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日本でフランス語を使う仕事に就くにはどうすればいいか

フランス語を学び、話せるようになると、それを武器に就職したいと考える人もいらっしゃるかと思います。

かつてのわたしもそうでした。
フランス長期留学を終えた後、4年に渡りフランス製の機器を輸入販売する会社に勤め、その際フランス語利用をしながら仕事をしていました。

では、フランス語はどう就職につながるのか、について今回は「仕事として」という側面から話すフランス語考察を書きたいと思います。  


日本でフランス語を使う仕事はあるのか?

もちろんありますが、残念ながら多いとは言えません。

これはわたしの今までの経験や求人を見てきた上でそう思いますし、又わたしはフランス語利用して勤めていた会社を辞めた以降、フランス語をまったく業務上使用してきていないため、
念のために、現在フランスに関わる事業の会社に10年以上勤めている方に、この点を確認してみましたが、同じ答えでした。

また、その方とのやりとりの中で
「日本で、フランスと関わる仕事をする上での言語はフランス語のみで通用するか、それはありえるか?」
という質問も聞きました。

その答えは
「海外との仕事で必須なのはやはり ”英語” である」との回答でした。

フランス語はあくまでも "英語以外にできれば尚可" という位置付けだそうです。
(目次の3番目にある職種を除いて)

たとえ在日フランス企業、
もしくはフランス企業と取引をしている日本企業など、フランスに特化している業種であっても、
ビジネス上の共通言語は「英語」であることがほとんどだそうです。

仕事でフランス語を使って働きたいと考えるのであれば、英語もできることは、はずせない事項といえます。

それはなぜか?ということを、その方より実例としていただきました。

その方は、日本に出張にきた取引先のフランス人の方々(5~6人程、多い時は10人以上迎えることもあるそうですが)と直接交渉したり、打ち合わせをしたり、日本での滞在のサポートや送迎をするなどの仕事が時にあるそうです。
その際に、フランス語を利用するのは全然あり。
むしろ必要ともいえる。とのことでした。

しかし、そのフランス人の方々を日本の企業とマッチングさせるための打ち合わせが発生し、
そこにたった一人でもフランス語が話せない日本人が入った瞬間に、そこにいる全員の共通言語は
<フランス語話者が多勢であったとしても>
英語へスイッチすることになるといいます。

通訳するという手段もあるそうなのですが、
そもそもビジネスで英語ができる人は英語で話を進めた方が早いし、
全員が同時進行で認識して進んでいけるのはやはり英語とのことで、英語は必至。とのことでした。


なので、仕事をする上で「共通言語」は何か?

ということが、フランス語を使ってそこで働いていけるかどうかを見分けるポイントになります。


ちなみに、わたしはフランス語を使い働いていた時、そのやりとりはフランス語でやってもらってけっこう、
しかし、文書や資料などを保管するときに、
フランス語のままだと困るので
(フランス語が分からない人が社内にいるので)
必ずその日本語訳を添えて保管するよう指示されていました。
フランスに特化してる事業でも、社内のみんながフランス語が話せるという環境下ではなかったので、こうなりました。


自分がフランス語ができるから、それを使いたいと思っても、それだけでやっていくというのは、そういうのが許される環境下のみで有効であり、あまり現実的ではなく(そういう機会は多くない)、
やはり共通言語の英語が優先されるということがしばしばとなります。



求められる人材

フランス系もしくはフランス関連企業などで、フランス語を使う求人が出たとしても、言語レベルはもとより、求人像のレベルもいつも高い傾向にあります。

わたしは求人を見ながら「そんな人いるのかな?」とよく言います。笑
当然いるとは思うのですが、そう多くいないんじゃないのかな?といつも訝しんで見ています。


言語以外に、実務の実績を求められることが多いといえます。

「未経験者でも可」などという言葉はフランス語求人でほぼ見たことがありません。
つまり、<即戦力>になれるかがポイントなのです。


例えば、わたしが見かける求人でよくあるのが

・フランス語がネイティブレベルで話せること、
 +マーケティング経験2年以上

・フランス語レベルDALF C2以上、+旅行業務経験1年以上

・仏検2級と同等以上、+通訳案内士資格保有者

などです。

つまり+αの実務経験が求められています。
語学だけは、太刀打ちできない場合が多いんです。


ちなみに先述の現在フランスに関わる事業に関わっているという方は、
語学レベル以外にも旅行業務経験や営業経験があり、その総合性と実践力を買われて採用になったそうです。

