1985月刊コラム

1985アクション(家庭部門のエネルギー消費量を2011年の半分にする活動)を行う(一社)Forward to 1985 energy lifeの委員会・理事・スタッフから、「小さなエネルギーで豊かに暮らせる社会」実現のためのヒントをお伝えします。

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    • 住宅の温熱環境・省エネを深掘りする -1985基盤情報委員会

      快適・健康・省エネな家を実現しようと、まじめに家づくりに取り組まれている方にとって有益になるであろう情報を整理して情報を発信していきます。

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    2050年ビジョンとその具体(後半)

    こんにちは。 1985の代表理事の辻です。   今回は前回の続編ということで、ロードマップの文言及び2050年ビジョンを数値化するための具体的な作業について解説したいと思います。少々ボリュームがありますが、最後まで読んでもらえると嬉しいです。   まずはロードマップの文言「ストック平均でZEH基準の水準の省エネ性能が確保されているとともに、その導入が合理的な住宅における太陽光発電設備等の再生可能エネルギーの導入が一般的となる」の前半部分から。 「ストック平均でZEH基準の水

      • 2050年ビジョンとその具体(前半)

        こんにちは。 1985の代表理事の辻です。   1985が活動をスタートしてから10年以上が経ち、その間、脱炭素社会の実現に向けて大きく社会がシフトし始めています。今回はそうした状況を踏まえて、2050年カーボンニュートラルを見据えた私たち(1985)のビジョンについて、その具体的な内容とそこに行き着いたプロセスも交えながらまとめてみたいと思います。 For the 2050  -最良の2050年のために- 昨年、言い出しっぺの野池さんの後を引き継いで代表理事に就任した際に

        • 事務局服部、別府にオールタイム車までリアルZEHの家を建てる①

          こんにちは。Forward to 1985 energy life事務局の服部です。 この度私、埼玉県から大分県別府市に引っ越しました! 前々から「1985のコンセプトを実現した実物件が欲しいよね」と会内で話し合われていたのですが、諸事情により私が住む家が必要になったので、せっかくだったらこの家を「1985HOUSE」(地域のエネルギー消費量の半分以下で暮らせる家)として建築しよう!ということで計画しました。 まだ住み始めて1ヶ月なので、実際に1985家族達成するかは1年

          • 脱炭素先行地域の傾向と対策

            理事の吉田です。 我が国はまず温室効果ガスを2030年度までに2013年度比46%削減せねばなりません。 直近データでは2020年度の2013年度比が18.4%減ということなので残り十年で約28%減せねばなりません。 https://www.env.go.jp/press/110272.html?adlt=strict&toWww=1&redig=E790E2D9910E4FE0992A2DE3C613C687 ということはあと10年で約28%減ということです。 10で割れ

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            パッシブデザインとプランニング ~2階→1階リビングの選択 その2~

            こんにちは。1985理事の米谷です。 前回に引き続き、「2階リビング⇒1階リビングの選択」のつづきです。 今回のテーマは、この選択をする際に配慮しておきたい点についてお話します。 ■前回のおさらい 前回は図のような南側に建物がある宅地Cにおいて、 プランを考える話題でした。 ネコちゃんのように、 素直に気持ちのいい場所を探して、 長時間暮らせるような建築のカタチにしてはどうか? というひとつの提案です。 オーソドックスに1階にリビングを設け、 2階の吹き抜けから日射を得るプ

            太陽光発電は設備ではなく、電気代の固定化

            一般生活者啓発委員会 川端です。 本当に、回ってくるの早いですね。笑 さて、毎度ながら、 私からは温熱と違う観点のお話です。 皆さんは省エネの専門家ですが、 ご自宅の電気料金を把握されていますでしょうか? 口座引き落としの費用は、 なかなか把握しにくいですが、 いまはとんでもない状況になっています。 値上がりは建材だけではない! 先日、イギリスで10月から 電気料金が8割値上げされたと ニュースになっていました。 イギリスでは前払いの定額制で支払うシステムも ある

            冷房とは?

            こんにちは。理事の千葉です。 今回の記事は、一般生活者の方を対象にして、「冷房とは?」というテーマについて書いてみたいと思います。 「冷房」をデジタル大辞泉で調べますと、  ”暑さをしのぐために、室内の温度を外気より低くすること。  また、その装置” となっています。  なんと、室温を外気より下げればそれは”冷房”ということになるのです。当たり前に”その装置”とはエアコンとなります。 ※エアコン以外にも、ラジエータを利用した冷暖房機もありますが今回はエアコンのみの話とさせて

            夏は”窓で日よけ”を頑張ろう!

