年収1000万円は勝ち組か?(新刊のご紹介)
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(12月13日追記)おかげさまで重版決定しました!
note記事から関心を持っていただいた方、
拙著をご購入いただいた方、
本当にありがとうございます!
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11月17日に、本を出版します。
「世帯年収1000万円」というタイトルです。年収1000万円というと、とかく勝ち組の象徴のようにイメージされることがありますが、本当にそうなのか?を考察した一冊です。本の内容をご紹介をかねて、年収1000万円のイメージと実情の一端をお話します。
■平均年収450万円で、年収1000万円は勝ち組か?
住宅価格の高騰、物価上昇、社会保険や税の負担増と、現在の私たちの暮らしにはお金にかかわる厳しい要素がいくつも重なっています。一方で、SNSなどでは「年収1000万円で苦しいなんてぜいたくだ」といった声もよくあがります。
日本の平均年収のデータとしてニュースなどでよく用いられる国税庁の「民間給与実態調査」によると、会社員の平均給与は年458 万円です。この2年ほどは増加傾向にありますが、それでも1000万円には遠く及びません。
年代別でみても、ピークといえる50代でも男性の平均給与で700万円前後、女性では300万円台にすぎず、年収1000万円であれば確かに上位層に入ります。
■年収1000万円の約1割は資産ゼロ
「年収1000万円」は、SNSなどで話題になるいわゆる「タワマン文学」のネタになることも多いです。
都心のタワーマンションに住み、高級外車に乗り、子育てをしている場合には子どもを熱心に塾に通わせて中学受験をさせる、なかには小学校のお受験をさせる教育熱心で「意識高い系」な親……などという描かれ方は典型例です。
お金があるからリッチな生活ができる、お金があるから子どもを高学歴に育てられる。そんな羨望と揶揄の対象にされることすらあります。
しかし、本当に年収1000万円の人にはそんなにゆとりがあるのだろうか?
日本銀行が運営する金融広報中央委員会のデータで、世帯が保有する預金などの資産額をみると、年収1000万円以上では平均(1291万円)よりも多くの資産を持っている世帯が多数派です。
ところが、「金融資産非保有」つまり資産ゼロという世帯も約10%存在します。世帯主のみ就業している専業主婦(主夫)世帯では15%を超えています。
いくら年収が高くても、手元の貯金が0円なら、「勝ち組」とは言えないんじゃないか?
そして、年収1000万円以上でもさまざまな事情から貯金ができない、実は家計がカツカツだという人が、意外に多いのではないか? そんなことをうかがわせます。
■年収1000万円の人は本当にぜいたく暮らしなのか?
こういった話になると、「年収1000万円の人は収入を過信して浪費するからお金が貯まらないのだ」「身の丈に合わないタワマンに住むのが悪い」「子どもをわざわざ中学受験させて私立に行かせるのが悪い」といった批判もよくみられます。
また、年収1000万円レベルの当事者が実際には家計が厳しいことを訴えると、決まって炎上するのも、SNSなどでよくある光景です。
そこで本書では、年収1000万円の世帯を取り巻くお金の実態を冷静に、客観的に考察することを目指しました。
そもそも年収1000万円の場合、実際の手取り収入はいくらなのか?
暮らしに必要不可欠な住居費や生活費にいくらかかるのか?
子育てをしている場合、子どもの教育費にいくらかかるのか?
入ってくるお金と出ていくお金、そして、手元に残り貯蓄できるお金を、イメージではなく具体的で最新の数値でまとめました。
とりわけ子育て世帯では、子どもの教育費が負担になりがちです。そこで、子育て世帯の家計については、モデル家族の家計シミュレーションも行っています。
その結果を通して、現実世界での年収1000万円世帯の実態に迫ります。
最終章では、節約などお金を守るテクニックもふんだんに解説します。
■こんな方におすすめ
自身が年収1000万円だけど、なぜかお金にゆとりがないと感じている方には、その理由や解決の糸口がみつかるかもしれません。
また、住居費・生活費・教育費の相場や平均額は、年収にかかわらず気になる方が多いのではないでしょうか。
そして、節約術や貯蓄、資産運用のヒントは、お金のことはちょっと苦手という人にも始めやすい小さなコツからご紹介していますので、明日からの生活に役立てていただける話があるはずです。
多くの皆さんにぜひ手に取っていただけたら嬉しいです。
加藤梨里(ファイナンシャルプランナー)
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