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何も知らないという面白さと人間の柔軟さ

 県外にいる弟から、『すみっコぐらし』という映画が流行っていると聞いたことがあった。私がその時に想像したのは、劇画のタイトルだった。
タイトルの色は血である。

『この世の中であぶれた者たち。その中で、彼らは生きている――』

すみっこぐらし

 ナレーションは重々しく低い男性の声。映し出される迫害される男性、世界の隅で一生懸命生きる無邪気な少年の姿。そのようなものを私は想像していた。なんなら世界の隅に生きるホラー調の映画をイメージしていたものである。

 そして、想像していた実際の映画と現実とのギャップに腰をぬかしてしまった。もちろんゆるキャラっぽいキャラクターたちのおかげである。
私は狼と戦うために身構えていたのに、実際に現れたのは瞳をウルウルとさせたとんかつであったのだ。

 いや狼ととんかつ会ってたわ……

 とにかく私はこの出来事から、人間の想像力というものの面白さを知った。
 社会でも物事を始めようとすると案外求められることは想像と違うものだったということが数多くあり得る。

 しかしホラー映画から緩いアニメ映画まで対応できる人間の柔軟な力なら、どうにかなるのかもしれないと漠然と思った。

 とはいえ本当にホラー映画のような物事と向き合わなければならない時には、人間は映画の外に逃げることもできる。皆さんも無理をしないで欲しい。

 ここまで読んで下さりありがとうございました。

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