            1.今年も開催「日よけは外で」キャンペーン。こんにちは。Forward to 1985 energy life 事務局の松尾です。 観測史上最短での梅雨明け宣言と併せて、厳しい電力需給の状況が叫ばれる地域が見られる今年の夏。また引き続きコロナウイルス感染拡大予防を意識する必要もあることから、節電と熱中症予防と換気を意識しなければなりません。 外から建物の中に入る日射熱の約7割は窓から伝わるため、窓の日射遮蔽は室温を上げないための最大のポイントとなりますが、 室内側で日射遮蔽

            高断熱だけでは省エネは決まらない ~パッシブデザインとエアコン運転スケジュール~

            こんにちは。1985理事の木村です。 夏が近づいてきました。建築物省エネ法も改正されることが閣議決定し、これから益々高断熱化が進んでいくものと期待しています。ただし、省エネは高断熱だけでは決まりません。パッシブデザインの設計手法を基にした、南の窓を主に多く配置を行う冬の太陽熱利用(日射取得)と太陽熱をルーバーなどの外付け付属物や庇などの設置により夏の太陽熱を遮る(日射遮蔽)によっても省エネ性能は大きく変わってきます。下記は高断熱によって省エネは決まらないという私が作成した資料

            カーボンニュートラルに向けて自治体との強力なカウンターパートになろう!

            (一社)Forward to 1985 energy life理事の吉田です。 一応役職は“他団体連携委員長”をつとめさせていただいておりますので今回はそんな立場から、建築実務者へのご提案と全国各自治体へのアピールをさせていただきたいと思います。 そもそもカーボンニュートラルって?  つまりガチにゼロということではなく、超省エネ・創エネ社会を実現しつつそれでも足りない分は森林吸収分で相殺しましょうということで、わたし自身も非常に現実的で分かり易い概念だと思っています。

            電気温水器をエコキュートに替えてみたらどれだけお得になるだろう

            こんにちは。Forward to 1985 energy life事務局の服部です。 突然ですが、みなさん家の中で使うエネルギー7用途ってご存知ですか? これが住宅の中で使うエネルギーの7用途になります。 さて問題です。この7用途のうち、エネルギーを多く使うTOP3はどれでしょうか? ・ ・ ・ ・ 正解は 1位 家電 2位 給湯 3位 暖房 になります。当たりましたか? (省エネ地域区分5~7地域の平均的な使用状況の家庭を想定した場合の順位です) 家電は冷蔵庫のよ

            パッシブデザインとプランニング ~2階→1階リビングの選択 その1~

            こんにちは。1985理事の米谷です。 前回に引き続き、設計者の視点から パッシブデザインとプランニングについて考えてみようと思います。 今回のテーマは、リビングの位置と時間軸のデザインです。 ■南側に建物がある場合はどうする? 敷地の南側に道や公園などの空地があり、 しかも十分な間口があれば、 少し工夫すると日射熱利用暖房に効率的な住宅が設計可能ですね。 しかし、設計対象がそのような恵まれた敷地ばかりではありません。また、住まい手の暮らし方に変化がありえます。 新築した

            室温と健康 その1 ~室温と健康リスクの情報整理~

             こんにちは。Forward to 1985 Energy Lifeの監事で基盤情報作成委員の坂崎です。  基盤情報作成委員会では、まじめに家づくりに取り組まれている方にとって有益になるであろう情報を整理して、ここのコラムでお伝えしていきます。 1.今回のテーマ設定の背景 近年、脱炭素社会の実現に向けて世界が大きく動いています。日本でも2050年のカーボンニュートラルに向けた様々な政策転換の中で、住宅においても今後一層の省エネルギー化が求められることとなります。  現在、

            高性能住宅って、ホントに高いの?

            一般生活者啓発委員会の川端です。 一周してきました。 2度目の投稿になります。 私だけ少し毛色が違う投稿ですが、 箸休めとして、お楽しみください。 2022年、これからの家づくりはどうなる??昨年から ウッドショック、鉄鋼ショック、半導体ショックなど 建設費が高くなる話ばかりで、 どうお客様に伝えるのか、 というのが頭がいたいところです。 一方、建築物省エネ法改正が見送りなんて 話も飛び込んできて、 2020年の二の舞かと、 こころが沈んでしまいます。 それだけ、建物

            ペレットストーブという暖房機。

            こんにちは、理事の千葉です。 今回、私が皆さんに伝えたいのは冬の暖房とエコです。 みなさんのお宅の暖房は何を利用されていますか? 1.ペレットストーブとは? 私の家は、ペレットストーブを利用しています。 ペレットストーブはとても暖かくて平成6年に竣工した家のリビング約17畳及び畳コーナー6畳、隣室の7.5畳の合計30.5畳を1台で温めています。(ガラスはシングルガラスで断熱性能もそれほどいいとは思えない家です) 使っているのは新越ワークス(旧さいかい産業)のRS-4です。

            パッシブデザインを実践的に学ぼう。

            こんにちは。事務局の松尾です。 Forward to 1985 energy lifeでは、パッシブデザインを実践的に学ぶ勉強会を定期的に開催しています。 以前、事務局の服部より、「温熱カレッジ」のカリキュラム紹介がありましたが、今回は、Forward to 1985 energy lifeが行っている住宅建築実務者の方向けの実践的な勉強会として、もうひとつの軸となっている「パッシブデザインワークショップ」についてご紹介します。 「パッシブデザインワークショップ」は、4