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台湾と桜ー阿里山の桜

台湾と桜…あまりイメージが湧かない人も多いと思う。
しかし、全国各地とまではいかないものの、台湾にも桜はある。

台湾には、日本統治時代に日本人が持ち込んだソメイヨシノから、固定種の山桜、さらにはその二つを掛け合わせたものまで多種多様。特に日本統治時代に日本人が持ち込み各地に植えたものが多く、台灣の桜の歴史はそこから始まると言っても過言ではない。
しかし、元々の桜の名所に加え、近年は新しく桜が植えられる所も多くなっており、台湾も日本に負けず劣らずの「桜大国」だったりする。

台北では、2月に入ると桜のシーズンに入る。実は、旧正月が終わると

「さあ次はお花見だ!」

とお花見ののシーズンとなるのである。
台北だけでも陽明山大屯山から、「士林區平菁街42巷12號」のように、それは一体どこやねん!?と思わずGoogle mapで調べてしまったという穴場(?)までけっこう見所が多く、台湾人も花見を愉しんでいるようである。

これから台灣へ向かう方は、日本より一足早い桜と花見を愉しむのも一興かもしれない。

台湾の桜の名所として知られている名勝に、台南南部の名勝、阿里山がある。
ソメイヨシノだけでなく、台湾カンヒザクラ、ヤエザクラなど、阿里山にはシーズンになると様々な桜が咲き誇る。特に阿里山工作駅前の桜(吉野桜)は明治36年(1903)に植えられたもので、シーズンになると今でも満開になる台湾桜の旧跡となっている。

今回は、そんな阿里山の桜の、日本統治時代の写真を。

台湾阿里山の桜
(聚珍臺灣様より。転載禁止。画像をクリックすると元リンク先へ)

こちらは日本時代の阿里山、現在の阿里山賓館の前身である阿里山倶楽部にあった「ひのき橋」の横に咲く満開の桜の写真である。
桜の手前にある「檜橋」は総檜造りの橋で、阿里山は日本時代、「日本」でも指折りの檜の産地。明治神宮の大鳥居は、去年に建て替えが行われる前は台湾産の檜が使われており、日本時代を知る台湾人はそれを誇りにしていたものであった。

オリジナルは白黒写真だが、AI着色で桜色のピンクが鮮やかに蘇った。まるでタイムスリップしたかのような写真である。


台湾阿里山賓館の前身である阿里山倶楽部にあった「檜橋」の横に咲く満開の桜の写真
(聚珍臺灣様より。転載禁止。画像をクリックすると元リンク先へ)

こちらがカラー化する前のオリジナルの写真である。白黒では桜のピンクが、それ以前にそれが桜なのかすら怪しかったが、カラー化から訴えてくる力は違う。

なお、阿里山のお花見ポイントや時期など詳細は、台湾の交通部(国土交通省に相当)観光局が日本語で案内しているので、下のリンク先を見て欲しい。

そして、台湾の桜の見どころ、時期はこちらもどうぞ。
台湾で「お先に花見」も悪くない。

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