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文字通りの縁の下の力持ち「構造家」という仕事が名建築を支えている


感覚する構造 – 法隆寺から宇宙まで –

寺田倉庫が運営するWHAT MUSEUMで開催中の「感覚する構造 – 法隆寺から宇宙まで – 」は、建築の骨組みを創造してきた「構造デザイン」にフォーカスした展覧会です。現存する世界最古の木造建築「法隆寺五重塔」から、現在開発中の月面構造物まで、幅広いスケールの構造物を取り上げ、その構造美と技術を模型を通して体感できる内容となっています。

エントランス

構造にどっぷり浸かっている感じがする理由を3つにまとめます

1. 構造デザインの広がり
法隆寺のような伝統的な木造建築から、現代の超高層ビル、そして宇宙開発における構造物まで、幅広いスケールの構造物を取り上げています。これにより、構造デザインの多様性と発展の歴史を俯瞰することができます。

2. 模型の充実
全国各地から貴重な名建築の構造模型100点以上が集結しており、実際に模型に触れたり、内部構造を観察したりすることで、構造デザインの仕組みをより深く理解することができます。

3. 木材建築を深掘り
前期展では、日本の木造建築に焦点を当てていましたが、後期展では木材を用いた建築にフォーカスし、サステナビリティの観点から構造デザインの進化を考察しています。

迫力ある模型の見どころ

法隆寺五重塔の構造模型
世界最古の木造建築である法隆寺五重塔の1/10構造模型は、その精巧な組み方と力強さを体感することができます。

現代建築の構造模型
著名建築家の作品をはじめ、100以上の現代名建築の構造美を堪能することができます。

宇宙開発における構造物
JAXA(宇宙航空研究開発機構)と佐藤淳氏らが開発した、月に人間が滞在するための「月面構造物」は、SFの世界を彷彿とさせるような独創的なデザインと技術を見ることができます。

4つの展示構成

1.伝統建築と木造の未来
2.次世代を担う構造家たち
3.構造デザインの展開
4.宇宙空間へ

1.伝統建築と木造の未来

歴史的な建造物である法隆寺五重塔や松本城に始まり、葉祥栄と松井源吾、内藤廣と渡辺邦夫、隈研吾と中田捷夫、三分一博志と稲山正弘、藤本壮介と腰原幹雄などの建築家と構造家が協力して生み出した現代の木造建築の構造模型が展示されています。見どころ盛りだくさんでここまででお腹いっぱいという感じです。

2.次世代を担う構造家たち

建築家と協力して構造デザインを創造する構造家たちの重要性に焦点を当てています。30名以上の構造家のインタビュー映像が流されています。また、注目すべき若手構造家の作品を紹介しています。ゆっくり見られたらよかったのですが、全部見ることができませんでした。

3.構造デザインの展開

構造デザインの知見を生かしたファッションや地図図法など、異なる分野とのコラボレーションを展示しています。構造デザインが体験できます。ここまでで既に私が1日でインプットできるキャパを超え理解できなくなってきました。

4.宇宙空間へ

地球上で培われた構造デザインを宇宙空間へ応用する取り組みを紹介しています。現在、JAXA(宇宙航空研究開発機構)と佐藤淳らが開発している、月面で人が滞在するための構造物の原寸大模型を展示しています。ほぼ「見た」だけになってしまいました。

雨の週末にじっくりと鑑賞がおすすめ

テーマの1つ目の内容が既に盛りだくさんで頭がいっぱいになり、最後まで集中して見られないほどでした。
建築に興味がある人だけでなく、ものづくりが好きな人なら誰でも構造の面白さ、奥深さに惹かれるはずです。
雨の週末に1日かけてぜひゆっくりと鑑賞してください。

展覧会情報

会場 WHAT MUSEUM
(〒140-0002 東京都品川区東品川 2-6-10 寺⽥倉庫G号)
会期 2024年4月27日~2024年9月29日
開館時間
火曜—日曜 11:00 — 18:00(最終入館 17:00)
※月曜休館(祝日の場合、翌火曜休館)
入館料
一般:1,500円
大学生/専門学校生:800円
高校生以下:無料
公式サイト[https://what.warehouseofart.org/en/](https://what.warehouseofart.org/en/)

会場
WHAT MUSEUM


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