家族関係の問題やら、考えさせられる面も多様で深みのある映画だったなあと思います。映像、音、演技、セリフ…全てに神経を研ぎ澄まして観れて、映画の価値を再認識させられた気がします。風景だけのシーンにも、自分なりの解釈にはなるけど語りがピッタリくる感じがありました。テーマは重いけれど、風通しというか、軽さも加えられていて、深刻な気分にもなり過ぎなかったし、ラストも私は好きでした。終わったあと、一緒に見た人と、感想をたくさん語り合いたくなる映画でした。

フランスでテレビをつければ、当たり前ですが全部フランス語。私の語学力だと良くても8割ぐらいまでの理解にとどまって、ニュースやバラエティは気にならないけど、映画を見ていて、話が繋がらないと見た気がしない時も。なので、今回の作品みたいに、複雑なミステリーを全部理解しながら、没入して味わったという感覚は実はとても貴重でした。
ネットで動画とかニュースは日本語で観れるけれど、こういう映画作品を鑑賞するって全然別のことなんだなあという気がしました。

日本の映画がチラホラとフランスでも観れるって嬉しいことです。それだけ良い作品があるってことですよね。

今日も読んでいただき有難うございました!
猫助さん イラストお借りしました。有難うございます。

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