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心のなかにすべてがある
宇宙の始まりや人間の魂などについてよく考える。小さい頃からそうだった。寝る前とか、布団に入って赤い電球を見つめながら、色々と考えを巡らせた。
考えてみれば、不思議なものだ。この世界がどういう世界なのか、宇宙の外には一体何があるのかはっきりと分かっていないのに、みんな学校に行ったり、会社に行ったり、ご飯を食べたりしている。世の中は動き続けていて、往来にはたくさんの人が行き交っている。そんな雑踏のなかを歩きながら、僕はどこか遠い国の川で飛び跳ねた魚のことを考える。
オスカー・ワイルドが『獄中記』のなかで書いていたように、この世界のあらゆるものは表象なのだと僕は思う。風に揺れる花、陽の沈んだ空を横切っていく鳥、眩しいくらいの月明かり。そうしたものの奥に僕は、この世界の真実や神様の恩寵を感じずにはいられない。
人間は唯物的な存在ではなく、精神的な存在であると知ること。人間の本質は心であり、魂であり、人の命は生き通しのものであると僕は考えている。自分の世界は、自分の心が作り出す。心のなかにすべてがあるのだ。
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