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フランスバレエ育成システム

フランスバレエの専門家、harukaです。

フランスのバレエはとても古い歴史があります。
そのためしっかりとしたバレエの育成システムがあります。

それは大きく7つのカテゴリーに分けられます。

ちなみに私は7つ全てのカテゴリーに精通しています!
全てを知っているからこそ分かる各カテゴリーの特徴と事前に知っておくと良い情報を合わせて紹介していきます。

フランスバレエの育成システム

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※ 下線部分をクリックすると各学校のサイトに飛びます。(フランス語)

1. パリ・オペラ座バレエ学校
École de danse de l'Opéra national de Paris
世界最高のバレエスクールの一つとして知られています。この学校の入学試験を突破し研修生期間を終了し、卒業まで毎年進学試験を合格した生徒だけ(進学試験に失敗した場合退学)がパリ・オペラ座バレエ団の入団試験を受験することができます。

このバレエ学校の試験が受けれるのは8歳から17歳までです。願書の締め切りは年齢にもよりますが2月上旬が一般的です。そして3月から5月にかけて書類選考を含んだ入学試験が行われます。

2. 国立高等音楽・舞踊学校
Conservatoire National Supérieur Musique Danse)CNSMD
フランスの音楽・舞踊のための高等教育機関です。この学校はバレエダンサーの学校としても国内トップクラスの実力を誇ります。パリ・オペラ座バレエ学校が17歳を過ぎても入学許可を与えているのはこの学校のディプロム取得者のみです。

受ける試験のレベルによって年齢制限が変わります。願書の締め切りは12月上旬試験は通常2月に行われます。

3. パリ地方音楽院
Conservatoire à Rayonnement Régional de Paris)CRR de Paris
音楽・舞踊の基礎を学ぶ学校です。国立高等音楽・舞踊学校入学に向けて準備ができる学校でもあります。年齢層が低く中学生が多く通っています。この学校はパリ郊外にある地方学院に比べて需要が高く毎年多くの生徒が受験しています。

受ける学年によって年齢制限が設けられており、入学試験は通常4月から5月にかけて行われます。

4. 地方音楽院
(Conservatoire à Rayonnement Régional)CRR
パリ地方音楽院同様、音楽・舞踊の基礎を学ぶ学校です。各地方の音楽・舞踊のための学校を地方学院と呼びます。受講できるクラスやディプロムはパリ地方音楽学院と同じです。郊外出身でパリまで出て来るのが大変という生徒が多く通っています。

5. 私立バレエ学校
各バレエ学校が独自のプログラムに沿って授業を行う学校です。年間の授業料を払うことで1年間学校に通えることになります。パリ・オペラ座バレエ学校や国立高等音楽・舞踊学校のように進学試験はありません。

学校によって年齢制限や試験の時期は変わってくるので要注意です。

6. 民間バレエ教室
自分でスタジオを構えてレッスンを行っている教室です。チケット制なので自分が行きたい時に気軽に行けるという利点から、趣味でバレエがやりたいという人が多く通っています。

7. 個人バレエ教室
ダンス指導者国家資格を取得している先生が個人でレンタルスタジオを借りてレッスンを行っている教室です。子供から大人まで楽しんでバレエレッスンを受けれることが個人バレエ教室の最大のメリットです。

このようにバレエ学校の育成システムがしっかりとしているのでどのバレエ学校を卒業したかによって入れるバレエ団が決まると言っても過言ではありません。

私はフランスに行ったことによって日本とフランスのバレエを両方体験することができました。そこで気づいた日本バレエとフランスバレエの違いについてもお話したいと思います。

日本バレエとフランスバレエの違い

フランスではプロからアマチュアまでバレエを学べる環境がたくさんあります。そのため何歳でも自分のレベルや目的に沿って学校または教室を選ぶことができます。明確な区切りはありませんがバレエ学校はプロのバレリーナになりたい人、バレエ教室は趣味でバレエを楽しみたい人が通っている傾向があります。

日本では多くの日本人がバレエ教室に通っています。しかしバレエ教室の後はバレエをやめるかそれともプロになるために留学するかの2択になってしまいます。ここで多くの人がやめるという選択肢を選んでいます。ただ一度辞めてしまうと、もう一度バレエをやりたい!と思った時に通える教室が限られてしまします。

バレエをやりたい人誰にでも道が開かれているかどうか、これが日本バレエとフランスバレエの大きな違いと言えます。

よりたくさんの人にバレエを楽しんでいただくために

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日本でバレエレッスンを受けていたときは同じレベル・同じ年齢の生徒としかレッスンを受けたことがありませんでした。他のクラスの生徒やダンサーと交流できるのは発表会に向けてのリハーサルの時だけ。

それが当たり前だと思っていました。

しかしフランスでレッスンを受けた時、年齢やレベル関係なくバレエを楽しんでいる風景にとても感動しました。

そんな経験があるからこそバレエを学びたい人全員が年齢・レベル関係なく楽しんで学べる環境を日本でも広めていきたいと考えています。