1985月刊コラム

1985アクション(家庭部門のエネルギー消費量を2011年の半分にする活動)を行う(一…

1985月刊コラム

1985アクション(家庭部門のエネルギー消費量を2011年の半分にする活動)を行う(一社)Forward to 1985 energy lifeの委員会・理事・スタッフから、「小さなエネルギーで豊かに暮らせる社会」実現のためのヒントをお伝えします。

マガジン

  • 住宅の温熱環境・省エネを深掘りする -1985基盤情報委員会

    快適・健康・省エネな家を実現しようと、まじめに家づくりに取り組まれている方にとって有益になるであろう情報を整理して情報を発信していきます。

最近の記事

いよいよ卒論にも”断熱”の重要性が取りざたされました!

理事の吉田です。 他団体連携委員長を一応させていただいており、地域アドバイザー拠点の活動の一環から、宇都宮大学国際学部髙橋若菜教授と知り合うことになりました。 髙橋教授は日本では珍しい”環境政治学”を研究されています。 なぜ日本では珍しいかと言えば、日本の場合は環境なら環境、政治なら政治と区分けされてしまい、環境問題を提起するもそれを解決する手段としての政治や政治的アプローチを研究するような学問がわたしのつたない見識では見受けられませんでした。 そんな中、そこを研究されている

    • パッシブデザインとプランニング ~オープンプランニングの工夫しておきたい点~

      こんにちは。1985理事の米谷です。 最近の1985会員の工務店さんの住宅づくりは、 断熱や日射遮蔽の工夫が加速し、 日射利用を目指した配置や開口の設計においても 充実してきた感があります。 同時に、住宅づくりが一気にパッシブデザインに向かったことで、 住宅に求められるパッシブデザイン以外の要素と 折り合いを付けておく必要も感じます。 住宅のオープンプラン化 研究者らが温熱環境をシュミレーションする際に用いられているプラン (図2)では、 中廊下型の自立循環型のモデル住宅

      • 1985アワード2024 開催

        こんにちは。Forward to 1985 energy life事務局の松尾です。 1/24(水)に、「Passive × Energy Design 1985アワード2024」を開催しました。第二回の開催となった本アワードの様子をご紹介します。 1.Passive × Energy Design 1985アワードとは 2007年~2020年の間、野池政宏氏を代表とする自立循環型住宅研究会(現在は閉会)にて毎年開催されていた「自立研アワード」を引き継ぐ形で、小さなエネルギ

        • 「全国省エネミーティング」について

          こんにちは。Forward to 1985 energy life理事の千葉です。 今回は私の担当している、「全国省エネミーティング」について書きたいと思います。 1.全国省エネミーティングとは? 初めに行ったときは実はまだこの団体が任意団体の時、2011年になります。また、その時は“秋の大集会”といった名前でこれからこの団体が目指す方向についての集会が行われました。 その時の大会開催における大会趣意書が残っており、そこには以下のように書かれています。 ◆大会開催の背景と

        いよいよ卒論にも”断熱”の重要性が取りざたされました!

        マガジン

        • 住宅の温熱環境・省エネを深掘りする -1985基盤情報委員会
          6本

        記事

          室温と健康 その3 ~室温と健康リスクの情報整理~

           こんにちは。 Forward to 1985 Energy Lifeの監事で基盤情報作成委員の坂崎です。  基盤情報作成委員会では、まじめに家づくりに取り組まれている方にとって有益になるであろう情報を整理して、ここのコラムでお伝えしていきます。 0.前回の概要室温と健康リスクの情報を整理するために、主にインターネット等で公開されている公的な情報などを中心におこない、 「Housing health guidelines 2018」WHO(世界保健機構)  「Minim

          室温と健康 その3 ~室温と健康リスクの情報整理~

          室温と健康 その2 ~室温と健康リスクの情報整理~

           こんにちは。 Forward to 1985 Energy Lifeの監事で基盤情報作成委員の坂崎です。  基盤情報作成委員会では、まじめに家づくりに取り組まれている方にとって有益になるであろう情報を整理して、ここのコラムでお伝えしていきます。 0.前回の概要 前回は「室温と健康」をテーマにした理由からはじまり、気温と死亡率や血圧変動など健康リスクについて紹介しました。  前回から時間が空いてしまいましたが、今回は「室温と健康」に関する主な情報の内、海外の報告書等の内容に

          室温と健康 その2 ~室温と健康リスクの情報整理~

          事務局服部、別府にオールタイム車までリアルZEHの家を建てる② 2023年夏の報告

          こんにちは。Forward to 1985 energy life事務局の服部です。 2023年3月の記事でご紹介した『1985House in 別府』(←私の自宅)ですが、住み始めて8ヶ月が経ちました。 そこで、今回はこの夏にエネルギーが自給自足できたのかご報告したいと思います。 1.エネルギーの流れまずはじめに1985House in 別府のエネルギーの流れをご紹介。 何はともあれエネルギーを自給するということは、最初に発電をしなければいけないので、スタートは一番左

          事務局服部、別府にオールタイム車までリアルZEHの家を建てる② 2023年夏の報告

          パッシブデザイン住宅の事前のシミュレーションと実測の重要性について

          こんにちはForward to 1985 energy life理事の木村です。 今回は、シミュレーションと実測の重要性についてお話しします。 パッシブデザインにおいて重要なのは、 ①敷地の日照シミュレーションを行う事 ②ゾーニングを行い、どこに南の窓位置を設けるべきかを検討する ③配置計画、平面計画だけでなく、断面計画を行いながら、主たる居室やその他の居室にどのように日射を入れ、遮蔽するかを検討する ④非居室は、日射熱若しくは暖冷房機器により室温を上げるかを検討する ⑤

          パッシブデザイン住宅の事前のシミュレーションと実測の重要性について

          リアルZEHを目指そう!

