新商品開発と化粧品業界の深さを知る
こんにちは、NY州認定エステティシャン&Executive Beauty Director のCHIKAです。
2021年の4月に今野氏より事業継承をし、本格的な活動が始まったのが、その年の6月。最初から前途多難な課題が浮き彫りにされ、一つずつ紐解きながら旅をここまでしてきました。あまりにも大変なので、ここで整理も含めて、書いておきたいと思います。そしてこれから化粧品ブランドを作りたい、と思っている人や興味がある方の役に立てたら幸いです。
まず、私が一番最初に始めたのは、原料メーカー様へのご挨拶から。既存の化粧品はすでにあったわけですが、この化粧品の原料が特別なもので、誰しもが使えるものではありませんでした。そのため使うための許可というのでしょうか、引き続き私の代でもお取引いただくために奈良県まで行くのでした。
そして許可をいただいた後、その原料を使って、新商品を作るための旅がやっとここから始まります。ただ、一筋縄でいくものでは在りませんでした。この原料のPH(ペーハー)が低いため化粧品の中でも、粘度のある美容液やクリームなどにするのが難しいということがわかりました。
大体、化粧品って、内容成分だけでできるわけでもありません。資材、と言って、容器やパッケージとなるもの、そしてそれを売る場所があって初めて成り立つものです。新商品、となると、その内容成分が納得いくまで試作品を工場とのやり取りをしつつ、同時に資材を選んで、手配をし、工場でそれが本当に内容成分を入れても問題ないか、をチェックしてもらってから発注し、そこで初めて製品となっていくわけです。しかもその資材には、デザインやら内容成分表示、必要な注意事項などなども明記したものが必要です。それらを合わせた全体的なデザインを事前に作っていく。そして、それを印刷するのか、シールにするのか、でも違ってきます。
そこにはもちろんですが、予算が絡んできます。資金が充分にある企業なら良いですが、そうでもない場合は、どこでどう工夫をして、妥協もして、でも納得いくものを作っていくのか、そしてそれをやったことない人間が、製造業の方々の話を理解しながら、小売業界のルールを勉強しながら、人に喜んでもらえるかつ売れる商品を作っていくのか。もちろんターゲットによっても変わってきますし、マーケットリサーチも必要になってきます。想像以上にやることが多すぎて、頭が混乱してばかりです。そしてそこには正解もあるはずもなく。。
ただ、分かったことは、私は販売はしてきていても、製造は素人なんだってこと。わからないことが多すぎるから苦労しているのであって、経験を積んでいけばまた見えるものは違ってくるのでしょう。でも当分見えそうもありません。苦笑
化粧品を作りたいと思った理由は、化粧品って、一つのツールだと思うからです。何のツールかって言えば、「自分の美しさを思い出す」ものとして。
そして、化粧品って、毎日使うもの。そしてその感覚やお肌への心地よさから、潤いが心までも満たしてくれる、そんな存在だと思うからです。1日お疲れ様でした、という時間のお供でもあり、今日も1日頑張ろう!って思う最初の儀式でもあると思うのです。その時のお供に、自分の心が自然に満たされるパートナー的存在は、一生のお付き合いとなると思うのです。
そして、自然に心が満たされる、という事は、鏡を見て満足することが必須条件だと思います。そして、つけた後のお肌の感触、そして、その後の自信持って過ごせるだけのサポート力。それってすごい存在だと思いませんか?
健康で問題のないお肌であれば、今以上の美しさや若さを感じられる健康的なお肌を求めるでしょうし、元々敏感であったり、比較的デリケートなお肌であれば、基礎体力をつけていってくれる効果が感じられるものであって欲しいと思うのです。
それは、お金をかけてエステに行って叶えることもできるかもしれませんが、やっぱり基本はセルフケアが重要です。自分のお肌なのに、自分のお肌を誰かに託すのは違うと思うのです。サポートはしてもらって、自分自身のお肌に誇りを持って過ごして欲しいと思うのです。だからこそ、このセルフケアのお供となる化粧品はとても重要な位置を占めていると思うのです。
この化粧品開発の旅は、果てしなく、答えも見えないまま、どこまで追い続けるのか、をどこかで決めなければなりません。自己満足でもダメだし、完璧を求めても終わりが見えません。全員に良い化粧品で在りたいけれど、それは全員に好かれたいのと同じで、無理があります。だからこそ、「美しい自分を思い出す」ためのエッセンスとして化粧品に込められた思いを受け取ってくださる方に、お肌の弱い方でも安心して使えるようなものを作って、届けられたらと思うのです。
最先端の美容成分ももちろん魅力的ですが、それ以上に大事にしたいのは、「本質的な力」を持つ成分を。愛情溢れるご飯を食べたら元気になれるように、お肌にいれるものもそうで在りたい。太陽を浴びたらエネルギーが満ちるように、化粧品に触れていくと優しい気持ちになれるような、そんな存在で在りたい。そう思います。
そして私は知ってしまっているのです、その凄さを。そして本能で選んでしまうことも。そして自分が弱った時に痒みが出たことが在り、その時にも使えたありがたさを。いつだって私たちには潤いが必要で、そしてそれを惜しみなく入れられるものとお付き合いしていきたい。そう思うのです。
だから、きっとこれは私自身に対していうことですが、誰が作ったのか、も大事になってくると思います。誰がどんな思いで、エネルギーを込めたものなのか、も大事なんじゃないかと思うのです。綺麗事のように思うかもしれませんが、やっぱり私ならそういう思いのものを使いたいと思うから。
コストも妥協も色々とあるけれど、完璧となるには道のりがあるけれど、自分が一生付き合っていきたいと思うものを生み出したい、とも思うのです。たくさんの展示会やその道の方々に話を聞きながら、綺麗事じゃないこともたくさん知ります。内容についても、バカ正直でいけばビジネスにならないわけですが、本当にどこまでいけるのか、まだ見えていません。果たして私にできるのか?そんなことも思いながらも日々進んでいるように思います。
というわけで、まだ続いている化粧品開発の旅。今後どうなるか皆様、見守っていてください!
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