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悩みに答えを出すノート術④~自由のためのノート術

前回は、悩みをノートに書き出していった先に起こる不思議な体験についてお話しました。今回は、メインストリームから少し外れて、人が行動するときの理由について、コラム的な話です。

理由なんて、ひとつじゃない

内面にどんどん現れてくる考えをノートに書き出していけば、何が自分の中で引っかかっていたのか、ポイントが浮き彫りになってきます。それは、核心となる理由にたどり着くというのとは少し違います。ものごとの理由って、ひとつじゃないこともあるんです。いや、ひとつじゃないことの方が多いでしょう。

あなたも、自分の選択や行動の理由を尋ねられて、戸惑ったことはないでしょうか。私は理由を聞かれると、正直ちょっとイラっとします。腹が立つというより、困ってしまうんですよね。誠実に答えようとすればするほど、それは簡潔には言い表せないと分かってきます。

たとえば私は会社を辞めてカメラマンの道を選んだけれど、その理由を尋ねられるとちょっと困ります。誠実に答えようとすればするほど戸惑います。

確かに写真を撮るのは好きでした。でもそれまでの人生で、写真は選択肢にも上がってこなかった。仕事に選ぶなんて、全く思いつきもしませんでした。しかし会社を辞めて、次にどのような道を進むのかと考えたとき、どんなに小さくても自分に出来ることで、何か始めようと思った。その理由まで話し出すとキリがないので、ここでは飛ばします。とにかく誰かの下について、指示されたことをするのではなく、自分で舵を切りたいと思ったんです。
いったい私に何が出来るのか。そう考えたときに、「写真」が思い浮かびました。写真なら、すでに20年以上もカメラを手にしていたので、私にとってはとても身近なものだったのです。直感で、これなら何とかなるような気がしたのです。

それを周囲に話すと、そんなことで? と言われました。身近に感じているものだったからといって、会社員やってた人がいきなりカメラマンなんて、なぜ出来ると思うの? と。たしかにその意見にも一理あります。いえ、その意見の方がごく普通の感覚なのでしょう。じゃあ私の自信は、いったいどこから来たのか。そこにまた理由が必要となります。

あなたはどうですか? なぜこの仕事を選んだのか。なぜここに住もうと思ったのか。なぜこの人を選んだのか。どれを取っても、理由なんて1つじゃないのではないでしょうか。そして、そのどれが本当の理由かってことでもないと思いませんか。理由に順位なんて付けられないと思いませんか。

起こった出来事や、行動の理由なんて、幾つも折り重なっているものです。だから、こうやって書き出していくことで、絡み合った幾つもの想いをほどき、それぞれを浮き彫りにしていくのです。そうやって初めて、自分の気持ちに決着がつくようになるでしょう。

ではまた次回。

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