          こんにちは。 一般生活者普及啓発委員会の川端だったはずが、 現在は基盤情報作成委員会にも少し関わっております。 前回まで、辻さん、中野さんが、 2050年までのシナリオを分析してくれたわけですが、 実際に私達がどのような家づくりを目指さないといけないのかを、 私から解説をさせていただきます。 カーボンニュートラルは未来の話、光熱費上昇は今の話今年も暑い日がつづいていますが、 全国的に見れば、北海道より、沖縄が涼しいというような 着実に温暖化が進んでいることを感じます。 二

          リアルZEHを目指そう!

          2050年ビジョンを目指す

          1985理事で基盤情報作成委員会の中野です。 前回の辻さんの記事では、1985の長期的なビジョンとして2050年に目指すべきエネルギー消費量の数値化と具体的な目標について解説されていました。 簡単にまとめると、 ①原発に頼ることのないカーボンニュートラルを目指そう   ↓ ②そのためには2050年の家庭部門のエネルギー消費量を1500PJ以下にしよう   ↓ ③1500PJ以下にするには、これからの新築と大規模リノベはリアルZEHを、中規模以下のリフォームはエネルギーハーフ

          2050年ビジョンを目指す

          2050年ビジョンとその具体(後半)

          こんにちは。 1985の代表理事の辻です。 今回は前回の続編ということで、ロードマップの文言及び2050年ビジョンを数値化するための具体的な作業について解説したいと思います。少々ボリュームがありますが、最後まで読んでもらえると嬉しいです。 まずはロードマップの文言「ストック平均でZEH基準の水準の省エネ性能が確保されているとともに、その導入が合理的な住宅における太陽光発電設備等の再生可能エネルギーの導入が一般的となる」の前半部分から。 「ストック平均でZEH基準の水

          2050年ビジョンとその具体(後半)

          2050年ビジョンとその具体(前半)

          こんにちは。 1985の代表理事の辻です。 1985が活動をスタートしてから10年以上が経ち、その間、脱炭素社会の実現に向けて大きく社会がシフトし始めています。今回はそうした状況を踏まえて、2050年カーボンニュートラルを見据えた私たち(1985)のビジョンについて、その具体的な内容とそこに行き着いたプロセスも交えながらまとめてみたいと思います。 For the 2050 -最良の2050年のために- 昨年、言い出しっぺの野池さんの後を引き継いで代表理事に就任した際に

          2050年ビジョンとその具体(前半)

          事務局服部、別府にオールタイム車までリアルZEHの家を建てる①

          こんにちは。Forward to 1985 energy life事務局の服部です。 この度私、埼玉県から大分県別府市に引っ越しました! 前々から「1985のコンセプトを実現した実物件が欲しいよね」と会内で話し合われていたのですが、諸事情により私が住む家が必要になったので、せっかくだったらこの家を「1985HOUSE」(地域のエネルギー消費量の半分以下で暮らせる家)として建築しよう!ということで計画しました。 まだ住み始めて1ヶ月なので、実際に1985家族達成するかは1年

          事務局服部、別府にオールタイム車までリアルZEHの家を建てる①

          脱炭素先行地域の傾向と対策

          理事の吉田です。 我が国はまず温室効果ガスを2030年度までに2013年度比46%削減せねばなりません。 直近データでは2020年度の2013年度比が18.4%減ということなので残り十年で約28%減せねばなりません。 https://www.env.go.jp/press/110272.html?adlt=strict&toWww=1&redig=E790E2D9910E4FE0992A2DE3C613C687 ということはあと10年で約28%減ということです。 10で割れ

          脱炭素先行地域の傾向と対策

          パッシブデザインとプランニング ~2階→1階リビングの選択 その2~

          こんにちは。1985理事の米谷です。 前回に引き続き、「2階リビング⇒1階リビングの選択」のつづきです。 今回のテーマは、この選択をする際に配慮しておきたい点についてお話します。 ■前回のおさらい 前回は図のような南側に建物がある宅地Cにおいて、 プランを考える話題でした。 ネコちゃんのように、 素直に気持ちのいい場所を探して、 長時間暮らせるような建築のカタチにしてはどうか? というひとつの提案です。 オーソドックスに1階にリビングを設け、 2階の吹き抜けから日射を得るプ

          パッシブデザインとプランニング ~2階→1階リビングの選択 その2~

          太陽光発電は設備ではなく、電気代の固定化

          一般生活者啓発委員会 川端です。 本当に、回ってくるの早いですね。笑 さて、毎度ながら、 私からは温熱と違う観点のお話です。 皆さんは省エネの専門家ですが、 ご自宅の電気料金を把握されていますでしょうか? 口座引き落としの費用は、 なかなか把握しにくいですが、 いまはとんでもない状況になっています。 値上がりは建材だけではない! 先日、イギリスで10月から 電気料金が8割値上げされたと ニュースになっていました。 イギリスでは前払いの定額制で支払うシステムも ある

          太陽光発電は設備ではなく、電気代の固定化