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将来、何になりたいか

「将来のことを考えれば考えるほど、辛くなる、眠れない」と20代の方がSNSで呟いていた。だが、これは若者特有の悩みではない。私だって同じだ。
平均寿命まで生きると仮定すると、あと何十年も生きなくてはならない。しかも、仕事を辞めてから20年も生き続ける計算になる。何の展望もない。何をしたいのかも分からない。
以前は、老後は好きなだけ本を読んで過ごそうと思っていた。楽しみが継続するから、物語は長ければ長いほど良い。「ローマ帝国衰亡史」も「デイビッド・コパフィールド」も「失われた時を求めて」も、買ってある。
だが、徐々に視力も読解力も思考力も衰えている気がする。老後の頃には、読んで十分に理解できるか不明である。

働かなくてよくなっても、やりたい仕事、やれと言われなくてもやれることが、本当に好きなことなのだと言われる。だが、働かなくてよくなったら、働かないだけかもしれない。やれと言われなくても炊事も洗濯もするけれど、それが本当に好きなことなのか。

子どもの頃、「将来何になりたいの?」と言われると、いくらでも出てきた。
今、将来何になりたいかと言われると、どうしたいのか自分でも分からない。
それで眠れないという程ではなく、よく眠れるのだが。

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