FPになるために、「まずは」金融機関に行くべき?【キャリア相談回答2】
TwitterのDMで、大学2年生のAさんからFPに関するキャリアのご相談を受けました。
以前に私が受けた取材記事や、弊社のプレスリリースを見てご連絡くださったそうです。
・取材記事
「高校生の時からファイナンシャルプランナーになりたいと思っていました」
・プレスリリース
FP会社がリカレント課程の社会人大学生向けインターンシップを受け入れました!
いくつかご質問をいただき、せっかくの機会なのでこちらで詳細に回答していきたいと思います。連載第2弾です。
≪アメリカ留学中のAさんからのキャリア相談シリーズ≫
FPは早くから「目指す」ものではないのか【キャリア相談回答1】
FPになるために、「まずは」金融機関に行くべき?【キャリア相談回答2】(本記事)
日本人だけど、アメリカでFPとして働ける?【キャリア相談回答3】
大学時代に資格を取得すると有利?学生時代の優先順位【キャリア相談回答4】
■大学卒業後の進路
大学卒業後は一度就職を考えています。やはり、「まずは」金融機関に行く人が多いのでしょうか?
大学卒業後の就職先ですね。
結論から言うと、仰る通りでFPとして活動することをを見据えたときには金融機関に就職する人が多いです。では、具体的にどのような選択肢があるか、金融機関以外の就職先など、もう少し掘り下げていきたいと思います。
(余談)
FPになろうと思ったら、いきなり独立するよりはAさんのように一度就職し、正社員の経験をした方が良いと私は考えています。
ご相談にいらっしゃるお客様に正社員でお勤めの方が多くいらっしゃる以上、自分が正社員の経験無しには共感できる部分が限られてしまう可能性があるためです。
■金融機関への就職
やはり金融機関へ就職する道は、FPへのキャリアとしては王道です。
FPとして開業した後、銀行などから過去に実務経験を積んだとみなされるのは金融機関での勤務経験のようです。(私は税理士法人出身のため、FP実務未経験とみなされました……)
それぞれの金融機関とFPキャリアへの関連をもう少し考察してみます。(※私自身は金融機関にいた経験がほとんどないため、自分の周りにいる人からの情報も含まれています。事実と異なる可能性がありますので、ご参考程度にご覧ください。)
銀行・信用金庫
FPへの道として最も王道であるといえます。
私が学生の頃、銀行出身の経営者から「保険会社から銀行へ転職するより、銀行から保険会社へ転職する方が易しい。新卒は銀行の方が潰しが利く。」と言われたことがあります。真偽はともかく、新卒入社後の転職まで視野に入れてキャリアを検討することは一つの良い尺度となるでしょう。
私自身は独立を決めた20歳の時、「銀行に3~5年勤めて転職し、2社目で3~5年勤めた後、30歳までに独立する」と考えていました。
保険会社
こちらも独立系FPによく見られるキャリアです。といっても、新卒幹部候補生と営業職では大きく違うかもしれません。業界内では営業職で関係を築いたクライアントを抱えて独立する、というケースが多いように見えます。
弊社専務の町田も中途採用の営業職で保険会社にいました。当時は北海道にいたため、クライアントは抱えていませんでしたが。専務町田も私も保険会社のコールセンターで派遣社員として勤めた経験があります。
証券会社
弊社所属FPは証券会社出身のFPが複数名います。扱える商品の幅が広く、資産運用に強いFPになることができます。
■金融機関以外への就職
FPは取り扱う分野の幅が広いため、金融機関の他にもFPの活動に繋がる就職先がたくさんあります。
不動産業界
新卒で不動産の会社に就職したFPもしばしば見かけます。一口に不動産業界といっても賃貸・売買・管理、取り扱う不動産も実需・投資用など幅広くあります。
税理士事務所
私は税理士事務所の出身です。税金分野の知識が身につくだけでなく、財務経理や経営について学ぶことができます。
税理士事務所にも得意分野があったり、関連会社で保険を取り扱っていたり、ベンチャーキャピタルやM&Aの事業を行っていたりするなど、事務所の方針により様々です。
■独立するなら実はこの道が良い…?
以上、FPのキャリアとしての就職先をご紹介しましたが、実は最近個人的に考えているキャリアがあります。私はその道について特別詳しいわけではありませんので、半分妄想だと思ってお読みいただければ幸いです。
ここまでご紹介したキャリアは、「FPが取り扱う分野」に関する業界への道です。しかし、独立して仕事を得るには「FPが取り扱う”スキル”」が得られる職業に就職する道もあるのでは?と思いました。
独立系FPが専門家として行うおもな業務は「相談」「講師」「執筆」の3つです。「相談」については金融機関で培うことができますので、「講師(話すスキル)」「執筆(書くスキル)」が身につく就職先を選択することが賢いのではないかと、独立をした後に思いました。これらのスキルは依頼を受けるだけでなく、自身の情報発信の手段としても利用できます。
話すスキル
講師としての仕事はマネーセミナーだけでなく資格取得対策講座などもあり、人気講師になって単価が上がってくれば講師業をメインに活動することができます。
最近の情報発信手段、収入を得る手段としてYouTubeが発達していますので、場所を問わず話すスキルを活かすことが可能になっています。
書くスキル
ウェブライティングのクラウドワーカーで単価の高い仕事を依頼される人のほとんどは元記者などプロとして活動していた方だと聞きます。場所を問わず働きたい場合はなおのこと、ライティングスキルが磨ける仕事に就くことで執筆FPとして即戦力で活躍できるのではないかと感じます。
「場所を問わず」と何度か書いていますが、これについてもご質問をいただいていますので、また改めて触れていきます。
その他雑記
差別化という観点で言えば、FPに関わる業界+異業種を経験しておくことで唯一無二のFPになれるのではないかと思います。ご相談者のAさんは現在1年間ニューヨークに留学しており、将来的に米国で活動したい意向があるため日本×米国ですでに差別化ができると思いますが、FPは多くの経験をしてもそれが無駄になることはありません。
私は学生の頃、とあるFPさんに「FPになりたいので金融機関に就職して経験を積んで独立します!」と言ったところ「私は異業種からFPになりましたので、視野を広く持ってくださいね。」という旨を言われたことがあります。
当時はピンときませんでしたが、実際に独立してFPになった今、その意味が痛いほどよくわかります。受け売りですが、同じことを言わせてください。
視野を広く持って、いろいろな業界や職業や会社を見て、あらゆる可能性を模索してみてくださいね。
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