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大学生の生活保護

オンライン開催のセミナーを拝聴しました。支援者・当事者の方の生のお話を聞く貴重な機会となりました。
主催者の010設立の「なくそう!子どもの貧困」全国ネットワーク様へ確認を取り掲載の許可をいただいています。
聞き書きでメモしたものからなので、誤記等はあると思います。

「第21回子どもの貧困対策情報交換会  大学生等への生活保護適用を考える」
2022年11月12日(土)14:00~16:15

【登壇者】
〇桜井 啓太 さん/「生活保護情報グループ」・立命館大学教員
〇飛田 桂 さん/弁護士
〇儚 さん(仮名)/現在大学生・当事者
〇中村 舞斗 さん/「NPO法人虐待どっとネット」・元当事者

主催 2010設立の「なくそう!子どもの貧困」全国ネットワーク

 助成 公益財団法人 キリン福祉財団 

1 生活保護世帯の進学率

  生活保護世帯で世帯分離で自活か困窮か、非生活保護世帯で自活か困窮か
  困窮していれば生活保護対象養護施設出身の子どもも対象
 
  高等教育の修学支援新制度2020年度~
  虐待の当事者は?
  
 子どもの貧困の状況と進学率について毎年データが公表されるが、全国平均のみで
 地域別データがない 地域データは行政機関は持っている
 自治体の課題として共有されにくい
 全国平均より下が35県。上位は12都道府県
 富山県などは低保護率県 そもそも生活保護が少ない
 進学率は人口集中地域が高い  例外は新潟・沖縄
 首都圏・関西圏で取り残されている茨城・滋賀
 中京圏で高くない愛知 沖縄全世帯進学率は低いが生活保護世帯の進学率は高い生活保護世帯も多い
 ワースト県 富山・福島 20%
 富山の生活保護世帯と全世帯との差は深刻 保護世帯の中退率も高い
 
  世帯分離の進学率に大きく影響 世帯分離しないと進学率低くなる
  進学しないで就職した人は困窮したら生活保護受けられる 進学すると難しくなる
  社会全体の進学率80% 贅沢とは言えないのでは? 

(※ むしろ困窮を脱して社会へ貢献したり納税者になれる確率を上げるために国が地域が進学支援するべきでは?)

2 大学生等への生活保護適用を考える

  虐待、一時保護、施設、DVシェルターを経た子どもの進学が難しい
  15歳くらいから施設を探すのが難しくなる
  18歳で公的支援が外れる 行政の担当部署、病院の先生も変わる
  支援のネットから外れる子どもたちを支援している飛田さん
  18歳で一時保護→子供用シェルターへ。児童相談所では関与できない・適用がないことが多い 
  外出できない間に生保で病院へ行き体調を整える 保険証を使うとばれる 医療扶助へ
  段階を追ってようやく自分の希望を話せるようになる子ども
  アルバイトできるようになって生保から抜ける 
  
  大学生の場合 生保が受けられない(18歳) 
  大学に行きたいのに虐待を耐えてきたが学校を休学・退学、結果として働く気力、生きる力を失う。
  支援者が話し合って夢をあきらめさせる方向へ、その後自立援助ホームをドロップアウト、心を壊して
  資格を取る夢があるが、生活保護は進学できない 1年の生活保護のはずが何年も
 
  世帯主がリストラ、事故死、事件死。
  大学費用は振り込まれているが、お金がない、結果進学をやめ何年も生活保護へ
  卒業学年の休学のケース 心が折れる
  生活保護で卒業資格を取れたり(その後の資格取得や仕事のための資格にもなる)
    人とのかかわりを持ったまま人生を過ごせる
  大学を辞めさせると低賃金労働 犯罪の被害や薬物・アルコールなど、加害者になることも

 アメリカで虐待の被害者を支援するほうがほったらかしにした場合より社会全体の損失が少ないデータ

 神奈川県議らと飛田さんら 国・行政へ働きかけ 学生との協働・啓発
 横須賀市など 学生を救う制度決める
 
 世論が動かないと難しい
 虐待から逃げた大学生は生活保護が命綱

 「今の子ども・若者を救うことが 未来の日本を救います」

◎ 儚さん 2001年生まれ 大学生 絵を描く  個展にいろいろな世代が訪れる
 調停離婚 父親DV 生活保護世帯 母親PTSD・統合失調他 
 児童保護施設で職員から暴力 警察に家庭のことは家庭でと済まされる
 公立中学校から私立女子校 国立大学へ 過労で摂食障害と鬱 休学
 発達障害と判明(※ ? もしや複雑性PTSD等からの発達障害と似た症状?)
 「生活保護世帯のこどもが原則大学進学しないで働く前提なのは恐ろしい」・・ツイート
 世帯分離しても自分で出すか生活保護からで学費と生活費と医療費や保険
 
 2020年からの高等教育の修学支援受けるが、新型コロナでオンライン授業に
 パソコンやネット環境を学生が負担 アルバイト先や親の仕事がなくなるケース
 退学や休学を余儀なくされるケース数多い
 住民税非課税の世帯も様々な背景をもって入学
 奨学金の口座18歳まで 親が管理  親が金を抜き取るケース
 (※ 制度が若者を育てあげるようになっていない )
 
 
(※ 困窮家庭、家庭問題や事件事故被害者などが、自立して社会貢献したり納税したり自分の人生をしっかり歩めることが、未来の日本を救うのだけど。
今の日本の制度は 貧乏な人や困ってる人を追い込んでさらに日本の未来を悪くしている。私やあなたがやっている。)

◎ 中村さん NPO虐待どっとネット
 自立援助ホーム 精神科入院 
 アルバイトから正社員になろうとしても中卒で受からない
 20歳で高校卒業 病院で看護助手 看護大学へ この時に自分の体験を振り返る 裕福な子が多い
 大学の授業で虐待体験を思い出すフラッシュバック (自分のことを周りへ話せず)
 バイトができなくなり、お金が無くなる。病院奨学金は保証人が必要。
 先生が生活保護を進めるも、役所が「大学はぜいたく品です」と断る。 記憶が飛び病院へ。
 飛田さんとつながる。
 一度レールから外れると人生が進まない日本のシステム
 国の制度、国の通知がそうだから、役所の人はやむを得ず申請を断っているとの話を聞く。

 (※ 大学入学できる人を非課税の人や恒久的定収入・生活保護にするのは、国や社会の損失。未来の破壊。)

 ※ その後 トーク、質疑等あり


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