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変わらないことを、変えないために、変わり続けること

数字の目標は特に設定しない。常に定点で見てはいるが追いかけることはしない。追いかけ始めるとレースがはじまる。
そいつの襟首をつかまえたときには、追いかけていた数字は形を変えて先を走り出す。そのレースは終わることがなく、こちらの持久力がなくなるまで続く。
そのために、麻薬的に色んな手段を使ってレースを続けても僕は幸せになれなそうだ。そして数字目標を達成することだけでは、誰も幸せにはならないからだ。

そう思いながら常に続けてきた。
数字の奥にあるもっと質感のある肌触りを求めて「商売」をしてきた。商売とはレースなのかもしれないが、世界はもっと素直で優しいはずだと思いたい。
そしていいお客さんといい仕事仲間に恵まれて、12月はfoufouの売上が1千万を超えた(僕の収入じゃないからね)

1月は型数が減るので、12月に詰め込んだという理由もあるがもっと売ろうと思えばやれたのでそのくらいの地力はあることがわかった(数量は慎重につんでいる)
あまり売上を口にしてなかったけれど、節目でもあるしこれから意識したいからあえて残そう。

1つはこれを見てる迷えるファッションデザイナーのために、
1つはこれを見てる1度でもfoufouに興味を持ってくれたひとのために、
1つはこれを書いている、これからの僕のためだ。

しつこいようだが思い出せばはじめたときは僕は1人きり。
下手っぴでも何かしたくてハンドメイドで始めた。最初は3着くらいを必死こいて作った。夏だった、糸まみれになりながら、課題もやらずに作った。そしてInstagramで販売したところ欲しいという声がたくさん届いた。

僕は賞レースでも勝てないし優等生ですらなかった、自分をデザイナーとは思えなかった。でもあれから無我夢中、まさに我を無くし夢の中でここまできた。だからこそ、方法はたくさんあるんだよと服に魅せられ既存の枠組みの中でもがく君に言いたい。もちろんこれだけが正解ではない、しかしこれもまた正解なのかもしれない。
新しい生産方法や、プラットフォームがある中で「なにもできない」ことはないはずだ。

頭を柔らかくしてプライドを捨てて、変なこだわりも捨てるんだ。誰も自分になんか興味がないということを知ったときからがスタートだ。
「時代は変わった」と口で言うのは簡単だ。だから伝わらないかもしれないが、僕は日々その匂いをリアルに感じているよ。
ここは宝なき大航海時代、宝物は自分で決めていい。

そして僕はまた、新しい1つの大きな扉の前で深呼吸をしている。きっと誰も歩いてない道だ。でも誰も歩いてない道しか歩けない性格だから、進むしかない。大丈夫、多少失敗しても僕には「これもエンタメだ」と笑える強さがある。そしてなにより僕には積み重ねてきたお客さんとの関係がある。多少の失敗も「フーフー最高ですw」と言ってもらえるはずだ。そして僕には僕なんかより優秀な頼り甲斐のある仲間がいる。

これから先、「数字とレースしなくてはならない日」がくるかもしれない。
避けてきたそいつといよいよ勝負をするかもしれない。でも僕はきっとそいつを抱きしめて、二人三脚にルールを変えることだってできるはずだ。
これまでだって、ルールそのものを変えて僕1人しかいないレースで優勝してきた。

2019年は誰よりも僕が1番、僕を信じてあげなければ。

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