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生活を支える技術、どこへ向かう?

家事支援家電の進化

日本電機工業会(JEMA)によると、2023年度の白物家電の出荷金額は2兆5244億円と前年度比2.4%減少しましたが、洗濯機や冷蔵庫など家事負担を減らす製品は依然として強い需要があります。特に、洗濯機の価格は10年で32%上昇し、その中でもドラム式洗濯機が市場を牽引しています。これらの製品は、共働き世帯の増加に伴い、「時短需要」が高まる中で、多忙な家庭にとっては欠かせない存在となっています。

娯楽家電の価格競争激化

一方で、テレビなどの娯楽向け家電は価格が大幅に下落しています。BCNの調査によれば、40型テレビは10年前に比べて43%も安くなっており、これはスマートフォンやタブレットでのコンテンツ消費の普及が影響しています。また、中国メーカーの台頭も市場の価格下落を加速させており、国際競争の激化が進んでいます。

調達・サプライチェーン観点からの分析

この市場動向は、製造業者が直面するサプライチェーン戦略に大きな影響を与えています。家事支援家電の場合、高機能かつ高価格の製品が求められるため、品質と機能の維持には精密な部品調達と厳格な品質管理が必要です。これに対して、娯楽家電はコスト削減と大量生産が求められるため、国際的な低コストサプライヤーとの連携が重要になります。

持続可能なビジネスモデルへの提案

今後の家電業界は、消費者が実際に必要とする機能を明確に打ち出すことが成功のカギとなります。特に、人口減少が進む中で、家電製品における「使いやすさ」や「付加価値」を強化することで、市場を刺激し、持続可能な成長を図るべきです。

あまり語られていない観点

市場の二極化は、消費者のライフスタイル変化だけでなく、社会全体の価値観の変化を反映しています。例えば、家事を助ける家電は「時間の贈り物」としての価値を、娯楽家電は「生活の質の向上」という側面から評価されるようになります。企業はこれらの変化を捉え、新たなニーズに応じた製品開発が求められています。

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