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和田秀樹 『大人のための文章法』より

今回は、和田秀樹氏が2003年に角川書店から出版した『大人のための文章法』の序文の一節をとりあげます。
(同書は現在、Kindle Unlimitedで読むことができます。)

日本の国語教育は、情緒的な文が読め、心情読解ができて名文が書けるというのが目標になっているようだ。

読書感想文にしても、読んだ本に書いてある内容をまとめるだけではだめで、自分の感情が表現できないといけないと叱られる。
日本にいるとこれが当たり前のように思われるが、外国ではそうでない。
論理的な文章や説明文がしっかり読めるようになることが母国語教育の基本とされる。

作文についても、心情を書くというより、決まりきった形の文章を何度となく書かされる。

定型的なレポートが書けるようになるのが、まさに国語教育の基本なのだ。

この意見は私が常々思っていることと同じ趣旨であり、大いに共感しました。特に昔、塾で小中学生の国語を教えていた時に、論理的文章の読解・作文にもっと注力すべきだと強く感じました。

ここからは和田氏の著作とは別の話ですが、近々、上記のような意見に応えて高校国語の科目体系・カリキュラムが改定されるそうです。詳細は把握していないのですが、文学と切り離した実用的な国語(「現代の国語」)の中に「家電製品のマニュアルの読解」のような項目があるそうです。
それは、、なんか違うんじゃないかな。。。

「誤解されないマニュアル文書の作成」なら意味があると思いますが。

出典:和田秀樹 (2003)『大人のための文章法』、角川書店。

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