つまり、いきなりフランス語だけを武器に、というより、
まず(もしくは同時に)実務を積み重ねていく、
ということもキャリア形成で必要となってくるといえます。

なので、自分が何をしたいのか、どうやって働きたいのか、などを考慮し、その実務経験を積み、その上でフランス語を利用できるのかどうか、ということを考えるのが、フランス語を使って仕事する上での近道となるでしょう。



日本でフランス語を使って仕事をしている方の職種

少ないとはいえ、日本でフランス語を使って仕事をされている方はもちろんいらっしゃいます。
その環境、職種はどのようなものがあるでしょうか。

-社員全員もしくはその一定数以上が、フランス語を話すことが必須の環境下にある
(例 大使館員、フランス語学学校職員など)

-フランス言語に特化した仕事である
(例 通訳者、翻訳家、フランス語教師など)

-事業としてフランス語を使う国との取引があり、フランス語でのやりとりを要求、又は利用可能とされている
(わたしが勤務していた会社のような形態)

-自らフランスと関わる事業をし、自らフランス語で交渉をしている
(例 自営業。 わたしの周りでは、雑貨、ワイン、アート作品を輸入し、個人企業主として、オンラインサイトで販売されている方が数名いました)

-SNSでフランス語やフランスに関する発信をして稼ぐ
(例 YouTuber、インフルエンサー)


考えられるものをあげましたが、これ以外にも思いついた場合には、追加リライトしたいと思います。



フランス求人サイト

フランス語に関わる求人をチェックしたいという方用にサイトのURLを載せます。

フランス商工会議所
://www.ccifj.or.jp/ja/emploi-et-formation/plateforme-emploi.html

日仏文化協会
https://www.ccfj.com/quoi/


上記が全てではもちろんありません。
一般リクルートサイトなどに掲載されることもあると思います。
こちらはご参考までにご利用ください。




「言葉はあくまでツール」という言葉

「言葉はあくまでツール」
それを使って何をするかが大事。

という言葉、、

ほんとフランス語界にいるともう100回以上聞く言葉なのですが(おおげさ笑)、わたしあんまりこの言葉好きじゃないんです。

正しい言葉だとはもちろん思います。
上記に書いてきたような仕事の側面から見たときは、特に一番まっとうな言葉であるともいえるでしょう。

しかし
「こちとらフランス語をツールって見方してないのよね。」
って言う気持ちが湧くんです、、なぜか。
言葉遣い変ですけど 笑。

以前のわたしのnoteで「ひとり言@フランス語」というものがあるのですが、そこに詳しく書いていますけど、フランス語をそういう目で見てると、なんかつまんないのではないかなと思います。(個人の感想です)

人それぞれなので、この個人的感想を言い伝えるつもりはないのですが、フランスの何かしらが好きでフランス語を習い始めたのであれば、
それはツールではなくて、大切なあなたの人生の一部です。
そう捉えると、おそらくフランス語とずっと良い付き合いができるんじゃないかな、と私は思います。




最後に

今回は仕事という側面に特化したフランス語にまつわる内容を書きました。
皆さん、いかがでしたでしょうか。

フランス語は勉強系が多かったので、いつか仕事の側面でも書きたいと思っていたのがやっと実現できました。

仕事のフランス語は、自分の想いとは離れた会社の「事業」や「業務」などでもあるので、
そこに喜びとか、好きとか、楽しいとかとはまた別のベクトルのフランス語が発生すると思います。

それから、今回はちょっと厳しい現実、もしくはフランス語で将来仕事をしたいという方には少し落胆をさせてしまう内容が含まれていたかもしれません。すみません。


でも、わたしはトライすることも、とてもいいことだと思います。
もしやめたいと思えば、別にやめてもいいわけです。
過去にやめたわたしのように。笑

わたしのように、とは冗談ですが、
選択は常に自分にあるので、どんな選択もそれで良いと思えるよう努力することが大切だと思います。

さて、
フランス語で仕事をやっていこうと思われている方、もしいらっしゃったら、
その心意気 ほんとに素晴らしいと思うので、是非がんばってください。応援しています。


では次回のnoteでまたお会いしましょう。

À bientôt !!

Eva

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